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{{Portal|文学}}
{{Portal 文学}}
『'''ドン松五郎の生活'''』(ドンまつごろうのせいかつ)は、[[井上ひさし]]の小説新潮社刊
『'''ドン松五郎の生活'''』(ドンまつごろうのせいかつ)は、[[井上ひさし]]の[[小説]]。単行本は[[新潮社]]から行された


1983年にフジテレビ系で単発特番としてアニメ化、1986年に実写映画化された。
[[1983年]]は本作を原作とする単発[[テレビアニメ]]が[[フジネットワーク|フジテレビ系列局]]放送され[[1986年]]実写[[映画]]化された。[[2017年]]現在、いずれもDVD化は未定である

== 書籍 ==
*1975年、新潮社 - 上下巻で刊行
*1978年、新潮社(新潮文庫) - ISBN 978-4-10-116804-3
*2002年、新潮社(新潮オンデマンドブックス) - ISBN 978-4-10-865207-1<ref>[https://www.shinchosha.co.jp/book/865207/ 井上ひさし 『ドン松五郎の生活』]、新潮社 - 2023年6月3日閲覧。</ref>
*2013年、新潮社(電子書籍)<ref>[https://ebook.shinchosha.co.jp/book/E612071/ ドン松五郎の生活(新潮文庫)]、新潮社 - 2023年6月3日閲覧。</ref>


== ストーリー ==
== ストーリー ==
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犬と猫との世界とそこを巡って起きる騒動を、人間の言葉を理解できる犬・ドン松五郎を中心にして描く。ペット権をめぐって猫の一家と争う。飼い主ととともに[[ストリップ劇場]]に行きプードルのお銀と親しくなるが、お銀の飼い主のストリッパーが逮捕されてしまう。断耳断尾手術をされそうになっていたブルテリアの長太郎を助ける。二匹をかくまってる先の家のドラ息子がお銀と長太郎をさらって売り飛ばしてしまう。二匹の行方を探し出すためにドン松五郎は人間と会話できる犬として、テレビ出演を果たした。
人間の言葉を喋る犬、ドン松五郎を中心にして、犬と猫との世界と、そこをめぐって起きる騒動を描く。


ドン松五郎のモデルは、原作者・井上ひさしが飼っていた雄の柴犬「鈍兵衛」である<ref>井上ひさし『巷談辞典』[[河出書房新社]]([[河出文庫]])、2013年、281頁。ISBN 978-4-309-41201-6。</ref>。
==アニメ「吾輩は犬である ドン松五郎の生活」==

1983年2月9日に[[東映アニメーション|東映動画]]が制作しフジテレビ系列の『[[日生ファミリースペシャル]]』で放送。監督は[[矢吹公郎]]、脚本は[[大原清秀]]、キャラクターデザインは漫画家の[[はるき悦巳]]。なおはるきは、1年前の[[1982年]][[2月19日]]に同枠で放送された『[[吾輩は猫である]]』に次いで、2回目のキャラデザインを担当した。
== テレビアニメ ==
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| タイトル = 吾輩は犬である ドン松五郎の生活
| 原作 = [[井上ひさし]]
| 総監督 =
| 監督 = [[矢吹公郎]]
| シリーズディレクター =
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| 脚本 = [[大原清秀]]
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| ウィキプロジェクト = [[プロジェクト:アニメ|アニメ]]
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[[1983年]][[2月9日]]にフジテレビ系列『[[日生ファミリースペシャル]]』で『'''吾輩は犬である ドン松五郎の生活'''』と題して放送。[[フジテレビジョン|フジテレビ]]と[[東映動画]]の共同製作。放送時間は[[水曜日|水曜]] 19:30 - 20:54 ([[日本標準時]])。

