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「テキサス州会議事堂」の版間の差分

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{{Infobox nrhp | name = Texas State Capitol
[[File:Texas State Capitol building-front left front oblique view.JPG|right|thumb|300px|テキサス州会議事堂]]
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| caption = At the time of its construction, the capitol building was billed as "[[建築物の一覧 (広さ順)|The Seventh Largest Building in the World]]."
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| designated_nrhp_type=June 23, 1986<ref name="nhlsum">{{Cite web|url=http://tps.cr.nps.gov/nhl/detail.cfm?ResourceId=1016&ResourceType=Building|title=Texas State Capitol|accessdate=2009-09-05|work=National Historic Landmark summary listing|publisher=National Park Service|archiveurl=https://web.archive.org/web/20091113001847/http://tps.cr.nps.gov/nhl/detail.cfm?ResourceId=1016&ResourceType=Building|archivedate=2009-11-13|url-status=dead|url-status-date=2017-09}}</ref>
| added = June 22, 1970<ref name="nris">{{NRISref|2009a}}</ref>
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}}


'''テキサス州会議事堂'''(テキサスしゅうかいぎじどう、'''Texas State Capitol''')は、[[アメリカ合衆国]][[テキサス州]]の[[州都]][[オースティン]]に立地する同州議会の議事堂。州政府の中枢であるこの建物には、テキサス州議会の議場のほか、テキサス州知事の知事室も設置されている。テキサスのみならず数々の州庁舎の設計を手がけたことで知られる[[イライジャ・マイヤーズ]]の設計によるこの建物は[[1882年]]から[[1888年]]にかけて、土木工学技術者リンゼイ・ウォーカーの指示の下で建設された。この議事堂の庁舎は何回か改築されており、[[1955年]]の改築では[[エアコン]]が設置された。直近の改築は[[1997年]]に行われた。テキサス州会議事堂は[[ワシントンD.C.]]の[[アメリカ合衆国議会議事堂]]にこそ及ばないものの、全米50州の州会議事堂の中では最大の建物である<ref>[http://www.tspb.state.tx.us/SPB/Capitol/TexCap.htm Texas Capitol]. State Preservation Board, Caretakers of the Texas Capitol.</ref>。
'''テキサス州会議事堂'''(テキサスしゅうかいぎじどう、'''Texas State Capitol''')は、[[アメリカ合衆国]][[テキサス州]]の[[州都]][[オースティン (テキサス州)|オースティン]]に立地する同州議会の議事堂。州政府の中枢であるこの建物には、テキサス州議会の議場のほか、テキサス州知事の知事室も設置されている。テキサスのみならず数々の州庁舎の設計を手がけたことで知られる[[イライジャ・マイヤーズ]]の設計によるこの建物は[[1882年]]から[[1888年]]にかけて、土木工学技術者リンゼイ・ウォーカーの指示の下で建設された。この議事堂の庁舎は何回か改築されており、[[1955年]]の改築では[[エアコン]]が設置された。直近の改築は[[1997年]]に行われた。テキサス州会議事堂は[[ワシントンD.C.]]の[[アメリカ合衆国議会議事堂]]にこそ及ばないものの、全米50州の州会議事堂の中では最大の建物である<ref>[http://www.tspb.state.tx.us/SPB/Capitol/TexCap.htm Texas Capitol] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20131018211218/http://www.tspb.state.tx.us/spb/capitol/texcap.htm |date=2013年10月18日 }}. State Preservation Board, Caretakers of the Texas Capitol.</ref>。


[[1970年]]には、議事堂は[[アメリカ合衆国国家歴史登録財|国家歴史登録財]]に登録された。また[[1986年]]には、議事堂は[[アメリカ合衆国国定歴史建造物|国定歴史建造物]]に指定された。[[アメリカ建築協会]]が[[2007年]]に行った、アメリカ合衆国内の建築物に関する人気投票のトップ150では、テキサス州会議事堂は第92位にランクされた。
この[[ネオ・ルネサンス建築|ネオ・ルネサンス調]]の庁舎の建設費用は、[[1876年]]2月15日に採択された、テキサス州の憲法で公用地の売却を許可されたことによって調達できるようになった。調達にあたっては、テキサス州北西部の土地3,000,000[[エーカー]](約12,000km²)が売却された。このときに売却された土地はのちにXIT牧場となった。この土地の売却益と現金とをあわせて、370万[[アメリカ合衆国ドル|ドル]](当時)が建設費用に充てられた。庁舎の実働建設作業員は、主に移民労働者や有罪判決を受けた受刑者であった。作業員の数は最も多いときで1,000人を数えた。議事堂の[[礎石]]は[[1885年]]3月2日に置かれた。1888年に議事堂は完成し、4月21日の[[サンジャシントの戦い|サンジャシント記念日]]に供用が開始された。


== 歴史 ==
もともとの建設計画では、この議事堂は州内で採れる[[石灰岩]]を使用して建設する予定になっていた。しかし、石灰石の品質が一定でないことが懸念された。この懸念を聞きつけたマーブルフォールズ近くに連なるグラニート・マウンテンの所有者たちは、議事堂建設に必要となる量の[[花崗岩]]を無料で提供した。やがてこのピンク色をした花崗岩はオースティンのダウンタウンに建つ多くの州政府の建物に使用され、''Texas Pink Granite''(テキサスのピンク花崗岩)と呼ばれた。近年になって、この石材は''Sunset Red''という名前で[[マーケティング]]が行われるようになった。
{{multiple image|align=left|direction=vertical|width=200|footer=上部は初代、下部は2代目州会議事堂|image1=FirstTexasStateCapitol.png|image2=SecondTexasStateCapitol.jpg}}
現在の州会議事堂は3代目の建物である。[[テキサス共和国]]の国会議事堂として機能していた初代の木造建築は合衆国に加盟する[[テキサス併合]]まで政府施設として機能していた。1853年、現州議会議事堂と同じ場所に2代目の州議事堂が建てられたが、1881年に火災により倒壊した。ただしこの時にはさらに大きく新たな建物に立て直す計画があった<ref>{{cite journal |title=The Evolution of a Great State's Capitol |journal=The Illustrated American |volume=21 |number=362 |pages=108–9 |location=[[New York City]] |date=January 16, 1897 |url=https://books.google.com/books?id=e2tNAAAAYAAJ |access-date=March 6, 2015}}</ref>。


