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パヴェ・ド・ジュネーブ≒生チョコレートではありそうなので、否定は削除するけど、「日本独自」「海外には普及していない」の出典はあるので
 
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'''生チョコレート'''(なまチョコレート)は、[[チョコレート]]生地に[[生クリーム]]や[[洋酒]]を練り込み、柔らかい食感をつくり出したもののこと。
'''生チョコレート'''(なまチョコレート)は、[[チョコレート]]生地に[[生クリーム]]や[[洋酒]]を練り込み、柔らかい食感をつくり出したもののこと<ref>{{kotobank|生チョコレート|チョコレート・ココア辞典}}</ref><ref name="excite">{{Cite web|和書|title=「生チョコ」は日本の独自規格だった 発祥は神奈川の洋菓子店 |website=Excite Bit |date=2017-1-3 |author=石原亜香利 |url=https://www.excite.co.jp/news/article/E1482833903319/ |accessdate=2021-7-17}}</ref>


生チョコレートは[[日本]]の洋菓子店・[[シルスマリア (企業)|シルスマリア]]で[[オーナー]][[シェフ]]を務めた小林正和が1988年に考案した{{R|excite}}<ref name="NHK">{{Cite web|和書|url=https://www.nhk.or.jp/nagano/lreport/article/001/27/ |title=【生チョコ誕生秘話⁉】ショコラティエ小林正和さん |website=NHK |date=2023-07-18 |accessdate=2023-12-18}}</ref><ref name="こまち">{{Cite web|和書|url=https://www.web-komachi.com/?p=67019 |title=生チョコの“生みの親”が飯山にショコラトリーをオープン「北信濃いいやまショコラの森 Bunzoo(ブンゾー)」@飯山市 |website=長野こまち |date=2021-07-22 |accessdate=2023-12-18}}</ref>。シルスマリアはその6年前の[[1982年]](昭和57年)2月に開店していたが、当時は一口サイズの[[トリュフチョコレート|トリュフ]]が40種類ほど販売されていた{{R|NHK}}。小林は「トリュフの中身だけを食べさせる」ことを思いつき、チョコレートや生クリームの種類、固さや粘り気を調整して「生チョコレート」の原型を完成させた{{R|NHK|こまち}}。小林は完成した生チョコレートの[[特許]]を取得せず、広く広めるためにあえてレシピを公開した{{R|NHK|こまち}}。
[[公正取引委員会]]が認定した「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」、チョコレート加工品(チョコレート生地を全重量の40%以上使用したもの)のうち、[[クリーム (食品)|クリーム]]が全重量の10%以上であって、水分(クリームに含有されるものを含む)が全重量の10%以上となるものを生チョコレートと表示できるとしている<ref>{{Cite web|url=http://www.jfftc.org/cgi-bin/data/bunsyo/A-16.pdf|format=PDF|title=チョコレート類の表示に関する公正競争規約|publisher=(一社)全国公正取引協議会連合会|accessdate=2013-08-23}}:第4条 (3)</ref>。


[[公正取引委員会]]「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」において生チョコレートを『チョコレート加工品(チョコレート生地を全重量の40%以上使用したもの)のうち、[[クリーム (食品)|クリーム]]が全重量の10%以上であって、水分(クリームに含有されるものを含む)が全重量の10%以上となるもの定義している<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.jfftc.org/rule_kiyaku/pdf_kiyaku_hyouji/chocolate.pdf |format=PDF |title=チョコレート類の表示に関する公正競争規約 |publisher=[[全国公正取引協議会連合会]] |accessdate=2022-02-15}}:第4条 (3)</ref>。
生クリームを用いたものは、固めのガナッシュと同じである。