監督は[[矢吹公郎]]で、原作の[[井上ひさし]]と縁がある<ref>ふたりはアニメ映画『[[アンデルセン物語]]』や『[[長靴猫シリーズ#『長靴をはいた猫』(第1作)|長靴をはいた猫]]』で関わった。井上は両作とも脚本([[山元護久]]との共作)と主題歌・挿入歌の歌詞を担当。</ref>。脚本は[[大原清秀]]。キャラクターデザインは漫画家の[[はるき悦巳]]。松五郎役の声優には[[山田康雄]]を起用した<ref>一部のパンフレットでは松五郎役は堺正章と記載されていたが、健康上の理由で降板している。出典:1983年2月9日付中国新聞8面に掲載の日本生命広告</ref>。なお、はるきは1年前の1982年2月19日に同枠で放送された『[[吾輩は猫である]]』でもキャラクターデザインを担当している。


=== キャスト(アニメ版) ===
=== キャスト(アニメ版) ===
*ドン松五郎 - [[山田康雄]]
* ドン松五郎 - [[山田康雄]]
*お銀 - [[白石冬美]]
* お銀 - [[白石冬美]]
*和子 - [[小山茉美]]
* 和子 - [[小山茉美]]
*松沢 - [[永井一郎]]
* 松沢 - [[永井一郎]]
*キング - [[雨森雅司]]
* キング - [[雨森雅司]]
*ゴン - [[大竹宏]]
* ゴン - [[大竹宏]]
*クロ - [[古川登志夫]]
* クロ - [[古川登志夫]]
*長太郎 - [[貴家堂子]]
* 長太郎 - [[貴家堂子]]
*刑事A - [[岸野一彦]]
* 刑事A - [[岸野一彦]]
*刑事B - [[塩沢兼人]]
* 刑事B - [[塩沢兼人]]
*塩原 - [[田の中勇]]
* 塩原 - [[田の中勇]]
*雄介 - [[森功至]]
* 雄介 - [[森功至]]
*洋子 - [[恵比寿まさ子]]
* 洋子 - [[恵比寿まさ子]]
*ペット店店主 - [[矢田耕司]]
* ペット店店主 - [[矢田耕司]]
*山田 - [[寺田誠]]
* 山田 - [[寺田誠]]
*ゆき - [[坪井章子]]
* ゆき - [[坪井章子]]

=== スタッフ(アニメ版) ===
* 原作 - 井上ひさし
* 脚本 - 大原清秀
* 監督 - 矢吹公郎
* 作画監督 - [[阿部隆]]
* キャラクターデザイン - はるき悦巳
* 音楽 - [[玉木宏樹]]
* 制作 - フジテレビ、東映動画


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| 放送局 = [[フジネットワーク|フジテレビ系列]]
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| 番組名 = 吾輩は犬である ドン松五郎の生活<br />(1983年2月9日)
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== 映画 ==
== 映画 ==
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| 作品名 = ドン松五郎の生活
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=== 概要 ===
[[1986年]][[3月21日]]に[[東宝東和]]制作で公開された。脚本・監督は『海に降る雪』の[[中田新一]]、撮影は『ひとひらの雪』の[[川上皓市]]と小林達比古がそれぞれ担当した。[[西村知美]]のデビュー作品である。


=== キャスト(映画版) ===
=== キャスト(映画版) ===
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* 岡崎 満男 - [[ハナ肇]]
* 岡崎 満男 - [[ハナ肇]]
* ドン松五郎の声 - [[イルカ (歌手)|イルカ]]
* ドン松五郎の声 - [[イルカ (歌手)|イルカ]]
* [[山本昌平]]、[[二階堂千寿]]、[[新山真弓]]、[[福岡翼]]、[[神田隆 (俳優)|神田隆]]、[[鈴木瑞穂]]、[[鈴木正幸]]、[[金子研三]]、[[長江英和]]、[[高橋利道]]、[[アゴ勇]]、[[掛田誠]]、[[大林丈史]]、[[水木薫]]、[[志賀圭二郎]]、[[千葉裕子]]、[[江藤漢]]、[[渡辺寛二]] ほか


