スペクトル分類(スペクトルぶんるい、英: spectral classification)は、恒星の分類法の一つである。スペクトル分類によって細分された星のタイプをスペクトル型(英: spectral type)と呼ぶ。恒星から放射された電磁波を捉え、スペクトルを観察することによって分類する。恒星のスペクトルはその表面温度や化学組成により変わる。表面温度を元にして分類する狭義のスペクトル型(ハーバード型)と、星の本来の明るさを示す光度階級 (luminosity class) があり、両者を合わせて2次元的に分類するMK分類が広く用いられている。これは、この分類を提唱した天文学者のウィリアム・ウィルソン・モーガンとの名前に由来する。 恒星のスペクトルのそれぞれの線は、特定の元素や分子の存在を示しており、その特徴の強度はそれらの存在量を示している。異なるスペクトル線の強度は主に恒星の光球の温度に左右されるが、いくつかの場合では元素の実際の存在量の違いを反映している場合がある。高温の天体では水素の吸収線が、低温の天体ではその他の重元素による吸収線が強く現れる傾向にある。また特に低温の星では、原子に加えて分子の吸収線も見られるようになる。