=== 建築 ===
[[1970年]]には、議事堂は[[アメリカ合衆国国家歴史登録財|国家歴史登録財]]に登録された。また[[1986年]]には、議事堂は[[アメリカ合衆国国定歴史建造物|国定歴史建造物]]に指定された。[[アメリカ建築協会]]が[[2007年]]に行った、アメリカ合衆国内の建築物に関する人気投票のトップ150では、テキサス州会議事堂は第92位にランクされた。
この[[ネオ・ルネサンス建築|ネオ・ルネサンス調]]の庁舎の建設費用は、[[1876年]]2月15日に採択された、テキサス州の憲法で公用地の売却を許可されたことによって調達できるようになった。調達にあたっては史上最大の[[物々交換]]の1つとして、建築者であるキャピトル・シンジケートとして知られる{{仮リンク|ジョン・V・ファウェル|en|John V. Farwell}}および{{仮リンク|チャールズ・B・ファウェル|en|Charles B. Farwell}}がテキサス州北西部の[[テキサス州の回廊地帯|回廊地帯]]の公有地3,000,000[[エーカー]](約12,000km²)が売却された費用で雇われた。このときに売却された土地はのちに世界最大の牛牧場である{{仮リンク|XIT牧場|en|XIT Ranch}}となった。この土地の売却益と現金とをあわせて、370万[[アメリカ合衆国ドル|ドル]](当時)が建設費用に充てられた。庁舎の実働建設作業員は、主に移民労働者や有罪判決を受けた受刑者であった。作業員の数は最も多いときで1,000人を数えた<ref>{{cite book |title=The Texas State Capitol |last=Cotner |first= Robert C. |year= 1968 |publisher= Pemberton Press |location=Austin |isbn=0-292-73703-3 |pages=15–17}}</ref>。この議事堂の庁舎は何回か改築されており、[[1955年]]の改築では[[セントラルヒーティング|セントラル]][[エアコン]]が設置された。直近の改築は[[1997年]]に行われた。


もともとの建設計画では、この議事堂は南東約{{convert|10|mi|km}}のオートマンヴィル(現オークヒル)にある[[テキサス・ヒル・カントリー]]で採れる[[石灰岩]]を使用して建設する予定になっていた。しかし、石灰岩の鉄分量が多く風雨にさらされ錆ですぐに変色するなど、石灰石の品質が一定でないことが懸念された。この懸念を聞きつけたジョージ・W・レイシー、ニムロッド・L・ノートン、ウィリアム・H・ウェストフォールなど{{仮リンク|マーブルフォールズ (テキサス州)|en|Marble Falls, Texas|label=マーブルフォールズ}}近くに連なる{{仮リンク|グラニート・マウンテン (テキサス州)|en|Granite Mountain (Texas)|label=グラニート・マウンテン採石場}}の所有者たちは、議事堂建設に必要となる量の[[花崗岩]]を無料で提供した。やがてこのピンク色をした花崗岩はオースティンのダウンタウンに建つ多くの州政府の建物の表層に使用され、''Texas Pink Granite''(テキサスのピンク花崗岩)と呼ばれた。近年になって、この石材は''Sunset Red''という名前で[[マーケティング]]が行われるようになった<ref name="tsha capitol">Texas State Historical Society, Handbook of Texas.{{cite web | title=Capitol | author=Texas State Historical Society | url=https://www.tshaonline.org/handbook/entries/capitol | access-date=February 2, 2022}}</ref><ref>{{cite web |title= N. L. Norton, W. H. Westfall, and G. W. Lacy |publisher= Waymarking.com |url= https://www.waymarking.com/waymarks/WMH52Z_N_L_Norton_W_H_Westfall_and_G_W_Lacy_Austin_TX |access-date= February 4, 2022}}</ref>。採石場からオースティン駅まで運ぶためオースティン・ノースウエスタン鉄道の2.3マイル (3.7&nbsp;km)の新たな分岐線が建設された<ref name="tsha capitol" /><ref>{{cite web |title= Austin and Northwestern Railroad |publisher= Texas State Historical Association |url= https://www.tshaonline.org/handbook/entries/austin-and-northwestern-railroad |access-date= February 4, 2022}}</ref><ref name="Clark">{{cite web|last1=Clark|first1=John|title=Waters Park, TX|url=https://tshaonline.org/handbook/online/articles/hlw10|website=Texas State Historical Association|access-date=15 June 2015}}</ref>。しかし線路のカーブがやや鋭すぎて時々脱線してピンク花崗岩を落としてしまうことがあった<ref name="Butler">{{cite web|last1=Butler|first1=Wayne|url=https://milwoodna.com/the-neighborhood/history/|title=Milwood History|website=Milwood Neighborhood Association|access-date=15 June 2015}}</ref>。この落石の多くはまだ残っており、観光名所となっている。オークヒルの石灰岩は議事堂建設に多く使用されているが、その多くが壁の後ろまたは基礎などで見えない部分に使用されている。以来、グラニート・マウンテンのピンク花崗岩はオースティン地区の多くの州政府施設で使用された<ref>{{cite encyclopedia |last= Green |first= Walter Elton |title= Capitol |encyclopedia= Handbook of Texas Online |url= https://tshaonline.org/handbook/online/articles/ccc01 |access-date=November 21, 2011}}</ref>。900人の労働者のうち86人がスコットランドから来た花崗岩加工職人であった<ref name="Escapes">{{cite web |url=http://www.texasescapes.com/AustinTexas/Texas-State-Capitol-Austin-Texas.htm |title=Texas State Capitol Building - Historical Marker Text|work=Texas Escapes |access-date=January 1, 2018}}</ref>。
円形をした大広間には歴代テキサス州知事の肖像画が飾られ、ロビーには[[エリザベート・ネイ]]の制作による[[サミュエル・ヒューストン]]および[[スティーブン・オースティン]]の彫刻が施されている。このテキサス州会議事堂は全米50州の州会議事堂の中で最大の床面積を有している。また、高さではアメリカ合衆国議会議事堂よりも5m高い。


