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'''L'''は、[[ラテン文字]]([[アルファベット]])の[[12]]番目の文字。小文字は '''l''' 。[[ギリシア文字]]の[[Λ]](ラムダ)に由来し、[[キリル文字]]の[[Л]]に相当する。
'''L'''は、[[ラテン文字]]([[アルファベット]])の[[12]]番目の文字。[[小文字]]は '''l''' 。[[ギリシア文字]]の[[Λ]](ラムダ)に由来し、[[キリル文字]]の[[Л]]に相当する。


== 字形 ==
== 字形 ==
[[File:L cursiva.gif|thumb|250px|筆記体]]
大文字は、縦棒の下端から右に横棒が出た形である。[[フラクトゥール]]は<math>\mathfrak{L}</math>である。
[[ファイル:Sütterlin-L.png|サムネイル|250x250ピクセル|[[ジュッターリーン体]]]]
[[大文字]]は、縦棒の下端から右に横棒が出た形である。[[フラクトゥール]]は<math>\mathfrak{L}</math>である。


小文字では、横棒を欠く。従って大文字の [[I]] や数字の [[1]] と紛らわしい([[ホモグリフ]])。僅に[[セリフ (文字)|セリフ(飾り)]]によって区別することが可能で、大文字の I は上端と下端で左右両方に飾りが出るのに対して、数字の 1 と L の小文字は、上端は右に飾りが出ない。数字の 1 の上の飾りは鋭角に下に曲がっているのに対し、Lの小文字 l は左に真っ直ぐである。
小文字では、横棒を欠く。従って大文字の [[I]] や数字の [[1]] と紛らわしい([[ホモグリフ]])。僅に[[セリフ (文字)|セリフ(飾り)]]によって区別することが可能で、大文字の I は上端と下端で左右両方に飾りが出るのに対して、数字の 1 と L の小文字は、上端は右に飾りが出ない。数字の 1 の上の飾りは鋭角に下に曲がっているのに対し、Lの小文字 l は左に真っ直ぐである。


一方で、筆記体では {{JIS2004フォント|ℓ}} のようであり、それらと区別することが可能である。後述する単位の[[リットル]]は、日本国内において印刷書体でも筆記体で「 ℓ 」の書体を使う例がある<ref group="注釈">中学理科教科書では[[リットル]]の記号として「 ℓ 」を使わないという記載がある(「新版理科の世界1年」大日本図書、2020年2月5日発行<276ページ>)</ref>ただし、これは [[e]] の筆記体と似ており、縦の長短でしか区別ができない。縦長が「L」の筆記体であり、縦短が「[[E]]」の筆記体である。[[フラクトゥール]]では <math>\mathfrak{l}</math> となる。
一方で、[[筆記体]]では {{JIS2004フォント|ℓ}} のようであり、それらと区別することが可能である。後述する単位の[[リットル]]は、日本国内において印刷書体でも筆記体で「 ℓ 」の書体を使う例がある<ref group="注釈">中学理科教科書では[[リットル]]の記号として「 ℓ 」を使わないという記載がある(「新版理科の世界1年」大日本図書、2020年2月5日発行<276ページ>)</ref><ref group="注釈">国税庁は、酒類の内容量の表示について「ℓ」、「mℓ」の表示を許容している([[リットル#酒類の表示]])。</ref>。ただし、これは [[e]] の筆記体と似ており、縦の長短でしか区別ができない。縦長が「L」の筆記体であり、縦短が「[[E]]」の筆記体である。[[フラクトゥール]]では <math>\mathfrak{l}</math> となる。


== 呼称 ==
== 呼称 ==
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* 朝鮮語のローマ字表記では終声の{{lang|ko|[[ㄹ]]}}に使用され、初声の場合 (r) とは区別される。
* 朝鮮語のローマ字表記では終声の{{lang|ko|[[ㄹ]]}}に使用され、初声の場合 (r) とは区別される。
[[日本語]]はローマ字では使わないが、語頭と「[[ん]]」の後の[[ら行]]がこの音に近い。
[[日本語]]はローマ字では使わないが、語頭と「[[ん]]」の後の[[ら行]]がこの音に近い。
正確には、ローマ字のら行のオプション表記。子音時に「L」を入力すると、「LA LI LU LE LO」→「ぁ.ぃ.ぅ.ぇ.ぉ」という小文字が出てくる場合が多いのが一般的。「R」を参照。電子辞書では、ローマ字のら行はLでも入力できる。「LA LI LU LE LO」→「ら.り.る.れ.ろ」。Lは、舌を上の歯茎に付けて発音するら行。


