徳川斉荘のソースを表示

{{基礎情報 武士
| 氏名 = 徳川 斉荘
| 画像 = Tokugawa Naritaka.jpg
| 画像サイズ = 200px
| 画像説明 = 徳川斉荘像([[長栄寺 (名古屋市北区)|長栄寺]]旧蔵)
| 時代 = [[江戸時代]]後期
| 生誕 = [[文化 (元号)|文化]]7年[[6月13日 (旧暦)|6月13日]]（[[1810年]][[7月14日]]）
| 死没 = [[弘化]]2年[[7月6日 (旧暦)|7月6日]]（[[1845年]][[8月8日]]）
| 改名 = 要之丞（幼名）→斉荘
| 別名 = 
| 諡号 = 
| 神号 = 
| 戒名 = 大覚院殿性譽惟徳源懿大居士
| 霊名 = 
| 墓所 = [[建中寺|徳興山建中寺]]
| 官位 = [[従三位]]・[[近衛府|左近衛権中将]]兼[[衛門府|右衛門督]]・[[参議]]・[[中納言|権中納言]]、[[従二位]]・[[大納言|権大納言]]
| 幕府 = [[江戸幕府]]
| 主君 = 徳川家斉→家慶
| 藩   = [[尾張藩]]主
| 氏族 = [[徳川氏]]（[[徳川将軍家]]→[[田安徳川家]]→[[尾張徳川家]]）
| 父母 = 父：[[徳川家斉]]、母：[[速成院]]<br/>養父：''[[徳川斉匡]]''、''[[徳川斉温]]''<br />養母：''[[広大院|近衛寔子]]''
| 兄弟 = [[徳川家慶|家慶]]、[[徳川敦之助|敦之助]]、[[徳川斉順|斉順]]、[[徳川虎千代|虎千代]]、[[徳川斉明|斉明]]、'''斉荘'''、[[池田斉衆]]、[[松平斉民]]、[[徳川斉温|斉温]]、[[松平斉良]]、[[徳川斉彊|斉彊]]、[[松平斉善]]、[[蜂須賀斉裕]]、[[松平斉省]]、[[松平斉宣]]、[[徳川家斉#家斉の子・妻妾|他]]
| 妻   = 正室：[[徳川斉匡]]の娘・'''[[貞慎院|猶姫]]'''
| 子   = [[徳川昌丸|昌丸]]、[[寿操院|利姫]]（[[浅野慶熾]]室）、釧姫（[[松平乗命]]室）<br />養子：'''''[[徳川慶臧|慶臧]]'''''
| 特記事項 = 
}}
'''徳川 斉荘'''（とくがわ なりたか）は、[[江戸時代]]後期の[[大名]]。[[天保]]7年（[[1836年]]）に[[田安徳川家]]4代当主、天保10年（[[1839年]]）に[[尾張徳川家]]12代当主となった。

== 生涯 ==
[[文化 (元号)|文化]]7年（[[1810年]]）6月13日、[[徳川家斉]]の十二男として生まれる。[[幼名]]は'''要之丞'''。12代将軍・[[徳川家慶]]は兄。

文化10年（[[1813年]]）12月25日、[[御三卿]]の田安家当主で叔父にあたる[[徳川斉匡]]の養子となる。[[天保]]7年（[[1836年]]）8月、斉匡の隠居により、田安家の家督を相続する。斉匡には多数の子女がおり、[[徳川匡時|匡時]]が世子となっていたが、病弱を理由に廃嫡され、代わって斉荘が継いだ。

天保10年（[[1839年]]）3月20日に[[尾張徳川家]]の当主で異母弟である[[徳川斉温]]が死去すると、26日に喪が発せられ、同日に[[松平乗寛]]と[[水野忠邦]]が[[江戸幕府|幕府]]の上使として江戸の尾張邸を訪れ、斉荘を[[末期養子]]として尾張家の家督を継がせるよう命じた。さらに田安家から家老の朝倉播磨守、御用人格の興津甚左衛門、用人の梶田五郎兵衛らが側近の付き人として斉荘に従って尾張家へ入ることも幕府から命じられた。