生チョコレートは日本で独自に発展・アレンジされている菓子であるため海外には普及していない<ref name="weblio">{{Cite web|和書|url=https://eikaiwa.weblio.jp/column/phrases/how-to-say-in-english/nama-chocolate |title=「生チョコ」(生チョコレート)は英語でどう言う? |website=weblio英会話コラム |date=2017-01-23 |accessdate=2023-12-18}}</ref>。チョコレートに生クリームなどを加えるという製法から「'''[[ガナッシュ]]'''([[フランス語|仏]]:Ganache)」が近いものの、本来ガナッシュは他の菓子を作る際の材料という位置づけであり、生チョコレートは「ガナッシュをアレンジして単体で食べられるようにしたもの」と捉えることもできる{{R|weblio}}<ref>{{kotobank|ガナッシュ|チョコレート・ココア辞典}}</ref>。ガナッシュを固めた菓子として[[スイス]]・[[ジュネーブ]]名物の「パヴェ・ド・ジュネーブ({{lang|fr|Pavé de Genève}})」があり、日本では「生チョコレート」と呼ばれることも多い<ref>{{cite web|author= Switzerland Tourismスイス政府観光局|url=http://www.myswitzerland.com/en-us/paves-from-geneva.html|title=Pavés from Geneva |accessdate=2014-07-19}}</ref><ref>{{Cite web |title=生チョコレートは材料2つでできる⁉賞味期限や保管方法、レシピも紹介 | 基礎知識 | Hello, Chocolate(ハローチョコレート)| 株式会社 明治 - Meiji Co., Ltd. |url=https://www.meiji.co.jp/hello-chocolate/column/57/ |website=www.meiji.co.jp |access-date=2024-07-25 |language=ja}}</ref>。
== 起源 ==
1988年シルスマリアのオーナーシェフ小林正和が開発した日本生まれのチョコレートである。[[ボンボン・ショコラ]]のチョコレートコーティングを無くせば、中の柔らかい食感を味わえると考えて作られた<ref>{{cite web|author=シルスマリア|url=http://www.silsmaria.jp/index.php|title=生チョコと手作りケーキのお店~シルスマリア~|accessdate=2013-04-15}}</ref><ref>{{cite book|和書|title=お菓子の由来物語|author=猫井登|year=2008|publisher=原幻冬舎ルネッサンス|page=143|id=ISBN 978-4779003165}}</ref>。という説が小林正和氏自身の吹聴により一部で広まっているが、実際は1930年代にスイス、ジュネーブで生まれたお菓子である。ジュネーブのチョコレート店が開発した 小さなキューブ型にカットして ココアをまぶした なめらかな舌溶けの「生チョコ」は「パヴェ・ド・ジュネーブ」と命名され、現在ではジュネーブの至る所で販売されている名産チョコレート菓子である<ref>{{cite web|author= Switzerland Tourismスイス政府観光局|url=http://www.myswitzerland.com/en-us/paves-from-geneva.html|title=Pavés from Geneva |accessdate=2014-07-19}}</ref>。日本の生チョコレートはこの「パヴェ・ド・ジュネーブ」を真似て生まれたお菓子。「パヴェ・ド・ジュネーブ」はフランス語で「ジュネーブの石畳」という意味であり、前述の小林正和氏も、真似て「公園通りの石畳」と命名した。

== ガナッシュ ==
[[File:Ganache.ogg|thumb|right|ガナッシュの調理]]
ガナッシュ([[フランス語|仏]]:Ganache)とは、[[チョコレート]]の一種で、チョコレートを生クリーム<ref name="kotobank">{{kotobank|ガナッシュ|チョコレート・ココア辞典}}</ref><ref name="godiva">{{Cite web|url=http://www.godiva.co.jp/about/e_ganache.html|title=ショコラ百科事典 ガナッシュ ganache|publisher=Godiva|accessdate=2013-08-23}}</ref>や[[バター]]<ref>{{Cite book|last=Greenspan|first=Dorie|authorlink=|coauthors =|title=Baking from My Home to Yours|publisher=Houghton Mifflin|date=2006|location=Boston|pages=483-484|url=|doi=|id =|isbn=978-0-618-44336-9}}</ref>、[[牛乳]]<ref name="godiva" />、{{要出典範囲|[[洋酒]]|date=2013年8月}}などと混ぜ合わせ、用途に応じて硬さを調整したチョコレートクリームのこと。
水分が多く、通常のチョコレート生地と比べ[[消費期限]]は短い。