議事堂の[[礎石]]は[[1885年]]の{{仮リンク|テキサス独立記念日|en|Texas Independence Day}}である3月2日に置かれた。1888年4月21日の[[サンジャシントの戦い|サンジャシント記念日]]に未完成のまま供用が開始された。5月18日、テキサス州上院議員{{仮リンク|テンプル・ヒューストン|en|Temple Houston}}により正式に除幕式が行なわれた<ref name="Escapes"/>。5月14日から19日の1週間に亘り祝典が開催され、軍の[[マーチングバンド|マーチング]]ドリル、[[投げ縄]]、野球試合、ドイツコーラス、花火などが行なわれ2万人が訪れた。来場者は花崗岩の欠片、作曲家でピアニストのレオノラ・ライヴス・ディアスの「"State Capitol Grand Waltz"」のレコードなど記念品を買うことができた<ref>{{cite web |url=http://www.mystatesman.com/entertainment/state-capitol-dedication-the-party-lifetime/k5Joz4j791glQ9OGdBXoWJ/ |title=State Capitol dedication the party of a lifetime |work=Austin American-Statesman |author=Barnes, Michael |date=May 4, 2013 |access-date=January 1, 2018}}</ref>。
==註==

=== 景観 ===
{{Main|en:Texas Capitol View Corridors}}
[[File:Texas capitol goddess 1888.jpg|thumb|right|1888年、[[ドーム]]に設置する前に地面に置かれた[[自由の女神像 (テキサス州会議事堂)|自由の女神像]]]]
1931年、オースティン市は州会議事堂を視覚的に目立たせるために新たな建物の高さを最高{{Convert|200|ft|m}}に制限する条例を制定した。1960年代まで、[[テキサス大学オースティン校]]本校舎のみが制限より高かったが、1962年に開発者は州会議事堂に隣接した新たな{{Convert|261|ft|m|adj=on}}の住居用[[高層建築物]]となるウエストゲート・タワーの建設を発表した。プライス・ダニエル州知事はこれに反対を表明し、ヒューストンの州下院議員のヘンリー・グロヴァーは土地を接収する法案を提出したが2票差で否決された。最終的に1966年にウエストゲート・タワーが完成したが、建設が進み高くなるごとに議事堂の景観をめぐり論争となっていった<ref name="westgate">{{Cite web|title=Zoning Change Review Sheet|website=City of Austin|url=http://www.austintexas.gov/edims/document.cfm?id=176342|access-date=October 31, 2017}}</ref>。

その後も{{Convert|307|ft|m|adj=on}}のドビー・センター(1968年設計)を始めとして、ダウンタウンに多数の銀行タワーができ、{{Convert|395|ft|m|adj=on}}のワン・アメリカン・センター(1982年)が最高となった<ref name="westgate"/>。1983年初頭、ウエストゲート・タワーやこれらの建築物に着想を得て、州上院議員のロイド・ドジェットや州下院議員のジェラルド・ヒルはオースティン周辺の州会議事堂の景観を遮断する建築を許可しないように"[[:en:Texas Capitol View Corridors|Capitol View Corridors]]"の法案を提出した<ref name="PA">{{Cite web|title=Background on the Capitol View Corridors Issue|website=Preservation Austin|url=https://www.preservationaustin.org/uploads/CVC_Background.pdf|access-date=November 8, 2017}}</ref>。1983年5月3日、この法案が署名され<ref>{{Cite web|title=SB 176, 68th Regular Session|website=Legislative Reference Library|url=http://www.lrl.state.tx.us/legis/billsearch/BillDetails.cfm?legSession=68-0&billTypeDetail=SB&billnumberDetail=176|access-date=November 14, 2017}}</ref>、州により保護された30の景観コリドーを交差する建築は禁止するものとなった<ref>{{Cite web|title=Government Code Chapter 3151. Preservation of View of State Capitol|website=Texas Constitution and Statutes|url=http://www.statutes.legis.state.tx.us/Docs/GV/htm/GV.3151.htm|access-date=November 14, 2017}}</ref>。市も同様の規則を採用し、コリドーの多くが州からも市からも守られることとなった<ref>{{Cite web|title=APPENDIX A. - BOUNDARIES OF THE CAPITOL VIEW CORRIDORS.|website=Municode Library|url=https://library.municode.com/TX/Austin/codes/code_of_ordinances?nodeId=TIT25LADE_CH25-2ZO_APXABOCAVICO|access-date=November 14, 2017}}</ref>。

=== 増築および修復 ===
[[File:Texas state capitol extension aerial.jpg|thumb|[[ロタンダ]]と天窓を特徴とする州会議事堂全景の航空写真]]
1983年2月6日、当時副知事であったウィリアム・P・ホビー・ジュニアのアパートメントから火が上がった。ホビー家の来客が亡くなり、消防署員4人と警察官1人が負傷した。州会議事堂は公文書が山積みになっており、火は激しくなり、その骨組みは崩壊寸前の危険な状態となった。これにより東の[[ウィング (建築)|ウィング]]が甚大な被害を受け、鉄柱や梁が剥き出しとなり大きな損害を受けて骨組みの多くが損なわれた。

火災ののち、州は機械および構造システムを当時の現代的水準に更新する大規模な再建を行なうこととした。1985年11月、ドームの頭頂部にあった初代[[自由の女神像 (テキサス州会議事堂)|自由の女神像]]がヘリコプターで撤去された。1986年6月、初代の亜鉛像から型を取り、テキサス[[州兵]]では約{{Convert|3000|lb|kg|adj=on}}の像を持ち上げる力がなかったため、ミシシッピ州兵によりアルミ鋳造の新たな像がドーム頭頂部に設置された<ref>{{Cite news |last=Applebome |first=Peter |last2=Times |first2=Special To the New York |date=1986-06-13 |title=FOR TEXANS, A RELUCTANT MISS LIBERTY |language=en-US |work=The New York Times |url=https://www.nytimes.com/1986/06/13/us/for-texans-a-reluctant-miss-liberty.html |access-date=2022-07-05 |issn=0362-4331}}</ref>。初代像は修復され、1995年、敷地内の特設展示場に設置され、2001年に{{仮リンク|バロック・テキサス州立歴史博物館|en|Bullock Texas State History Museum}}に移設された<ref>{{cite web |url=https://tshaonline.org/handbook/online/articles/ccc01 |title=Handbook of Texas |author=Green, William Elton |date=June 12, 2010 |access-date=January 1, 2018}}</ref>。

