北大阪急行電鉄9000形電車のソースを表示

{{鉄道車両
|車両名            =北大阪急行電鉄9000形電車
|社色              =#640125
|画像              =Kitakyu 9000 series at Momoyamadai Station 2019-11-17 (49926397507).jpg
|pxl               =
|画像説明          =9000形1次車（2019年11月）
|unit              =auto
|製造所=[[近畿車輛]]
|製造年=2014年 - 2017年（8000形未更新車置き換え用）<br />2022年 -（延伸増備用）
|製造数=40両（2017年4月現在）
|両数              =10両編成 (4M6T)
|営業最高速度      =70
|設計最高速度      =95
|最高速度          =
|起動加速度        =2.8
|減速度            =
|減速度（常用最大）=3.5
|減速度（非常）    =4.5
|編成定員          =
|車両定員          =先頭車128人 中間車138人
|編成長            =
|最大寸法          =
|全長              =18,200
|全幅              =2,800
|全高              =3,745
|車体長            =
|車体幅            =
|車体高            =
|車体材質          =[[ステンレス鋼]]
|編成質量          =
|車両質量          =
|軌間              =1,435
|電気方式          =[[直流電化|直流]]750V[[第三軌条方式]]
|編成出力          =2720kW
|主電動機出力      =170kW
|主電動機          =全閉式永久磁石同期電動機([[PMSM]])
|歯車比            =103:14 (7.357)
|駆動装置          =
|制御装置          =[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]][[半導体素子|素子]][[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]
|台車              =モノリンク式ボルスタレス台車
|制動方式          =全電気指令式ブレーキ
|保安装置          = WS-ATC
|備考              =
|備考全幅          =
}}
'''北大阪急行電鉄9000形電車'''（きたおおさかきゅうこうでんてつ9000けいでんしゃ）は、[[北大阪急行電鉄]]の[[通勤形車両 (鉄道)|通勤形電車]]である。ポールスター II (''POLESTAR II'') の[[愛称]]がある。

== 概要 ==
「お客様への静かなやすらぎ空間の提供とさらなる環境性能の向上」<ref>{{Cite web |title=新型車両 9000形を平成26年春より導入します。〜「安らぎ」と「省エネルギー」を追求〜|url=http://www.kita-kyu.co.jp/upload/014..pdf|publisher=北大阪急行|format=PDF |date=2013-12-11|accessdate=2016-12-11}}</ref>を開発コンセプトとして導入され、第1編成が[[2014年]]4月28日に<ref>[http://railf.jp/news/2014/04/29/183500.html 北大阪急行9000形が営業運転を開始] - 交友社『鉄道ファン』railf.jp鉄道ニュース 2014年4月28日</ref>営業運転を開始した。

本形式の導入は、一部の書籍において2023年度末開業予定で計画されている[[箕面萱野駅]]への路線延長に備えて車両の増備が必要となったためと記されていたが<ref>双葉社「都市鉄道完全ガイド 関西私鉄・地下鉄 キタ編」北大阪急行電鉄 車両紹介記事。この時点では開業予定年を2020年度末としていた。</ref>、第4編成までは本形式導入に合わせて[[北大阪急行電鉄8000形電車|8000形]]の未更新車が順次廃車となっている<ref>ジェー・アール・アール　『私鉄車両編成表2015』　交通新聞社、2015年、200頁。</ref><ref>ジェー・アール・アール　『私鉄車両編成表2016』　交通新聞社、2016年、199頁。</ref><ref>ジェー・アール・アール　『私鉄車両編成表2018』　交通新聞社、2018年、197頁。</ref>。

== 外観 ==
[[File:Kitakyu 9000 9003F.JPG|thumb|マイナーチェンジされた第3編成]][[北大阪急行電鉄2000形電車|2000形]]以来のステンレス車体が採用された。レーザー溶接工法の導入によって、外板と補強材が連続溶接可能となり、従来のスポット溶接より強度向上が図られた。車体は無塗装であるが、側窓下にマルーン・アイボリー・レッドの3色帯を配しており、前面窓下にも同様の帯が配されている。