== L の意味 ==
== L の意味 ==
=== 学術関連 ===
=== 学術関連 ===
* [[ローマ数字]]の[[50]]。
* [[ローマ数字]]の[[50]]。
* [[物理学]]などで[[長さ]]の記号として用いられる(小文字)。また、[[角運動量]](大文字)を表すのにも用いられる。
* [[物理学]]などで[[長さ]]の記号として用いられる([[イタリック体]]の[[小文字]])。また、[[角運動量]](イタリック体の[[大文字]])を表すのにも用いられる。
* [[体積]]の単位[[リットル]])(日本など一部の国では慣習的に小文字の筆記体またはイタリック体 ({{JIS2004フォント|ℓ}}) が用いられているが、多くの国では大文字が用いられる。近年は日本でも大文字教育されており、大文字が用いられている。
* [[体積]][[リットル]]の[[単位記号]]として用いられる。この場合、正式には[[立体活字|立体]]・小文字の「l」または立体・大文字の「L」と定められている<ref>[https://laws.e-gov.go.jp/document?lawid=404M50000400080#91 計量単位規則 別表第2(第2条関係)] 体積・リットルの欄、「l又はL」となっている。</ref>。日本など一部の国では慣習的に小文字の筆記体またはイタリック体 ({{JIS2004フォント|ℓ}}) が用いられているが、多くの国では大文字が用いられる。日本でも[[教科用図書検定基準]]の改正により2012年以降は大文字「L」を使用するように教育されている。詳細は、[[リットル#記号のゆれ]]を参照。
* [[非SI接頭]](ジム・ブロワーズ (Jim Blowers) の提案
* [[非SI接頭]](ジム・ブロワーズ (Jim Blowers) の提案
** ルマ (luma)(10<sup>63</sup>)(大文字)
** ルマ (luma)(10<sup>63</sup>)(大文字)
** ルント (lunto)(10<sup>−63</sup>)(小文字)
** ルント (lunto)(10<sup>−63</sup>)(小文字)
* [[21|二十一]]を意味する数字。[[三十進法]]など、二十二進法以上<small>(参照: [[位取り記数法#Nが十を超過]])</small>において二十一([[十進法]]の'''21''')を一桁で表すために用いられる。ただし、アルファベットの [[I]] と数字の [[1]] が混同し易いために、アルファベットの I を用いないことがあり、この場合、[[J]] が[[18|十八]]、[[K]] が[[19|十九]]、L が[[20|二十]]を意味する。
* [[21|二十一]]を意味する数字。[[三十進法]]など、二十二進法以上<small>(参照: [[位取り記数法#Nが十を超過]])</small>において二十一([[十進法]]の'''21''')を一桁で表すために用いられる。ただし、アルファベットの [[I]] と数字の [[1]] が混同し易いために、アルファベットの I を用いないことがあり、この場合、[[J]] が[[18|十八]]、[[K]] が[[19|十九]]、L が[[20|二十]]を意味する。
* [[生物]]の[[学名]]を表記する際に、[[カール・フォン・リンネ]]の略称として使われる。
* [[生物]]の[[学名]]を表記する際に、[[カール・フォン・リンネ]]の略称として使われる。
* [[ラグランジュ点]] ('''L'''agrangian point) の略号。
* [[ラグランジュ点]] ('''L'''agrangian point) の略号。
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* [[NTTドコモ]]の[[LGエレクトロニクス]]製端末用符号。
* [[NTTドコモ]]の[[LGエレクトロニクス]]製端末用符号。
* 旧[[ロッキード]]社製航空機の形式で旅客機を表す記号。
* 旧[[ロッキード]]社製航空機の形式で旅客機を表す記号。
* [[富士通]]製[[ソフトウェア]]に使用される、[[バージョン管理システム|バージョン]]より小さな製品改良を表す数値、レベル('''L'''evel)。例えば、[[ScanSnap]] Managerの2014年12月18日アップデート版は、「V6.3L24」である<ref>[http://www.forest.impress.co.jp/docs/update/driver/20141219_681105.html 【アップデート情報】パッケージ・ドライバー関連 12月19日]、[[窓の杜]]、2014年12月19日 12:15。</ref>。
* [[富士通]]製[[ソフトウェア]]に使用される、[[バージョン管理システム|バージョン]]より小さな製品改良を表す数値、レベル('''L'''evel)。例えば、[[ScanSnap]] Managerの2014年12月18日アップデート版は、「V6.3L24」である<ref>[https://forest.watch.impress.co.jp/docs/update/driver/681105.html 【アップデート情報】パッケージ・ドライバー関連 12月19日]、[[窓の杜]]、2014年12月19日 12:15。</ref>。