1988年から1990年、敷地内の[[:en:General Land Office Building (Austin, Texas)|General Land Office Building]]が改修および更新され、州会議事堂ビジターセンターがこの中に移転し、州会議事堂内にスペースができた。1903年から1920年、{{仮リンク|テキサス連合国博物館|en|Texas Confederate Museum}}が1階に位置していたが、公有地管理局に移転した。

手狭となり、新たなウィングを増築が検討された。北側に増築するのが合理的とされたが、[[ファサード]]および重要な公共スペースが損なわれるとして、北側の地下に増築されることとなった。

1993年、7,500万ドルをかけて北側地下4階の増築が完成し、稼働面積が倍になり機能面も大幅に向上した。増築部分を含めると{{convert|667000|sqft|m2}}となり、床面積が約2倍となるが、大きな天窓が窓プランターを設置しているように見せかけ、4階建てで吹き抜けのロタンダを除くと地上部で大規模建築であることを示すものはあまりない<ref>{{Cite web|url=https://tspb.texas.gov/prop/tc/tc-history/restoration/index.html|title=SPB - Capitol Restoration and Expansion|website=tspb.texas.gov|access-date=2019-12-16}}</ref>。1995年、屋内外の大規模な修復が約9,800万ドルをかけて完成した。1997年、800万ドルをかけ、建物周囲を公園のようにする修復が行なわれた。

2016年、大規模な修復計画が開始した<ref name="tfc.texas.gov">[https://www.tfc.texas.gov/divisions/commissionadmin/tools/2016.03.23_TexasCapitolComplexMasterPlan_ADOPTED.pdf 2016 Texas Capitol Complex Master Plan]</ref>。[[:en:Texas Facilities Commission|Texas Facilities Commission]]、パートナーシップ諮問委員会、[[:en:General Land Office Building (Austin, Texas)|General Land Office Building]]、[[:en:Texas State Preservation Board|Texas State Preservation Board]]、[[:en:Texas Historical Commission|Texas Historical Commission]]の参加および協力を得て、広場の「キャピトル・エクステンション」の拡大となる「テキサス・モール」を造成する計画を立てた。また当時周辺に点在していた州当局の事務所の賃貸費用の上昇を州所有施設に集約させることにより対処することも目的の1つであった。計画完了後、コングレス・アベニューは[[並木道]]の[[歩行者天国]]の[[歩行者空間|モール]]として、北の15番通りから18番通りまで芝生が敷かれた。車両は緊急および福祉のものに限られる。18番通りからマーティン・ルサー・キング・ジュニア・ブールヴァ―ドまで降車レーンと共に芝生が続く<ref name="tfc.texas.gov"/>。

== 設計および特徴 ==
[[File:CongressAveJul2010.JPG|thumb|right|コングレス・アベニューからのオースティンのダウンタウンおよび州会議事堂]]
オースティンのダウンタウンを見下ろす丘の上に建てられ、メインの出入口は南のコングレス・アベニュー歴史地区に面し、[[終端眺望]]を形成する。北端は[[テキサス大学オースティン校]]の南4ブロックに位置する。

=== 建物 ===
中央部は4階建ての直方体に近い形で中央部にドームがあり、3階建ての[[ウィング (建築)|ウィング]]が東西に伸びる。[[ゴシック・リヴァイヴァル建築]]様式で建てられ、[[アメリカ合衆国議会議事堂]]の設計をモデルにしているが、その外装は地産の赤い[[花崗岩]]で’覆われている<ref name="nrhpinv2">{{cite journal |title=National Register of Historic Places Inventory-Nomination: Texas State Capitol |url={{NHLS url|id=70000770}} |format=pdf |date=December 1985 |author=John C. Ferguson |publisher=National Park Service}} and {{NHLS url|id=70000770|title=''Accompanying 11 photos, exterior and interior, from 1980 and 1985''|photos=y}}&nbsp;{{small|(32&nbsp;KB)}}</ref>。拡張部を除き、床面積{{convert|360000|sqft|m2}}、土地専有面積{{convert|2.25|acre|ha|adj=on}}となり、全米50州の州会議事堂の中で最大の床面積を有している。高さではアメリカ合衆国議会議事堂よりも5m高い。400室近く、窓数900以上を有している。

中央部の内側には[[ドーム]]の下にオープンな[[ロタンダ]]が広がる。重厚な[[鋳鉄]]の階段がロタンダの側面に設置され他の階と繋ぐ。テキサス州議会の上下院2つの議場が2つの[[ウィング (建築)|ウィング]]の2階中央部の2倍の高さの部分に位置し、3階の傍聴席から見下ろすことができる。他の部分には事務所、裁判所、公文書庫などの他、地下の拡張部にも事務所がある<ref name="nrhpinv2"/>。

==== パブリックアートおよび博物館 ====
中央の円形をした大広間のロタンダには[[テキサス共和国]]の過去の歴代大統領および歴代[[テキサス州知事の一覧|州知事]]の肖像画が飾られている他、[[ささやきの回廊]]ともなっている。南のロビーには[[デイヴィッド・クロケット]]の肖像画、[[サンジャシントの戦い]]の[[アントニオ・ロペス・デ・サンタ・アナ|サンタ・アナ]]将軍降伏画、[[エリザベート・ネイ]]の制作による[[サミュエル・ヒューストン]]および[[スティーブン・オースティン]]の彫刻が展示されている。1903年から1920年、{{仮リンク|テキサス連合国博物館|en|Texas Confederate Museum}}が1階に位置していたが、[[:en:General Land Office Building (Austin, Texas)|General Land Office Building]](現、議事堂ビジターセンター)に移転した。