前照灯にはLEDを搭載し長寿命化を図っており、前照灯の位置を8000形よりも上部に設置することで、従来よりも照射距離が伸びている。

行先表示器は前面・側面ともにフルカラーLEDを搭載している。ただし、直通先の[[Osaka Metro御堂筋線]][[大阪市交通局30000系電車|30000系]]、[[大阪市交通局20系電車|21系更新車]]で行っている側面の号車表示は省略されている。

3次車はデザインが大幅に変更され、車体全般をラッピングしたものとなった。外観は、緑地公園以北の沿線風景として馴染みがある「竹林」をテーマとし、色彩は沿線の文化的なイメージを重視し、側面上部に「菊炭色」、側面窓周りには濃いマルーン系の地色に竹柄のグラフィックとグラデーションをアレンジしており、車体上下はアイボリーで覆われている<ref name="2016-02-02">{{Cite web |title=9000形「POLESTARⅡ」3次車よりデザインを変更します 〜50周年に先駆けて沿線風景として馴染みのある「竹林」をテーマに〜 |url=http://www.kita-kyu.co.jp/upload/043.pdf |publisher=北大阪急行 |format=PDF |date=2016-02-02 |accessdate=2016-12-11}}(リンク切れ)[https://web.archive.org/web/20190407020813/https://www.kita-kyu.co.jp/upload/043.pdf] - [[ウェイバックマシン]]によるアーカイブ</ref>。先頭部はマルーンの面積が大幅に拡大されている。

== 車内 ==
=== 内装 ===
車内は8000形と同様にロングシートが採用され、木目調の化粧板やゴールデンオリーブ色のシートも踏襲されている。従来の車内照明には通勤車両として初めて調色・調光可能なLED照明を導入し、季節や時間帯によるシチュエーションに応じたやすらぎ空間を演出する。8000形からの改良点として、座席の仕切り板の大型化と握り棒の増設、側扉への開閉予告ランプの設置、ドアチャイムの自動化、車いすスペースの大型化が行われている。第3編成からは混雑対策として座席幅を狭くし、その関係で座席中央の握り棒は廃止されたが、代わりに荷棚の先端をつかみやすい形状とするなど、設備が一部変更された<ref name="2016-02-02" />。また、第3編成からドアの窓は複層ガラスになり、押さえ金具の形状などが第2編成以前と若干異なっている。

車両間の貫通扉には自動扉を採用しているが、8000形とは異なり扉の外側にある押ボタンを押すことで扉が開く仕組みとなっている。

8000形では8006FにLED式車内案内表示装置が千鳥配列で搭載されているが、9000形では各ドア上には[[液晶ディスプレイ|LCD]]型[[車内案内表示装置]]を搭載しており、15インチのLCD2画面と横長19.2インチのLCD1画面（いずれも[[KIホールディングス|コイト電工]]の「パッとビジョン」<ref name="koito-lcd">[http://www.koito-ind.co.jp/cases/train/lcd/case_11.php コイト電工 納入事例｜横長LCD車内表示器｜北大阪急行 9000形]</ref>）を交互に配置することで全てのドア上に車内案内表示装置を設けている。15インチのLCDは、[[IPコア]]「Sesamicro（セサミクロ）」を採用した大阪メトロ30000系とは異なり、横長19.2インチLCDに準じた表示内容となっている<ref name="koito-lcd" />。

=== 運転台 ===
本形式では親会社の[[阪急電鉄]]と同様、T字ワンハンドルマスコンが採用された。T字ワンハンドルマスコンは御堂筋線を走行する車両においても、順次採用されている。

速度計は8000形の大型7セグメントディスプレイから、一般的な指針式速度計となった。

従来個別に設置していた機器モニタリングシステムと運行情報記録システムを車両モニタ装置として1つに統合することで、機器のスリム化を図った。
<gallery perrow="6" widths="170" style="font-size:90%;">
Kitakyu 9000 interior.jpg|1・2次車の車内
Kitakyu 9003 interior.jpg|3次車の車内<br />シート中央のスタンションポール（縦手すり）、つり革が削減されている。扉と座席の袖仕切りの間隔も開いている。
Kitakyu 9004 interior.jpg|4次車の車内<br />床材が石畳柄のものに変更されている。
Kitakyu 9000 joint.JPG|連結部分。ドアのスイッチは取っ手の隣の丸になっている部分
Kitakyu 9000 infomation display.JPG|2画面の車内案内表示装置「パッとビジョン」（15型）
Kitakyu 9000 infomation display 2.JPG|横長の車内案内表示装置「パッとビジョン」（19.2型）
Kitakyu 9000 cab 20140501.jpg|運転台
</gallery>