斉荘の養子入りは幕府の一方的な命令によるものであり藩内に大きな反発を生んだ。特に、先代斉温の遺言でもなく、隠居していた先々代[[徳川斉朝|斉朝]]（斉荘の従兄にあたる）<ref group="注釈">斉朝は斉荘らと同様に一橋家からの養子であったが、母方の高祖母が4代藩主[[徳川吉通|吉通]]の長女[[信受院|千姫（三千姫）]]であるため、尾張徳川家の血統を引いていた。</ref>にも全く相談もないことに不満は高まった。藩内では支藩である[[高須藩]]主[[松平義建]]の次男・秀之助（後の[[徳川慶勝]]）を望む者が多かった。このとき、[[御附家老]]の一人である[[竹腰正富]]が藩内の説得役となったが、反発した藩士が「[[金鉄組]]」を結成した。これが[[幕末]]に至り、反幕・[[尊皇攘夷]]派への流れとなって、[[竹腰氏|竹腰家]]を中心とした[[佐幕派]]との対立へとつながることとなる。また、江戸在府の御附家老[[成瀬正住]]にも批判が集中し、最終的には[[蟄居]]を強いられた<ref>小山譽城『徳川御三家付家老の研究』（清文堂出版、2006年） ISBN 4-7924-0617-X</ref>。

[[江戸城]]本丸用材を献じたことなどにより藩財政は悪化しており、倹約令を出すなどしていたが、斉荘自身は苦労知らずの遊興好きで、苦しい藩財政を省みなかったといわれる。天保13年（1842年）には幕府から藩政停滞について警告された。それでも当人は藩政に真剣に当たらず、[[茶道]]にかまけ、[[裏千家]]に入門して11代千宗室（玄々斎）から奥儀を授けられている<ref>工藤寛正 編『徳川・松平一族の事典』東京堂出版、2009年</ref>。

子女は6人いた。次男で斉荘死後に出生した[[徳川昌丸|昌丸]]は[[一橋徳川家]]を相続して間もなく夭折したが、女子の2人は成人して大名家に嫁いだ。その内の[[寿操院|利姫]]は[[徳川斉彊]]の養女として[[広島藩]]の藩主である[[浅野慶熾]]の正室となった。

== 官職および位階等の履歴 ==
※日付＝旧暦
* [[1812年]]（[[文化 (元号)|文化]]9年）5月28日 - 父である[[征夷大将軍|将軍]][[徳川家斉]]の[[徳川将軍家御台所|御台所]]近衛寔子（[[広大院]]）の養子となる。
* [[1813年]]（文化10年）12月25日 - [[徳川斉匡|田安斉匡]]の養子となる。
* [[1820年]]（[[文政]]3年）6月5日 - [[元服]]し、父・家斉から[[偏諱]]を与えられ斉荘と名乗る。[[従三位]]に叙し、[[近衛府|左近衛権中将]]に任官し、[[衛門府|右衛門督]]を兼任する。
* [[1829年]]（文政12年）7月5日 - [[参議]]に補任。
* [[1836年]]（[[天保]]7年）8月21日 - [[田安徳川家]]の当主となる。
* [[1837年]]（天保8年）8月28日 - [[中納言|権中納言]]に転任。
* [[1839年]]（天保10年）
** 3月27日 - [[尾張藩]]主となる。
** 12月16日 - [[従二位]]に昇叙し、[[大納言|権大納言]]に転任。
* [[1845年]]（[[弘化]]2年）7月6日 - 薨去。法名は大覚院殿性譽惟徳源懿大居士。墓所は名古屋市東区筒井の[[建中寺|徳興山建中寺]]。

== 系譜 ==
* 父：[[徳川家斉]]
* 母：[[速成院]]
* 養父：[[徳川斉匡]]（田安家）
* 養父：[[徳川斉温]]（尾張家）
* 正室：[[貞慎院|猶姫]]（田安徳川家3代[[徳川斉匡]]の娘・貞慎院）
* 側室：善行院 お八百（宮田氏）
** 次男：[[徳川昌丸]]（[[一橋徳川家]]第8代当主）
** 次女：[[寿操院|利姫]]（徳川慶臧婚約者、慶臧死後に[[浅野慶熾]]室）
** 四女：釧姫（[[松平乗命]]室）
* 側室：お登佐（笹本氏）
* 側室：戒光院 お久米（本間氏）
** 養子：[[徳川慶臧]] ー [[徳川斉匡]]の十男

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
 <references group="注釈"/> 
{{Reflist}}

{{田安徳川家|1836年 - 1839年|第4代}}
{{尾張徳川家|||第12代}}
{{尾張藩主|第12代|1839年 - 1845年}}

{{DEFAULTSORT:とくかわ なりたか}}
[[Category:尾張藩主|なりたか]]
[[Category:田安徳川家当主|なりたか]]
[[Category:尾張徳川家|なりたか]]
[[Category:徳川家斉の子女|なりたか]]
[[Category:1810年生]]
[[Category:1845年没]]