=== 屋外 ===
周囲{{convert|22|acre|ha}}の土地には彫像やモニュメントが建てられている。1888年、土木技師のウィリアム・マンロー・ジョンソンが屋外部分の改修のために雇われた。1891年に最初の像となる[[アラモの戦い]]の英雄たちを追悼するモニュメントが設置された頃には、ジョンソンの計画の主要部分が整っていた。白黒の菱形で舗装された「グレート・ウォーク」は木々で縁どられている。初期のモニュメントでは{{仮リンク|アラモの英雄モニュメント|en|Heroes of the Alamo Monument}}(1891年)、{{仮リンク|ボランティア消防士像|en|Volunteer Firemen Monument}}(1896年)、{{仮リンク|連合国の兵士像 (オースティン)|en|Confederate Soldiers Monument (Austin, Texas)|label=連合国の兵士像}}(1903年)、{{仮リンク|テリーズ・テキサス・レンジャーズ・モニュメント|en|Terry's Texas Rangers Monument}}(1907年)の4つの像が最も古く、「グレート・ウォーク」の並木道に沿って設置されている<ref>{{cite web |title= Grounds and Monuments |publisher= Texas State Preservation Board |url= https://www.tspb.state.tx.us/SPB/capitol/grounds/grndmon.htm |access-date= November 21, 2011}}</ref>。2013年春、{{仮リンク|テキサス州会議事堂ベトナム退役軍人モニュメント|en|exas Capitol Vietnam Veterans Monument|label=ベトナム退役軍人モニュメント}}が着工し、2014年3月29日、落成式が行なわれた。

2005年、州会議事堂敷地内の[[モーセの十戒]]の花崗岩像が合憲であるかを問う{{仮リンク|ヴァン・オーデン対ペリー|en|Van Orden v. Perry}}が[[合衆国最高裁判所]]で争われた<ref>{{cite news |last= Broadway |first= Bill |title= A New Judgment Day For Decalogue Displays |newspaper= [[Washington Post]] |date= October 23, 2004 |url=https://www.washingtonpost.com/archive/local/2004/10/23/a-new-judgment-day-for-decalogue-displays/3b3b3afb-bbef-4b92-bf45-aa7232a6674f/ |access-date= November 21, 2011}}</ref>。2005年6月下旬、5対4で合憲とされた 。

== ギャラリー ==
=== 外装 ===
<gallery class="center">
File:Texas State Capitol building-front left front oblique view.JPG|南側から
File:Texas State Capitol August 2019 11.jpg|北側から
File:TexasCapitol-Lady.jpg|上部にある[[自由の女神像 (テキサス州会議事堂)|自由の女神像]]
File:Cornerstone of Texas State Capitol building.JPG|建物の隅石
</gallery>

=== 内装 ===
<gallery class="center">
File:Texas Capitol Rotunda Dome Interior.jpg|[[ドーム]]内部
File:Texcapmosaicrotunda.jpg|[[人造大理石]]の[[モザイク]]による歴史的にテキサスを統治してきた[[シックス・フラッグス・オーバー・テキサス|6箇国]]の紋章
File:Texas capitol rotunda portraits.jpg|[[ロタンダ]]沿いの肖像画
File:TexasSenateChamberAustinTX.JPG|テキサス上院会議場
File:Texas House Chamber.jpg|テキサス衆議院会議場
File:FloortilesinTXCapitolAnnex.JPG|[[シックス・フラッグス・オーバー・テキサス|シックス・フラッグス]]が描かれた人造大理石のモザイクによるテキサス州章
File:Voting button panel in the Texas House of Representatives.jpg|下院の投票ボタン
</gallery>

=== 屋外 ===
<gallery class="center">
File:Texas Ranger monument in front of Texas State Capitol.JPG|{{仮リンク|ベンジャミン・フランクリン・テリー|en|Benjamin Franklin Terry}}の[[テキサス・レンジャー]]であるテキサス第8騎兵隊の像
File:Alamo memorial capitol.jpg|[[アラモの戦い]]の英雄像
File:Confederate Dead monument in front of Texas State Capitol-front view.JPG|[[アメリカ連合国]]の兵士の像
File:Hood's Texas Brigade monument - Austin, Texas - DSC07598.jpg|[[ジョン・ベル・フッド]]のテキサス旅団像
File:Volunteer Firemen monument in front of Texas State Capitol-front view.JPG|ボランティア消防士像
</gallery>

==脚注==
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==外部リンク==
== 関連項目 ==
* [[アメリカ合衆国の州会議事堂の一覧]]

== 外部リンク ==
{{commons|Texas State Capitol}}
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*[http://www.tspb.state.tx.us/tspb.htm Texas State Preservation Board - Maintainers of the Capitol]
*[http://hdl.loc.gov/loc.pnp/hhh.tx0398 Library of Congress: architectural drawings and photographs of the Texas State capitol]
*[https://web.archive.org/web/20120204053635/http://www.texasbob.com/texdoc13.html Capitol Dedication Ceremony - Excerpts from Senator Temple Houston’s acceptance (of the capitol building) speech May 16, 1888]''TexasBob.com''
*[http://www.favoritearchitecture.org/ Americas's Favorite Architecture]
*{{Handbookoftexas|id=ccc01|name=Capitol}}
*[http://www.TexasCapitolVisitorsCenter.com www.TexasCapitolVisitorsCenter.com]
*[http://davidcolemanphoto.photoshelter.com/gallery/Texas-State-Capitol-Building-Austin-Texas/G0000vh7aedhH.18/ Photos of the Texas State Capitol]
*[http://www.texasarchive.org/library/index.php?title=Progress_Report_Austin_-_Legends_of_Austin_2&gsearch=progress%20report%20austin Film footage about the building's Goddess of Liberty] From local Austin TV program "Progress Report Austin," 1962, Texas Archive of the Moving Image
*[http://www.arti-fact.com/architect/state-capitol/2498 Texas State Capitol satellite view]