== 機器 ==
主電動機には定格出力170kWの東芝製[[永久磁石同期電動機]]（PMSM）を採用している。制御装置は主回路に2レベルのIGBTを採用し保守性の向上を図っている（加減速音は先に登場した[[阪急1000系電車 (2代) |阪急電鉄1000系]]などのタイプのものではなく、[[東京メトロ16000系電車|東京メトロ16000系]]や[[東京メトロ1000系電車|東京メトロ1000系]]などと同様のものである）。

加速度は8000形より落とされ、2.8km/h/sだが、定加速度領域を上げているため、8000形とほぼ同等の所要時分での運転が可能である。また、8000形と異なり、設計最高速度は95km/hになっている。

== 運用 ==
2023年9月現在、10両編成×5本の50両が在籍し、[[北大阪急行電鉄南北線]]および[[直通運転|相互乗り入れ]]先の[[大阪市高速電気軌道]]（Osaka Metro）[[Osaka Metro御堂筋線|御堂筋線]]の[[江坂駅]] - [[中百舌鳥駅]]間で運用されている。

[[2020年]][[2月24日]]には、北大阪急行開業50周年を記念して9001Fがラッピングされ同日から運行開始した。両先頭車両には50周年を迎えた[[日本万国博覧会|1970年大阪万博]]当時の写真や、北急公式キャラクターの「北鳩家族」が描かれ、同年9月30日まで運行された<ref>{{Cite press release|和書|url=https://www.kita-kyu.co.jp/upload/140.pdf|title=50 周年記念ラッピング列車を運行します|format=PDF|publisher=北大阪急行電鉄|date=2020-02-07|accessdate=2020-06-24}}</ref>。

2023年度末に箕面萱野 - 千里中央間が延伸開業することに伴って3編成が増備されている<ref name="press20220825">{{Cite press release|和書|url=https://www.kita-kyu.co.jp/upload/181.pdf|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220826012627/https://www.kita-kyu.co.jp/upload/181.pdf|format=PDF|language=日本語|title=北大阪急行電鉄南北線延伸線（千里中央駅〜箕面萱野駅）を『2023年度末（令和5年度末）に開業』します|publisher=箕面市／北大阪急行電鉄|date=2022-08-25|accessdate=2022-08-26|archivedate=2022-08-26}}</ref>。　なお、これらの増備車には[[箕面市]]のラッピングが施され、2023年8月1日より営業運転開始予定<ref>{{Cite news|url= https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002009.000005179.html |title= 延伸線の開業に先駆け 北大阪急行電鉄南北線「千里中央駅」～Osaka Metro 御堂筋線「なかもず駅」間で「箕面ラッピングトレイン」として8月から順次運行します ～箕面市ではこの電車の愛称を募集～ |date=2023-6-9|2newspaper=prtimes}}</ref>。
2編成は明治の森箕面国定公園や日本の滝百選に選ばれた箕面大滝などの紅葉、箕面の美しい四季の移ろいを鮮やかなグラデーションで表したデザイン。1編成は箕面市のPRキャラクター「[[滝ノ道ゆずる]]」と「モミジーヌ」とあしらったデザインとなる予定。

今後も増備が続くと思われる。
<gallery>
File:Polestar9001 trailer transportation.jpg|トレーラー牽引による輸送時の様子
ファイル:Kitaosaka-kyuko-railway 9000 renewalcar.JPG|営業運転初日の様子（2014年4月28日、新大阪駅）
File:Kitakyu 9000 Series 9001F 50th wrapping.jpg|9001F 50周年記念
</gallery>

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}

== 外部リンク ==
{{commonscat|Kitakyū 9000 series}}
* [http://www.kita-kyu.co.jp/9000type/ POLESTARⅡ] - 北大阪急行電鉄（公式サイト内の紹介ページ）
{{北大阪急行電鉄の車両}}

{{デフォルトソート:きたおおさかきゆうこうてんてつ9000かたてんしや}}
[[Category:北大阪急行電鉄の電車|9000]]
[[Category:2014年製の鉄道車両|きたおおさかきゆうこう電9000]]
[[Category:近畿車輛製の電車]]