「超感覚的知覚」の版間の差分
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超感覚的知覚には[[テレパシー]]、[[予知]]、[[透視 (超心理学)|透視]]、[[千里眼]]などが含まれるとされている<ref name="Hani" />。従来の定義では[[予知]]は含まれていなかったが、新しい定義ではそれも含めている、ともされる<ref>[[石川幹人]] [http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/term.htm 用語解説]明治大学 メタ超心理学研究室</ref>。 |
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現代から見て、超感覚的知覚に属すると思われるような現象については、古来数多くの記録がある<ref name="Hani" />。一例を挙げれば、[[六神通]]([[サンスクリット]]:abhijñā、[[パーリ語]]:abhiññā)などにもそのような能力が含められていて、[[修行]]などでそういった能力を得た人がいる、としているような文書が残されてい |
現代から見て、超感覚的知覚に属すると思われるような現象については、古来数多くの記録がある<ref name="Hani" />。一例を挙げれば、[[六神通]]([[サンスクリット]]:abhijñā、[[パーリ語]]:abhiññā)などにもそのような能力が含められていて、[[修行]]などでそういった能力を得た人がいる、としているような文書が残されている。ただし、このような能力に関する学問的で本格的な研究は、20世紀の[[ジョゼフ・バンクス・ライン|J.B.ライン]]に始まるであろう<ref name="Hani" />。(ラインは1934年、''Extra-Sensory Perception''<ref>''Extra-Sensory Perception''. Boston, MA, US: Bruce Humphries.</ref>を出版した。これは彼の最初の著書である) |
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1990年にプリンストン宗教研究センターが行った調査では、アメリカ人の約半数が何らかの超感覚的知覚の存在を信じているとされた。 |
1990年にプリンストン宗教研究センターが行った調査では、アメリカ人の約半数が何らかの超感覚的知覚の存在を信じているとされた。 |
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化学者の[[アーヴィング・ラングミュア]](1881 - 1957)は(ESPの研究を、ESPが存在しているとしている科学を)[[病的科学]]に分類した。{{仮リンク|懐疑派協会|en|The Skeptics Society}}の[[マイケル・シャーマー]](1954 - )は、現代の[[懐疑主義]]はデータ収集による確認によって実践されており、超感覚的知覚は検証を受けほぼ毎回否定されてきたので誤りだと考えてよい、と(2002年の)著書で述べた<ref>(原著)Why People Believe Weird Things(2nd Revision edition 2002)、(邦訳)マイクル・シャーマー『なぜ人はニセ科学を信じるのか』ハヤカワ文庫、2003年、p.36.</ref>。 |
化学者の[[アーヴィング・ラングミュア]](1881 - 1957)は(ESPの研究を、ESPが存在しているとしている科学を)[[病的科学]]に分類した。{{仮リンク|懐疑派協会|en|The Skeptics Society}}の[[マイケル・シャーマー]](1954 - )は、現代の[[懐疑主義]]はデータ収集による確認によって実践されており、超感覚的知覚は検証を受けほぼ毎回否定されてきたので誤りだと考えてよい、と(2002年の)著書で述べた<ref>(原著)Why People Believe Weird Things(2nd Revision edition 2002)、(邦訳)マイクル・シャーマー『なぜ人はニセ科学を信じるのか』ハヤカワ文庫、2003年、p.36.</ref>。 |
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(超心理学という枠組みの中では){{仮リンク|ガンツフェルト実験|en|Ganzfeld experiment}}という研究手法が1970年代に開発されたが、米国の大学では2010年代も同手法で研究が続けられている。2010年代に日本の[[NHK]]も米国の大学に取材にゆき同実験の実験室や研究者や被験者の様子を撮影・収録した番組が放送された<ref>NHK、超常現象 第2集「秘められた未知のパワー」2014年1月18日初回放送、2019年5月25日再放送</ref>。この実験に関してはメタアナリシスが行われている。またメタアナリシスに関する批判的な分析も行われている。 |