主に[[トリュフチョコレート]]の[[フィリング]]や生チョコレート、[[オペラ (菓子)|オペラ]]などの[[アイシング]]として使用する<ref name="kotobank" />。

「ガナッシュ」はフランス語で「[[顎]]」を意味するが、「間抜け」という意味もある。フランスで、チョコレートを調理していたある[[ブリゲード・ド・キュイジーヌ#役職の一覧|アプランティ]]が誤って熱した生クリームを入れてしまい、親方のシェフが「ガナッシュ!」と怒鳴ったことに由来するという<ref>{{Cite book|last=[[ピエール・エルメ|Pierre Hermé]]|authorlink=|coauthors =|title=Le grand livre du chocolat : 380 recettes|publisher=Mondo|date=2007|location=Vevey|pages=289, 335|url=|doi=|id =|isbn=978-2-88900-003-6}}</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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[[Category:日本発祥の洋風菓子]]

2024年7月25日 (木) 07:17時点における最新版

生チョコレート

生チョコレート(なまチョコレート)は、チョコレート生地に生クリーム洋酒を練り込み、柔らかい食感をつくり出したもののこと[1][2]

生チョコレートは日本の洋菓子店・シルスマリアオーナーシェフを務めた小林正和が1988年に考案した[2][3][4]。シルスマリアはその6年前の1982年(昭和57年)2月に開店していたが、当時は一口サイズのトリュフが40種類ほど販売されていた[3]。小林は「トリュフの中身だけを食べさせる」ことを思いつき、チョコレートや生クリームの種類、固さや粘り気を調整して「生チョコレート」の原型を完成させた[3][4]。小林は完成した生チョコレートの特許を取得せず、広く広めるためにあえてレシピを公開した[3][4]

公正取引委員会は「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」において、生チョコレートを『チョコレート加工品(チョコレート生地を全重量の40%以上使用したもの)のうち、クリームが全重量の10%以上であって、水分(クリームに含有されるものを含む)が全重量の10%以上となるもの』と定義している[5]

生チョコレートは日本で独自に発展・アレンジされている菓子であるため海外には普及していない[6]。チョコレートに生クリームなどを加えるという製法から「ガナッシュ:Ganache)」が近いものの、本来ガナッシュは他の菓子を作る際の材料という位置づけであり、生チョコレートは「ガナッシュをアレンジして単体で食べられるようにしたもの」と捉えることもできる[6][7]。ガナッシュを固めた菓子としてスイスジュネーブ名物の「パヴェ・ド・ジュネーブ(Pavé de Genève)」があり、日本では「生チョコレート」と呼ばれることも多い[8][9]

脚注

[編集]
  1. ^ チョコレート・ココア辞典『生チョコレート』 - コトバンク
  2. ^ a b 石原亜香利 (2017年1月3日). “「生チョコ」は日本の独自規格だった 発祥は神奈川の洋菓子店”. Excite Bit. 2021年7月17日閲覧。
  3. ^ a b c d 【生チョコ誕生秘話⁉】ショコラティエ小林正和さん”. NHK (2023年7月18日). 2023年12月18日閲覧。
  4. ^ a b c 生チョコの“生みの親”が飯山にショコラトリーをオープン「北信濃いいやまショコラの森 Bunzoo(ブンゾー)」@飯山市”. 長野こまち (2021年7月22日). 2023年12月18日閲覧。
  5. ^ チョコレート類の表示に関する公正競争規約” (PDF). 全国公正取引協議会連合会. 2022年2月15日閲覧。:第4条 (3)
  6. ^ a b 「生チョコ」(生チョコレート)は英語でどう言う?”. weblio英会話コラム (2017年1月23日). 2023年12月18日閲覧。
  7. ^ チョコレート・ココア辞典『ガナッシュ』 - コトバンク
  8. ^ Switzerland Tourismスイス政府観光局. “Pavés from Geneva”. 2014年7月19日閲覧。
  9. ^ 生チョコレートは材料2つでできる⁉賞味期限や保管方法、レシピも紹介 | 基礎知識 | Hello, Chocolate(ハローチョコレート)| 株式会社 明治 - Meiji Co., Ltd.”. www.meiji.co.jp. 2024年7月25日閲覧。