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「阪急2300系電車 (2代)」の版間の差分

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[[阪急9300系電車|9300系]]以来となるセミクロスシートの京都線用特急車両として導入される<ref name="鉄道ファン202407" />。阪急で初となる座席指定サービス「[[阪急京都本線#座席指定サービス「PRiVACE」|PRiVACE]]」用の回転リクライニングシート車両を一部編成に連結しており<ref name="鉄道ファン202407" />、本系列の増備が進むまでは対応改造のうえで「PRiVACE」車両のみを9300系に組み込んで運用する形態がとられる<ref name="マイナビ20240421" />。
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「2300系」の名称は[[阪急2300系電車|2016年まで在籍した車両]]にも使用されており、本系列では[[阪急1300系電車 (2代)|1300系]]に続いて過去の車両を踏襲した付番体系がとられている。
「2300系」の名称は[[阪急2300系電車 (初代)|2016年まで在籍した車両]]にも使用されており、本系列では[[阪急1300系電車 (2代)|1300系]]に続いて過去の車両を踏襲した付番体系がとられている。


== 構造 ==
== 構造 ==

2024年6月14日 (金) 06:47時点における版

阪急2300系電車
基本情報
運用者 阪急電鉄
製造所 日立製作所[1]
製造年 2024年 -
製造数 96両(予定)[2]
投入先 京都線
主要諸元
編成 8両編成(4M4T)
※本系列単独の編成
軌間 1,435 mm(標準軌
電気方式 直流1,500V架空電車線方式
設計最高速度 130 km/h
起動加速度 2.6 km/h/s
減速度(常用) 3.7 km/h/s
減速度(非常) 4.2 km/h/s
編成定員 884名
車両定員 先頭車:112名
中間車(一般車):124名
中間車(PRiVACE):40名
自重 2300形:30.5 t
2350形(一般車):26.3 t
2350形(PRiVACE):28.7 t
2800形:36.1 t
2900形:33.5 t
全長 18,900 mm
車体長 18,380 mm
全幅 2,830 mm
車体幅 2,780 mm
全高 4,095 mm
車体 アルミニウム合金[1]
台車 ボルスタ付きモノリンク式空気ばね台車
電動台車:FS579M
付随台車:FS579T
主電動機 かご形三相交流誘導電動機
主電動機出力 190 kW
駆動方式 平行カルダン駆動方式
歯車比 5.33
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制御装置 東洋電機製造製 RG6054A-M形
制動装置 全電気指令式電磁直通空気ブレーキ
電力回生優先ブレーキ付き)
備考 特記なき限り出典は[3]による
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阪急2300系電車(はんきゅう2300けいでんしゃ)は、阪急電鉄(阪急)の特急車両である。

概要

9300系以来となるセミクロスシートの京都線用特急車両として導入される[3]。阪急で初となる座席指定サービス「PRiVACE」用の回転リクライニングシート車両を一部編成に連結しており[3]、本系列の増備が進むまでは対応改造のうえで「PRiVACE」車両のみを9300系に組み込んで運用する形態がとられる[2]

「2300系」の名称は2016年まで在籍した車両にも使用されており、本系列では1300系に続いて過去の車両を踏襲した付番体系がとられている。

構造

走行機器

電動車には主電動機(出力190kW)を1両につき4台搭載し、うちM車はシングルアームパンタグラフ2台とVVVFインバータ制御装置を、M'車は静止型インバータ装置を装備する[3]。台車は1300系に続いてFS-579形を採用している[3]

運転台にはモニタ装置を2つ搭載している[3]

外装

前頭部の各部配置は過去の車両を踏襲しつつ、本形式は「疾走感」を意識したデザインとし、前面窓に曲線を取り入れている[1]。車外表示器はLEDを基本とするが、「PRiVACE」車両ではガラス一体型の液晶ディスプレイ(LCD)を側面窓内に設けている[3]

外装色はマルーンをベースに車体上部をアイボリーとした伝統的なもので、「PRiVACE」車両ではさらに裾部に金色の帯を配し、ドアの左右に「PRiVACE」のロゴを掲げる[3]

客用扉は一般車両が片側3か所であるのに対して、「PRiVACE」車両では中央の両開き扉1か所のみとなっており、扉の窓形状はひし形としている[3]。また、客室内の窓は1列につき1つの小窓である[3]。なお、本系列では先頭車の乗務員用扉直後の窓が存在しない[3]