{{テキサス州}}
*[http://www.tspb.state.tx.us/tspb.htm Texas State Preservation Board - Maintainers of the Capitol(英語版)]
**[http://www.tspb.state.tx.us/cvc/plan/images/Japanese_self_guided.pdf テキサス州議会議事堂敷地 セルフガイドツアー] ([http://www.tspb.state.tx.us/spb/plan/Language_tours/Japanese%20self%20guided%20Capitol%20Grounds%20exterior%20walking%20tour.doc .DOC])
**[http://www.tspb.state.tx.us/CVC/plan/images/Japanese_CVC.pdf 議事堂観光案内センター テキサス州議会議事堂保存局分課]
*[http://hdl.loc.gov/loc.pnp/hhh.tx0398 Library of Congress: architectural drawings and photographs of the Texas State capitol(英語版)]
*[http://www.texasbob.com/texdoc13.html Capitol Dedication Ceremony - Excerpts from Senator Temple Houston’s acceptance (of the capitol building) speech May 16, 1888(英語版)] - TexasBob.comより
*[http://www.favoritearchitecture.org/ Americas's Favorite Architecture(英語版)]
*[http://www.tshaonline.org/handbook/online/articles/CC/ccc1.html Capitol(英語版)] - Texas Handbook Onlineの記事
*[http://www.TexasCapitolVisitorsCenter.com www.TexasCapitolVisitorsCenter.com(英語版)]
*[http://maps.yahoo.com/maps_result.php?q1=30.274598%2C+-97.740571 テキサス州会議事堂の位置(Yahoo!Map地図)]


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2024年9月27日 (金) 06:34時点における最新版

Texas State Capitol
At the time of its construction, the capitol building was billed as "The Seventh Largest Building in the World."
所在地Congress and 11th Sts
Austin, Texas, USA
座標北緯30度16分29秒 西経97度44分26秒 / 北緯30.2747度 西経97.7406度 / 30.2747; -97.7406
面積51.4エーカー (20.8 ha)
建設1885
建築家Elijah E. Myers
建築様式ネオルネッサンス建築
NRHP登録番号70000770
指定・解除日
NRHP指定日June 22, 1970[1]
NHL指定日June 23, 1986[2]

テキサス州会議事堂(テキサスしゅうかいぎじどう、Texas State Capitol)は、アメリカ合衆国テキサス州州都オースティンに立地する同州議会の議事堂。州政府の中枢であるこの建物には、テキサス州議会の議場のほか、テキサス州知事の知事室も設置されている。テキサスのみならず数々の州庁舎の設計を手がけたことで知られるイライジャ・マイヤーズの設計によるこの建物は1882年から1888年にかけて、土木工学技術者リンゼイ・ウォーカーの指示の下で建設された。この議事堂の庁舎は何回か改築されており、1955年の改築ではエアコンが設置された。直近の改築は1997年に行われた。テキサス州会議事堂はワシントンD.C.アメリカ合衆国議会議事堂にこそ及ばないものの、全米50州の州会議事堂の中では最大の建物である[3]

1970年には、議事堂は国家歴史登録財に登録された。また1986年には、議事堂は国定歴史建造物に指定された。アメリカ建築協会2007年に行った、アメリカ合衆国内の建築物に関する人気投票のトップ150では、テキサス州会議事堂は第92位にランクされた。

歴史

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上部は初代、下部は2代目州会議事堂

現在の州会議事堂は3代目の建物である。テキサス共和国の国会議事堂として機能していた初代の木造建築は合衆国に加盟するテキサス併合まで政府施設として機能していた。1853年、現州議会議事堂と同じ場所に2代目の州議事堂が建てられたが、1881年に火災により倒壊した。ただしこの時にはさらに大きく新たな建物に立て直す計画があった[4]

建築

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このネオ・ルネサンス調の庁舎の建設費用は、1876年2月15日に採択された、テキサス州の憲法で公用地の売却を許可されたことによって調達できるようになった。調達にあたっては史上最大の物々交換の1つとして、建築者であるキャピトル・シンジケートとして知られるジョン・V・ファウェル英語版およびチャールズ・B・ファウェル英語版がテキサス州北西部の回廊地帯の公有地3,000,000エーカー(約12,000km²)が売却された費用で雇われた。このときに売却された土地はのちに世界最大の牛牧場であるXIT牧場英語版となった。この土地の売却益と現金とをあわせて、370万ドル(当時)が建設費用に充てられた。庁舎の実働建設作業員は、主に移民労働者や有罪判決を受けた受刑者であった。作業員の数は最も多いときで1,000人を数えた[5]。この議事堂の庁舎は何回か改築されており、1955年の改築ではセントラルエアコンが設置された。直近の改築は1997年に行われた。

もともとの建設計画では、この議事堂は南東約10マイル (16 km)のオートマンヴィル(現オークヒル)にあるテキサス・ヒル・カントリーで採れる石灰岩を使用して建設する予定になっていた。しかし、石灰岩の鉄分量が多く風雨にさらされ錆ですぐに変色するなど、石灰石の品質が一定でないことが懸念された。この懸念を聞きつけたジョージ・W・レイシー、ニムロッド・L・ノートン、ウィリアム・H・ウェストフォールなどマーブルフォールズ英語版近くに連なるグラニート・マウンテン採石場英語版の所有者たちは、議事堂建設に必要となる量の花崗岩を無料で提供した。やがてこのピンク色をした花崗岩はオースティンのダウンタウンに建つ多くの州政府の建物の表層に使用され、Texas Pink Granite(テキサスのピンク花崗岩)と呼ばれた。近年になって、この石材はSunset Redという名前でマーケティングが行われるようになった[6][7]。採石場からオースティン駅まで運ぶためオースティン・ノースウエスタン鉄道の2.3マイル (3.7 km)の新たな分岐線が建設された[6][8][9]。しかし線路のカーブがやや鋭すぎて時々脱線してピンク花崗岩を落としてしまうことがあった[10]。この落石の多くはまだ残っており、観光名所となっている。オークヒルの石灰岩は議事堂建設に多く使用されているが、その多くが壁の後ろまたは基礎などで見えない部分に使用されている。以来、グラニート・マウンテンのピンク花崗岩はオースティン地区の多くの州政府施設で使用された[11]。900人の労働者のうち86人がスコットランドから来た花崗岩加工職人であった[12]