=== スポーツ・ゲーム関連 ===
=== スポーツ・ゲーム関連 ===
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* [[リーグ戦|リーグ ('''L'''eague) 戦]]の略として、L戦と書くことがある。⇔T戦([[トーナメント方式|トーナメント戦]])
* [[リーグ戦|リーグ ('''L'''eague) 戦]]の略として、L戦と書くことがある。⇔T戦([[トーナメント方式|トーナメント戦]])
* [[競艇]]で、[[スタート事故|レイト]]('''L'''ate、出遅れ)の略として用いられる。
* [[競艇]]で、[[スタート事故|レイト]]('''L'''ate、出遅れ)の略として用いられる。
* [[競馬]]の[[リステッド競走]]。JRAでは2019年からオープン競走の一部がリステッド競走に格付けされ、競走名の後ろに「(L)」が付される。
* [[競馬]]の[[リステッド競走]]('''L'''isted race)。JRAでは2019年からオープン競走の一部がリステッド競走に格付けされ、競走名の後ろに「(L)」が付される。
* [[ビリヤード]]のハウストーナメント会場などで、「B・C・L戦」などと書かれていた場合の"L"とは'''L'''adiesの略である。
* [[ビリヤード]]のハウストーナメント会場などで、「B・C・L戦」などと書かれていた場合の"L"とは'''L'''adiesの略である。
* [[将棋]]の[[香車]]の略号で、そのニックネーム「槍」の英訳 ('''L'''ance) から。
* [[将棋]]の[[香車]]の略号で、そのニックネーム「槍」の英訳 ('''L'''ance) から。
* [[スーパーマリオブラザーズ]]シリーズにおける登場キャラクター[[ルイージ (ゲームキャラクター)|ルイージ]]のシンボルマーク。基本緑色で表される。


=== その他 ===
=== その他 ===
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* [[洋服]]などのサイズのひとつ。大 (Large/Long)。さらに大きいものにLLなどがある。
* [[洋服]]などのサイズのひとつ。大 (Large/Long)。さらに大きいものにLLなどがある。
* [[居間|リビングルーム]] (living room) の略。
* [[居間|リビングルーム]] (living room) の略。
*£は[[イギリス|英国]]等の[[通貨]]の[[単位]]、ポンドの記号。[[スターリング・ポンド|UKポンド]](スターリンポンド)等。
* £は[[イギリス|英国]]等の[[通貨]]の[[単位]]、ポンドの記号。[[スターリング・ポンド|UKポンド]](スターリンポンド)等。
* [[左]] ('''l'''eft) を表す。
* [[左]] ('''l'''eft) を表す。
* 低 ('''l'''ow) を表す。例として [[天気図]]における[[低気圧]] (Low pressure area) の意。
* 低 ('''l'''ow) を表す。例として [[天気図]]における[[低気圧]] (Low pressure area) の意。
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* 確認表示灯内蔵スイッチ。構内電気設備配線用図記号 ([[JIS]] C 0303:2000) で用いられる。スイッチの図記号に傍記。
* 確認表示灯内蔵スイッチ。構内電気設備配線用図記号 ([[JIS]] C 0303:2000) で用いられる。スイッチの図記号に傍記。
* [[L-エル-]] - [[Acid Black Cherry]]のアルバム、およびそれを原作とした映画作品。
* [[L-エル-]] - [[Acid Black Cherry]]のアルバム、およびそれを原作とした映画作品。
* [[エフエム・ノースウェーブ]]で月曜から木曜9:00 - 11:55まで放送されていたラジオ番組。現在は「L 2nd(エル・セカンド)」に改称。
* [[FM NORTH WAVE]]で月曜から木曜9:00 - 11:55まで放送されていたラジオ番組。現在は「L 2nd(エル・セカンド)」に改称。
* [[L版 (印画紙)]]および[[2L版 (印画紙)]] - [[写真]]用[[印画紙]]の[[紙の寸法#写真|サイズ]]
* [[l (大原櫻子のアルバム)]]