内装

一般車両はドア間を転換クロスシート(一部固定)、車端部をロングシートとしており、各車両のロングシート部に優先席車椅子スペースが設けられる[3]。ロングシートでは袖仕切りが半透明となったほか、先頭車両では車椅子スペースが拡大されている[3]。これまでの車両と同様に化粧板は木目調、モケットはゴールデンオリーブ色とした[3]。車内ディスプレイは32インチハーフサイズのLCD表示器で、各ドア上に千鳥状に配置し各車両3基設けた[3]。乗務員室は1300系よりもさらに拡大され、その分、乗務員室後部の客室スペースは狭くなり座席も省略された[3]。客室との仕切り扉も、車掌台側に寄せられた[3]

「PRiVACE」車両では、2+1配列の回転リクライニングシート(座面スライド機構付き)を扉を挟んで7列ずつ設置しており、2つの客室で2人掛け側と1人掛け側の左右が逆転する千鳥配置となっている[3]。うち各1列では1人掛け側の座席を省略し、一方の客室では車椅子スペースを、もう一方の客室では荷物置き場を設置している[3]。各座席には読書灯、コンセント、インアームテーブルがあり、枕部分および2人掛け席の肘掛け部にはパーテーションを備える[3]。客室内の化粧板やモケットは一般車両と同様である一方、デッキは床面も木目調で、壁面上部は大理石調とした[3]。車内ディスプレイは32インチのLCD表示器で、客室・デッキ間の各ドア上に1つずつ、計4基を搭載[3]

客室内防犯カメラは各車両に3台ずつ設けている[3]

編成

4M4Tの8両編成で、以下の通り組成される[3]。形式名に関しては、新形式呼称(数字の先頭にアルファベットを付加した形式)を用いる媒体もある[4]

2300形・2400形 (Tc)/Tc2300形
制御車。床下に電動空気圧縮機蓄電池を搭載。2300形は大阪梅田駅方、2400形は京都河原町駅方の先頭車となる。新形式呼称では、両先頭車ともTc2300形となる。
2800形・2850形 (M)/M2800形
パンタグラフ付き電動車。床下にVVVFインバータ制御装置、屋根上にシングルアーム式パンタグラフ2基を搭載。2800形は大阪梅田駅方から2両目、2850形は6両目に連結される。
2900形・2950形 (M')/M2900形
電動車。床下に静止形インバータを搭載。2800形は大阪梅田駅方から3両目、2850形は7両目に連結される。
2350形・2450形 (T)/T2350形
付随車。2350形は一部編成で「PRiVACE」車両となり、車体形状が大きく異なる。新形式呼称では、一般車、PRiVACEともT2350形の括りとされる。
← 大阪梅田
京都河原町 →
Tc M M' T T M M' Tc
2300形 2800形 2900形 2350形 2450形 2850形 2950形 2400形

運用

2024年夏に京都線で運行を開始する予定である[1]。具体的な運行開始日については同年6月1日時点では明らかになっていないが、「PRiVACE」のサービス開始日は同年7月21日であることが発表されている[5]。将来的に12編成を導入し、京都線の特急車両は本系列に統一される予定である[2]

ただし2024年度は(本系列単独では)1編成のみの導入となり、当面は9300系6編成に本系列の「PRiVACE」車両を組み込む形で運用される[2]。今後は本系列の増備にあわせて順次脱車のうえ新製編成に組成し、9300系への組み込みは解消することが想定されている[6]

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c d 阪急電鉄、新型車両2300系&「PRiVACE」公開 - 7月導入、写真99枚」『マイナビニュース』マイナビ、2024年4月26日。2024年6月6日閲覧。
  2. ^ a b c d 阪急電鉄「PRiVACE」9300系に組み込む車両も2300系、今後の計画は」『マイナビニュース』マイナビ、2024年4月21日。2024年6月6日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 『鉄道ファン 2024年7月号』交通新聞社、2024年5月、80-83頁。 
  4. ^ 『RM MODELS』2024年7月号26 - 29頁、ネコ・パブリッシング。
  5. ^ 阪急,座席指定サービス「PRiVACE」の運行を7月21日から」『鉄道ファン』交通新聞社、2024年7月21日。2024年6月6日閲覧。
  6. ^ 阪急の豪華な座席指定車の“最終形”とは? 既存車両への組み込みは「あくまで一時的」」『乗りものニュース』メディア・ヴァーグ、2024年7月21日。2024年6月6日閲覧。

関連項目