土中に隠れる童子
名寄高師小僧
「名寄高師小僧」は褐鉄鉱(沼鉄鉱)が,植物根の周囲に濃集・成長したものです.ほとんどの場合,植物根は腐食のため失われており,細長い空隙がある径1〜6cmほどの筒状の形状をしています.本体は褐鉄鉱の他,砂礫や粘土など植物根の周囲の粒子を含みます.硬くしまってはいますが,衝撃には弱く壊れやすいものです.地表部に近い褐色の地層から産出し,名寄市北国博物館には産出層準のはぎ取り標本も展示されています.
名称の由来は,多産した愛知県豊橋師の高師ヶ原台地に因んでいるとされます.名寄盆地周辺の市町村だけでなく,全国各地で「高師小僧」の産出は知られています.
「名寄高師小僧」は,文化財保護法による国指定の文化財です.同法により採取は禁じられています.実物は「名寄市北国博物館」に資料として所蔵され,博物館の常設展示室で見る事ができる.また博物館の受付に頼むと実物に触れさせてもらえます.
既存の指定など
国指定天然記念物(昭和14年9月7日)
所在地
名寄市 瑞穂有利里
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参考文献
道北地方地学懇話会 編(1995)道北の自然を歩く.北海道大学図書刊行会,269p.
北海道立地下資源調査所(1956)5万分の1地質図幅「名寄(旭川-32)」および同説明書.45p.
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