=== スタッフ ===
=== スタッフ(映画版) ===
* 監督:[[中田新一]]
* 監督・脚本:[[中田新一]]
* 脚本:中田新一
* 原作:[[井上ひさし]]
* 原作:[[井上ひさし]]
* 企画:[[青島幸男]]、青野暉
* 企画:[[青島幸男]]、[[青野暉]]
* 製作:石川洋
* 製作[[二谷英明]]、石川洋
* プロデューサー:八木欣也
* 撮影:[[川上皓市]]、小林達比古
* 撮影:[[川上皓市]]、小林達比古
* 美術:松井敏行
* 美術:松井敏行
70行目: 146行目:
* 照明:磯崎英範
* 照明:磯崎英範
* 編集:[[川島章正]]
* 編集:[[川島章正]]
* 助監督:森清和夫、天間敏広
* 助監督:森清和夫
* スチール:野上哲夫
* スチール:野上哲夫
* アニマルトレーナー:宮忠臣
* アニマルトレーナー:宮忠臣
* 犬担当助監督:天間敏広
* 音響効果:小島良雄
* ダイアローグコーチ:[[和田周]]
* 現像:[[東京現像所]]
* スタジオ:[[にっかつ撮影所]]
* プロデューサー:篠島継男


=== 主題歌 ===
=== 主題歌 ===
*『[[夢色のメッセージ]]』
*『[[夢色のメッセージ]]』
** 作詞:[[来生えつこ]] / 作曲:/ [[来生たかお]] / 編曲:[[萩田光雄]] / 歌:[[西村知美]]
** 作詞:[[来生えつこ]] / 作曲:/ [[来生たかお]] / 編曲:[[萩田光雄]] / 歌:[[西村知美]]

=== 逸話 ===
*本作がヒットすると、[[東宝東和]]から続編のオファーが監督の[[中田新一]]に来た。しかし、続編の[[エグゼクティブ・プロデューサー]]・[[二谷英明]]が、犬が[[ハングライダー]]に乗ったりして大冒険をする話をしたいなどと提案した<ref name="中田" >{{Cite book | 和書 | title = 奔れ! 助監督〜奮闘昭和映画史〜 | author = [[中田新一]] | publisher = 早稲田出版 | year = 2010 | id = ISBN 978-4-89827-371-5 | pages = 202-205 }}</ref>。中田は犬を空に飛ばせたりしたら、怯えたり、苦しんだりする表情が必ず画面に映るし、『[[子猫物語]]』のチャトランのように死ぬかもしれないのでやらない方がいいと断った<ref name="中田" />。結局、続編『[[ドン松五郎の大冒険]]』は監督が交代、同作では犬を[[ハーネス]]で縛り付けハングライダーで飛ばしている<ref name="中田" /><ref>[http://poppoyokohama.blog79.fc2.com/blog-category-3.html POPPOの撮影隊 思い出話 ドン松五郎の大冒険]</ref>。そのいきさつを聞いた当時の[[東映]]社長・[[岡田茂 (東映)|岡田茂]]が「中田になんでもいいから一本撮らせろ」と中田を東映に呼んで<ref name="中田" />『[[ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌]]』との併映作『[[BE FREE!#映画版|BE FREE!]]』を撮らせた<ref name="中田" />。岡田は「犬で大冒険なんて、やっちゃいかん」「[[二谷英明|二谷さん]]は俳優としてはAクラスだけどプロデューサーとしてはちょっとね」などと話していたという<ref name="中田" />。

== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
*[[ドン松五郎の大冒険]](映画の続編)
* [[ドン松五郎の大冒険]](映画の続編)

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2024年9月18日 (水) 01:42時点における最新版

ドン松五郎の生活』(ドンまつごろうのせいかつ)は、井上ひさし小説。単行本は新潮社から刊行された。

1983年には本作を原作とする単発テレビアニメフジテレビ系列局で放送され、1986年には実写映画化された。2017年現在、いずれもDVD化は未定である。

書籍

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ストーリー

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犬と猫との世界とそこを巡って起きる騒動を、人間の言葉を理解できる犬・ドン松五郎を中心にして描く。ペット権をめぐって猫の一家と争う。飼い主ととともにストリップ劇場に行きプードルのお銀と親しくなるが、お銀の飼い主のストリッパーが逮捕されてしまう。断耳断尾手術をされそうになっていたブルテリアの長太郎を助ける。二匹をかくまってる先の家のドラ息子がお銀と長太郎をさらって売り飛ばしてしまう。二匹の行方を探し出すためにドン松五郎は人間と会話できる犬として、テレビ出演を果たした。