議事堂の礎石1885年テキサス独立記念日英語版である3月2日に置かれた。1888年4月21日のサンジャシント記念日に未完成のまま供用が開始された。5月18日、テキサス州上院議員テンプル・ヒューストン英語版により正式に除幕式が行なわれた[12]。5月14日から19日の1週間に亘り祝典が開催され、軍のマーチングドリル、投げ縄、野球試合、ドイツコーラス、花火などが行なわれ2万人が訪れた。来場者は花崗岩の欠片、作曲家でピアニストのレオノラ・ライヴス・ディアスの「"State Capitol Grand Waltz"」のレコードなど記念品を買うことができた[13]

景観

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1888年、ドームに設置する前に地面に置かれた自由の女神像

1931年、オースティン市は州会議事堂を視覚的に目立たせるために新たな建物の高さを最高200フィート (61 m)に制限する条例を制定した。1960年代まで、テキサス大学オースティン校本校舎のみが制限より高かったが、1962年に開発者は州会議事堂に隣接した新たな261-フート (80 m)の住居用高層建築物となるウエストゲート・タワーの建設を発表した。プライス・ダニエル州知事はこれに反対を表明し、ヒューストンの州下院議員のヘンリー・グロヴァーは土地を接収する法案を提出したが2票差で否決された。最終的に1966年にウエストゲート・タワーが完成したが、建設が進み高くなるごとに議事堂の景観をめぐり論争となっていった[14]

その後も307-フート (94 m)のドビー・センター(1968年設計)を始めとして、ダウンタウンに多数の銀行タワーができ、395-フート (120 m)のワン・アメリカン・センター(1982年)が最高となった[14]。1983年初頭、ウエストゲート・タワーやこれらの建築物に着想を得て、州上院議員のロイド・ドジェットや州下院議員のジェラルド・ヒルはオースティン周辺の州会議事堂の景観を遮断する建築を許可しないように"Capitol View Corridors"の法案を提出した[15]。1983年5月3日、この法案が署名され[16]、州により保護された30の景観コリドーを交差する建築は禁止するものとなった[17]。市も同様の規則を採用し、コリドーの多くが州からも市からも守られることとなった[18]

増築および修復

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ロタンダと天窓を特徴とする州会議事堂全景の航空写真

1983年2月6日、当時副知事であったウィリアム・P・ホビー・ジュニアのアパートメントから火が上がった。ホビー家の来客が亡くなり、消防署員4人と警察官1人が負傷した。州会議事堂は公文書が山積みになっており、火は激しくなり、その骨組みは崩壊寸前の危険な状態となった。これにより東のウィングが甚大な被害を受け、鉄柱や梁が剥き出しとなり大きな損害を受けて骨組みの多くが損なわれた。

火災ののち、州は機械および構造システムを当時の現代的水準に更新する大規模な再建を行なうこととした。1985年11月、ドームの頭頂部にあった初代自由の女神像がヘリコプターで撤去された。1986年6月、初代の亜鉛像から型を取り、テキサス州兵では約3,000-ポンド (1,400 kg)の像を持ち上げる力がなかったため、ミシシッピ州兵によりアルミ鋳造の新たな像がドーム頭頂部に設置された[19]。初代像は修復され、1995年、敷地内の特設展示場に設置され、2001年にバロック・テキサス州立歴史博物館英語版に移設された[20]

1988年から1990年、敷地内のGeneral Land Office Buildingが改修および更新され、州会議事堂ビジターセンターがこの中に移転し、州会議事堂内にスペースができた。1903年から1920年、テキサス連合国博物館英語版が1階に位置していたが、公有地管理局に移転した。

手狭となり、新たなウィングを増築が検討された。北側に増築するのが合理的とされたが、ファサードおよび重要な公共スペースが損なわれるとして、北側の地下に増築されることとなった。

1993年、7,500万ドルをかけて北側地下4階の増築が完成し、稼働面積が倍になり機能面も大幅に向上した。増築部分を含めると667,000平方フィート (62,000 m2)となり、床面積が約2倍となるが、大きな天窓が窓プランターを設置しているように見せかけ、4階建てで吹き抜けのロタンダを除くと地上部で大規模建築であることを示すものはあまりない[21]。1995年、屋内外の大規模な修復が約9,800万ドルをかけて完成した。1997年、800万ドルをかけ、建物周囲を公園のようにする修復が行なわれた。

2016年、大規模な修復計画が開始した[22]Texas Facilities Commission、パートナーシップ諮問委員会、General Land Office BuildingTexas State Preservation BoardTexas Historical Commissionの参加および協力を得て、広場の「キャピトル・エクステンション」の拡大となる「テキサス・モール」を造成する計画を立てた。また当時周辺に点在していた州当局の事務所の賃貸費用の上昇を州所有施設に集約させることにより対処することも目的の1つであった。計画完了後、コングレス・アベニューは並木道歩行者天国モールとして、北の15番通りから18番通りまで芝生が敷かれた。車両は緊急および福祉のものに限られる。18番通りからマーティン・ルサー・キング・ジュニア・ブールヴァ―ドまで降車レーンと共に芝生が続く[22]

設計および特徴

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コングレス・アベニューからのオースティンのダウンタウンおよび州会議事堂

オースティンのダウンタウンを見下ろす丘の上に建てられ、メインの出入口は南のコングレス・アベニュー歴史地区に面し、終端眺望を形成する。北端はテキサス大学オースティン校の南4ブロックに位置する。

建物

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中央部は4階建ての直方体に近い形で中央部にドームがあり、3階建てのウィングが東西に伸びる。ゴシック・リヴァイヴァル建築様式で建てられ、アメリカ合衆国議会議事堂の設計をモデルにしているが、その外装は地産の赤い花崗岩で’覆われている[23]。拡張部を除き、床面積360,000平方フィート (33,000 m2)、土地専有面積2.25-エーカー (0.91 ha)となり、全米50州の州会議事堂の中で最大の床面積を有している。高さではアメリカ合衆国議会議事堂よりも5m高い。400室近く、窓数900以上を有している。

