Apache OpenOffice™ が Apache インキュベータを卒業
Apache ソフトウェアファウンデーション(ASF)は、Apache OpenOfficeがApacheのトップレベルプロジェクト(TLP)になったことを皆さんにお知らせします。
Apache OpenOfficeは数々の賞を受賞したオープンソースのオフィススイートで、世界のほとんどの国で使われており、2012年5月にリリースされた最新バージョンのダウンロードは2000万以上に達しています(注:日本語メーリングリストへの報告によると、日本語版は50万回以上ダウンロードされています)。
2012年10月18日米国メリーランド州フォレストヒル発-Apacheソフトウェアファウンデーション(ASF)、ならびにボランティアの開発者と世話人、そして150近くのインキュベータプロジェクトは、本日、Apache OpenOfficeがApacheインキュベータ を卒業し、トップレベルプロジェクト(TLP)になったと発表しました。これはApacheOpenOfficeプロジェクトのコミュニティーとこのコミュニティーが開発しているソフトウェア製品が、ASFの能力主義的なプロセスと原則のもとで良く統率されてきたことを 示しています。
ASFのエグゼクティブバイスプレジデント(副理事長)でApache OpenOfficeのメンター(助言者)でもあるRoss Gardlerは「OpenOffice の卒業は、Apache のやり方(The Apache Way)が、他のソフトウェア製品の構成要素になってあまり目立たないソフト ウェアだけでなく、多数のエンドユーザーがいて定評があり良く目立つソフトウェア製品にも通用する証拠です。インキュベータのプロセスがあったからこそ、経験豊かなApacheのコントリビュータ(貢献者)はメンターとして、新しいコントリビュータと古くからのコントリビュータの両方を助け、開かれ、多様性のあるApache流コミュニティーを作り上げることができたのです」と言います。
Apache OpenOffice 担当バイスプレジデントの Andrea Pescetti は「OpenOfficeの卒業は、このプロジェクトが技術的な問題だけでなく、コミュニティーの問題でも自己管理ができるプロジェクトだと公式に認められたということです。完全な透明性をもって意思決定はすべて公開で行うApache のやり方(The Apache Way)によってこのプロジェクトは新たにボランティアを獲得し、Apache OpenOfficeの安定した未来を保証するアクティブで多様性のあるプロジェクト・マネジメント・コミッティ(PMC:プロジェクト運営委員会)を選ぶことに成功しました」と言います。
OpenOfficeのコードベースは最初1990年代にStar Divisionが作り出しました。1999年にSun Microsystemsに買収され、2010年にはOracle Corporationに買収されました。その後2011年6月にApache ソフトウェアファウンデーション(ASF)にインキュベータプロジェクトとして提案されました。
Apache インキュベータとしての開発期間、Apache OpenOfficeプロジェクトはほぼ1000万行のコードを移行し、多くの改善を加え、ユーザーから報告された多くのバグを修正しました。Apache OpenOfficeは誰でも無料で入手できるオフィススイートで多くの人が使っています。Apache OpenOfficeはこれまでに、ダウンロードのトップ賞やベスト・オープンソースデスクトップオフィススイートなど5つの賞を獲得しています。
2012年5月にApache OpenOffice 3.4.1が20言語でリリースされました。2000万回以上ダウンロードされ、ユーザーは世界各地の個人、企業、教育機関、政府機関に及びます。現在プロジェクトは新機能と革新的な技術に取り組んでおり、2013年第1四半期と第4四半期のリリースを目指しています。
Apache OpenOfficeリリース・マネージャのJuergen Schmidtは「OpenOfficeがApacheのトップレベルプロジェクトになったのは本当にすごいことです。卒業に至るまでに多くの困難がありました。最初のリリースとなった Apache OpenOffice 3.4をリリースするために私たちコミュニティはコードを Oracle のリポジトリから Apache に移行するだけでなく、Apacheのライセンス要件を満たすためにライセンス的に互換性のないライブラリを取り替える必要がありました。これが達成されたので Apache OpenOfficeのソースコードは、他のプロジェクトや会社などでも利用できるようになりました」と言いま す。
「私たちはこの重要な卒業という節目を迎えられたことを非常に誇りに思います。また 世界トップレベルの Apache プロジェクトが集うところにOpenOffice を歓迎したいと 思います」と Gardler は付け加えました。
入手方法とライセンス
Apache OpenOfficeはどんな人にもどんな目的でも無料で入手でき、http://openoffice.org からダウンロードできるようになっています。そして、何台のパソコンにでも、何人のユーザのためにも、ライセンス料は全くかからずにダウンロードできます。このプロジェクトは、オープンな標準、ODF(ISO/IEC 26300の初の実装です)から CIMS, OpenSocialやODataまでを計画中で、そのサポートに焦点をあてています。
すべてのApacheのソフトウェアと同様、Apache OpenOfficeは、Apache License v2.0というライセンスのもとにリリースされます。そして、プロジェクトへのアクティブな貢献者たちの中から、プロジェクト自身で選んで決めたチームが監督しています。Project Management Committe(PMC:プロジェクト運営委員会)が、日々のこと、コミュニティーの発展やソフトウェアのリリースに関して導いてゆきます。ApacheOpenOfficeのソースコード、ドキュメント、メーリングリスト、関連するもの、そしてどのように参加できるかは、http://openoffice.apache.org/ にあります。
Apache ソフトウェアファウンデーション(ASF)について
ASFは1999年に設立されたすべてボランティアのファウンデーション、財団法人です。 世界で最も使われているウェブサーバーのApache HTTP サーバーをはじめ150近くの オープンソースプロジェクトを監督しています。Apache の能力主義的プロセスは「The Apache Way(アパッチのやり方)」として知られるようになりましたが、このやり方で 400人以上の個人メンバーと3500人以上のコミッターが共同で、フリーで使え、企業 ユースにも耐え、世界の何百万というユーザーの役に立っているソフトウェアを開発 しています。数千におよぶソフトウェアソリューションがApache のライセンスで配布 されています。ASFのメーリングリスト、メンターの活動、ApacheCon(Apacheカンファ レンス)、ファウンデーションの公式ユーザーのカンファレンス、トレーニング、博覧 会にはコミュニティーが積極的に参加しています。ASFは米国の法律で規定されている 501(c)(3)非営利団体です。個人の寄付と、AMD、Basis Technology、Citrix、Cloudera Facebook、Go Daddy、Google、HP、Hortonworks、Huawei、IBM、InMotion Hosting、 Matt Mullenweg、Microsoft、PSW Group、SpringSource/VMware、WANdisco、Yahoo! をはじめとする企業スポンサーによって創立されました。詳しくは、 http://www.apache.org を見るか、ツイッターで@TheASF をフォローしてください。
「Apache」、「OpenOffice」、「Apache OpenOffice」、「ApacheCon」は Apache ソフトウェアファンデーションの商標です。その他のブランドおよび商標はすべて各々 の所有者に所有権があります。
連絡先
Apacheソフトウェアファウンデーション
バイスプレジデント
Sally Khudairi
[email protected]
+1 617 921 8656
翻訳
平野一成 ([email protected])
中田真秀 ([email protected])
原文:OpenOffice Graduates from the Apache Incubator (2012/10/18付)