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(超心理学ではなく通常の経験科学としては)神経科学の専門家のワッカーマン(Wackermann)らが[[脳波]]測定と[[fMRI]](機能的磁気共鳴画像法)を駆使して[[対照実験]]を行い2003年に(超心理学の論文集ではなく)神経科学者には知られているまじめな神経科学の専門誌[[:en:Neuroscience Letters|Neuroscience Letters]]に論文を発表した<ref name="ohtanisatoru">大谷悟『心はどこまで脳にあるか ―脳科学の最前線』 海鳴社、2008年。ISBN 978-4875252535。p.42</ref>。実験は密室が2つ用意され、部屋は外部から音も光も遮断され、電磁気的にも隔離され、ひとつの対照群の片方の被験者にはビデオが見せられ他の密室にいる被験者に脳波の変化が現れるかどうか調べられ、もうひとつの対照群の被験者にはビデオが見せられなかった。その実験結果は、脳波の同期発生を支持するものであった<ref name="ohtanisatoru" />。この実験結果に対して神経科学者らからまじめで肯定的なコメントが寄せられた。ワッカーマンはそれに応えて次のように述べた。 |
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:「われわれは、(Kalitzin, Suuffczynskiらの)コメントの建設的で思慮深い論調を歓迎する。我々がここで示したような結果は、過去、超心理学や「癒しの科学」に見られるように、ある種の異常さを売り物にし偏った視点をもつ研究者たちによって報告されてきた。そしてしばしば、経験科学の範囲を逸脱する仮説を支持するものだと解釈されてきた。このことはかえって、科学者の社会の本流に、こういった研究に対する否定的偏見を植えつけてしまう結果を生んできたようだ。だが我々は、ついに、肯定的な偏見(先入観)、否定的な偏見(先入観)をすべて捨て、データに基づく証拠だけを扱って、これらのテーマについて考える時が来たのだと信じるのである<ref name="ohtanisatoru" />。」 |
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== 出典 == |
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2024年10月7日 (月) 14:43時点における最新版
超感覚的知覚(ちょうかんかくてきちかく、Extrasensory Perception)は、五感や論理的な類推などの通常の知覚手段を用いずに、外界に関する情報を得る能力[1]。ESP(イー・エス・ピー)とも呼ばれる(Extra Sensory Perceptionの省略形[1])。まれに「感覚外知覚[1]」とも。
超能力の一種とされる。日本以外では一般にPSI(サイ)という概念に含めて把握されている。超心理学では一般に、超能力をESPとPK(念力)に大別する[1]。
概説
[編集]超感覚的知覚にはテレパシー、予知、透視、千里眼などが含まれるとされている[1]。従来の定義では予知は含まれていなかったが、新しい定義ではそれも含めている、ともされる[2]。
現代から見て、超感覚的知覚に属すると思われるような現象については、古来数多くの記録がある[1]。一例を挙げれば、六神通(サンスクリット:abhijñā、パーリ語:abhiññā)などにもそのような能力が含められていて、修行などでそういった能力を得た人がいる、としているような文書が残されている。ただし、このような能力に関する学問的で本格的な研究は、20世紀のJ.B.ラインに始まるであろう[1]。(ラインは1934年、Extra-Sensory Perception[3]を出版した。これは彼の最初の著書である)
1990年にプリンストン宗教研究センターが行った調査では、アメリカ人の約半数が何らかの超感覚的知覚の存在を信じているとされた。
超心理学研究者などは一般に、超感覚的知覚の能力を持つ者については、少し広い概念を用いて「サイキック」 (psychic) と呼んでいる。SF作品などでは、ESP能力を持つ人物を「エスパー」(ESPER)と呼んでいるが、そう呼ぶのは基本的に作品内だけなので、こちらの方はSF用語である[1]。
化学者のアーヴィング・ラングミュア(1881 - 1957)は(ESPの研究を、ESPが存在しているとしている科学を)病的科学に分類した。懐疑派協会のマイケル・シャーマー(1954 - )は、現代の懐疑主義はデータ収集による確認によって実践されており、超感覚的知覚は検証を受けほぼ毎回否定されてきたので誤りだと考えてよい、と(2002年の)著書で述べた[4]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h 羽仁礼『超常現象大事典』成甲書房、2001年、38頁。ISBN 978-4880861159。
- ^ 石川幹人 用語解説明治大学 メタ超心理学研究室
- ^ Extra-Sensory Perception. Boston, MA, US: Bruce Humphries.
- ^ (原著)Why People Believe Weird Things(2nd Revision edition 2002)、(邦訳)マイクル・シャーマー『なぜ人はニセ科学を信じるのか』ハヤカワ文庫、2003年、p.36.
関連項目
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外部リンク
[編集]- 石川幹人 「知覚心理の研究」 明治大学