中央部の内側にはドームの下にオープンなロタンダが広がる。重厚な鋳鉄の階段がロタンダの側面に設置され他の階と繋ぐ。テキサス州議会の上下院2つの議場が2つのウィングの2階中央部の2倍の高さの部分に位置し、3階の傍聴席から見下ろすことができる。他の部分には事務所、裁判所、公文書庫などの他、地下の拡張部にも事務所がある[23]

パブリックアートおよび博物館

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中央の円形をした大広間のロタンダにはテキサス共和国の過去の歴代大統領および歴代州知事の肖像画が飾られている他、ささやきの回廊ともなっている。南のロビーにはデイヴィッド・クロケットの肖像画、サンジャシントの戦いサンタ・アナ将軍降伏画、エリザベート・ネイの制作によるサミュエル・ヒューストンおよびスティーブン・オースティンの彫刻が展示されている。1903年から1920年、テキサス連合国博物館英語版が1階に位置していたが、General Land Office Building(現、議事堂ビジターセンター)に移転した。

屋外

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周囲22エーカー (8.9 ha)の土地には彫像やモニュメントが建てられている。1888年、土木技師のウィリアム・マンロー・ジョンソンが屋外部分の改修のために雇われた。1891年に最初の像となるアラモの戦いの英雄たちを追悼するモニュメントが設置された頃には、ジョンソンの計画の主要部分が整っていた。白黒の菱形で舗装された「グレート・ウォーク」は木々で縁どられている。初期のモニュメントではアラモの英雄モニュメント英語版(1891年)、ボランティア消防士像英語版(1896年)、連合国の兵士像英語版(1903年)、テリーズ・テキサス・レンジャーズ・モニュメント英語版(1907年)の4つの像が最も古く、「グレート・ウォーク」の並木道に沿って設置されている[24]。2013年春、ベトナム退役軍人モニュメント英語版が着工し、2014年3月29日、落成式が行なわれた。

2005年、州会議事堂敷地内のモーセの十戒の花崗岩像が合憲であるかを問うヴァン・オーデン対ペリー英語版合衆国最高裁判所で争われた[25]。2005年6月下旬、5対4で合憲とされた 。

ギャラリー

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外装

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内装

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屋外

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脚注

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  1. ^ National Park Service (13 March 2009). "National Register Information System". National Register of Historic Places. National Park Service. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  2. ^ Texas State Capitol”. National Historic Landmark summary listing. National Park Service. 2009年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年9月5日閲覧。
  3. ^ Texas Capitol Archived 2013年10月18日, at the Wayback Machine.. State Preservation Board, Caretakers of the Texas Capitol.
  4. ^ “The Evolution of a Great State's Capitol”. The Illustrated American (New York City) 21 (362): 108–9. (January 16, 1897). https://books.google.com/books?id=e2tNAAAAYAAJ March 6, 2015閲覧。. 
  5. ^ Cotner, Robert C. (1968). The Texas State Capitol. Austin: Pemberton Press. pp. 15–17. ISBN 0-292-73703-3 
  6. ^ a b Texas State Historical Society, Handbook of Texas.Texas State Historical Society. “Capitol”. February 2, 2022閲覧。
  7. ^ N. L. Norton, W. H. Westfall, and G. W. Lacy”. Waymarking.com. February 4, 2022閲覧。
  8. ^ Austin and Northwestern Railroad”. Texas State Historical Association. February 4, 2022閲覧。
  9. ^ Waters Park, TX”. Texas State Historical Association. 15 June 2015閲覧。
  10. ^ Milwood History”. Milwood Neighborhood Association. 15 June 2015閲覧。
  11. ^ Green, Walter Elton. "Capitol". Handbook of Texas Online. 2011年11月21日閲覧
  12. ^ a b Texas State Capitol Building - Historical Marker Text”. Texas Escapes. January 1, 2018閲覧。
  13. ^ Barnes, Michael (May 4, 2013). “State Capitol dedication the party of a lifetime”. Austin American-Statesman. January 1, 2018閲覧。
  14. ^ a b Zoning Change Review Sheet”. City of Austin. October 31, 2017閲覧。
  15. ^ Background on the Capitol View Corridors Issue”. Preservation Austin. November 8, 2017閲覧。
  16. ^ SB 176, 68th Regular Session”. Legislative Reference Library. November 14, 2017閲覧。
  17. ^ Government Code Chapter 3151. Preservation of View of State Capitol”. Texas Constitution and Statutes. November 14, 2017閲覧。
  18. ^ APPENDIX A. - BOUNDARIES OF THE CAPITOL VIEW CORRIDORS.”. Municode Library. November 14, 2017閲覧。
  19. ^ Applebome, Peter; Times, Special To the New York (1986年6月13日). “FOR TEXANS, A RELUCTANT MISS LIBERTY” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/1986/06/13/us/for-texans-a-reluctant-miss-liberty.html 2022年7月5日閲覧。 
  20. ^ Green, William Elton (June 12, 2010). “Handbook of Texas”. January 1, 2018閲覧。
  21. ^ SPB - Capitol Restoration and Expansion”. tspb.texas.gov. 2019年12月16日閲覧。
  22. ^ a b 2016 Texas Capitol Complex Master Plan
  23. ^ a b John C. Ferguson (December 1985) (pdf). National Register of Historic Places Inventory-Nomination: Texas State Capitol. National Park Service. http://focus.nps.gov/pdfhost/docs/NHLS/Text/70000770.pdf.  and Accompanying 11 photos, exterior and interior, from 1980 and 1985 (32 KB)
  24. ^ Grounds and Monuments”. Texas State Preservation Board. November 21, 2011閲覧。
  25. ^ Broadway, Bill (October 23, 2004). “A New Judgment Day For Decalogue Displays”. Washington Post. https://www.washingtonpost.com/archive/local/2004/10/23/a-new-judgment-day-for-decalogue-displays/3b3b3afb-bbef-4b92-bf45-aa7232a6674f/ November 21, 2011閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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