== 符号位置 ==
== 符号位置 ==
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{{ULu|1F11B|127259||‐|24A7|9383||‐|括弧付き|bfont=ARIB外字フォント|sfont=MacJapanese}}
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{{ULu|1D40B|119819||‐|1D425|119845||‐|[[太字]]}}
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{{ULu|2112|8466||‐|2113|8467||‐|筆記体}}
{{ULu|1D543|120131||‐|1D55D|120157||‐|[[黒板太字]]}}
|}
|}



2024年7月30日 (火) 16:41時点における最新版

Ll Ll
ラテン文字
Aa Bb Cc Dd    
Ee Ff Gg Hh    
Ii Jj Kk Ll Mm Nn
Oo Pp Qq Rr Ss Tt
Uu Vv Ww Xx Yy Zz
  • 太字で表した字は母音である。

Lは、ラテン文字アルファベット)の12番目の文字。小文字lギリシア文字Λ(ラムダ)に由来し、キリル文字Лに相当する。

字形

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筆記体
ジュッターリーン体

大文字は、縦棒の下端から右に横棒が出た形である。フラクトゥールである。

小文字では、横棒を欠く。従って大文字の I や数字の 1 と紛らわしい(ホモグリフ)。僅にセリフ(飾り)によって区別することが可能で、大文字の I は上端と下端で左右両方に飾りが出るのに対して、数字の 1 と L の小文字は、上端は右に飾りが出ない。数字の 1 の上の飾りは鋭角に下に曲がっているのに対し、Lの小文字 l は左に真っ直ぐである。

一方で、筆記体では のようであり、それらと区別することが可能である。後述する単位のリットルは、日本国内において印刷書体でも筆記体で「 ℓ 」の書体を使う例がある[注釈 1][注釈 2]。ただし、これは e の筆記体と似ており、縦の長短でしか区別ができない。縦長が「L」の筆記体であり、縦短が「E」の筆記体である。フラクトゥールでは となる。

呼称

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音素

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この文字が表す音素は、[l](歯茎側音)ないしその類似音である。

  • イタリア語 "gli", スペイン語 "ll", ポルトガル語 "lh" は、硬口蓋側音を表す。
    • スペイン語では方言により、さまざまに変化している。"y" と同じ音を表すことも多い。
  • フランス語"-ill-"は、"ville", "mille", "tranquille" とその派生語を除き[ʝ] - [j]を表す。
  • 音節末では英語やポルトガル語では、dark Lと呼ばれる音(ウに近い音)に変化する。
  • 朝鮮語のローマ字表記では終声のに使用され、初声の場合 (r) とは区別される。

日本語はローマ字では使わないが、語頭と「」の後のら行がこの音に近い。

L の意味

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学術関連

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交通・通信関連

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スポーツ・ゲーム関連

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その他

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符号位置

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大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
L U+004C 1-3-44 &#x4C;
&#76;
l U+006C 1-3-76 &#x6C;
&#108;
U+FF2C 1-3-44 &#xFF2C;
&#65324;
U+FF4C 1-3-76 &#xFF4C;
&#65356;
全角
U+24C1 &#x24C1;
&#9409;
U+24DB 1-12-37 &#x24DB;
&#9435;
丸囲み
🄛 U+1F11B &#x1F11B;
&#127259;
U+24A7 &#x24A7;
&#9383;
括弧付き
𝐋 U+1D40B &#x1D40B;
&#119819;
𝐥 U+1D425 &#x1D425;
&#119845;
太字
U+2112 &#x2112;
&#8466;
U+2113 &#x2113;
&#8467;
筆記体
𝕃 U+1D543 &#x1D543;
&#120131;
𝕝 U+1D55D &#x1D55D;
&#120157;
黒板太字

他の表現法

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注釈·出典

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注釈

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  1. ^ 中学理科教科書ではリットルの記号として「 ℓ 」を使わないという記載がある(「新版理科の世界1年」大日本図書、2020年2月5日発行<276ページ>)
  2. ^ 国税庁は、酒類の内容量の表示について「ℓ」、「mℓ」の表示を許容している(リットル#酒類の表示)。

出典

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  1. ^ 計量単位規則 別表第2(第2条関係) 体積・リットルの欄、「l又はL」となっている。
  2. ^ 【アップデート情報】パッケージ・ドライバー関連 12月19日窓の杜、2014年12月19日 12:15。

関連項目

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