ドン松五郎のモデルは、原作者・井上ひさしが飼っていた雄の柴犬「鈍兵衛」である[3]

テレビアニメ

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アニメ:吾輩は犬である ドン松五郎の生活
原作 井上ひさし
監督 矢吹公郎
脚本 大原清秀
キャラクターデザイン はるき悦巳
音楽 玉木宏樹
アニメーション制作 東映動画
製作 フジテレビ、東映動画
放送局 フジテレビ系列
放送期間 1983年2月9日 - 単発放送
話数 全1話
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

1983年2月9日にフジテレビ系列『日生ファミリースペシャル』で『吾輩は犬である ドン松五郎の生活』と題して放送。フジテレビ東映動画の共同製作。放送時間は水曜 19:30 - 20:54 (日本標準時)。

監督は矢吹公郎で、原作の井上ひさしと縁がある[4]。脚本は大原清秀。キャラクターデザインは漫画家のはるき悦巳。松五郎役の声優には山田康雄を起用した[5]。なお、はるきは1年前の1982年2月19日に同枠で放送された『吾輩は猫である』でもキャラクターデザインを担当している。

キャスト(アニメ版)

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スタッフ(アニメ版)

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  • 原作 - 井上ひさし
  • 脚本 - 大原清秀
  • 監督 - 矢吹公郎
  • 作画監督 - 阿部隆
  • キャラクターデザイン - はるき悦巳
  • 音楽 - 玉木宏樹
  • 制作 - フジテレビ、東映動画
フジテレビ系列 日生ファミリースペシャル
前番組 番組名 次番組
吾輩は犬である ドン松五郎の生活
(1983年2月9日)
ナイン
(1983年5月4日)

映画

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ドン松五郎の生活
監督 中田新一
脚本 中田新一
原作 井上ひさし
音楽 川崎真弘
朝川朋之
主題歌夢色のメッセージ西村知美
撮影 川上皓市
小林達比古
編集 川島章正
製作会社 プロジェクトエー
東和プロダクション
配給 東宝東和
公開 日本の旗 1986年3月21日
上映時間 102分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
配給収入 6.2億円[6]
次作 ドン松五郎の大冒険
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概要

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1986年3月21日東宝東和制作で公開された。脚本・監督は『海に降る雪』の中田新一、撮影は『ひとひらの雪』の川上皓市と小林達比古がそれぞれ担当した。西村知美のデビュー作品である。

キャスト(映画版)

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スタッフ(映画版)

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主題歌

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逸話

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脚注

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  1. ^ 井上ひさし 『ドン松五郎の生活』、新潮社 - 2023年6月3日閲覧。
  2. ^ ドン松五郎の生活(新潮文庫)、新潮社 - 2023年6月3日閲覧。
  3. ^ 井上ひさし『巷談辞典』河出書房新社河出文庫)、2013年、281頁。ISBN 978-4-309-41201-6
  4. ^ ふたりはアニメ映画『アンデルセン物語』や『長靴をはいた猫』で関わった。井上は両作とも脚本(山元護久との共作)と主題歌・挿入歌の歌詞を担当。
  5. ^ 一部のパンフレットでは松五郎役は堺正章と記載されていたが、健康上の理由で降板している。出典:1983年2月9日付中国新聞8面に掲載の日本生命広告
  6. ^ 「邦画フリーブッキング配収ベスト作品」『キネマ旬報1987年昭和62年)2月下旬号、キネマ旬報社、1987年、129頁。 
  7. ^ a b c d e f 中田新一『奔れ! 助監督〜奮闘昭和映画史〜』早稲田出版、2010年、202-205頁。ISBN 978-4-89827-371-5 
  8. ^ POPPOの撮影隊 思い出話 ドン松五郎の大冒険

関連項目

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