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「ブラック・エンジェルズ」の版間の差分

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; 鷹沢神父(たかざわしんぷ)
; 鷹沢神父(たかざわしんぷ)
:元は竜牙会の発足メンバーの一人だったが、考えの違いから途中で会を脱退、竜牙会の計画を止めるべくブラック・エンジェルズを結成。竜牙会との戦いの途中、射殺されてしまうが・・・。その正体は竜牙会のボス「切人(きりひと)」。主人公達が信奉する人物が、敵対する組織のトップだったという衝撃的な結末は、当時のジャンプ読者に大きな反響を呼んだ。
:元は竜牙会の発足メンバーの一人だったが、考えの違いから途中で会を脱退、竜牙会の計画を止めるべくブラック・エンジェルズを結成。竜牙会との戦いの途中、射殺されてしまうが・・・。その正体は竜牙会のボス「切人(きりひと)」。主人公達が信奉する人物が、敵対する組織のトップだったという衝撃的な結末は、当時のジャンプ読者に大きな反響を呼んだ。
:ロザリオで絞首するのが暗殺方法。決め台詞は「汝に神の裁きを!」。予断だが両腕を引く形で絞め殺すのは[[必殺仕業人]]における[[赤井剣之介]]、[[必殺橋掛人]]における柳次らが挙げられる。; 亜里沙(ありさ)
:ロザリオで絞首するのが暗殺方法。決め台詞は「汝に神の裁きを!」。予断だが両腕を引く形で絞め殺すのは[[必殺仕業人]]における[[赤井剣之介]]、[[必殺橋掛人]]における柳次らが挙げられる。
; 亜里沙(ありさ)
:鷹沢に仕えるシスター。雪藤の高校の教師も勤める。雪藤にとっては姉のようで、羽死夢にとっては憧れの存在。
:鷹沢に仕えるシスター。雪藤の高校の教師も勤める。雪藤にとっては姉のようで、羽死夢にとっては憧れの存在。
:催眠術で相手を自殺、または自殺に見せかけて暗殺する([[新・必殺からくり人・東海道五十三次殺し旅|新・必殺からくり人]]における噺家、塩八の殺しに似ている)。ただし催眠の強さは舌を噛み切れば破れる程度であり、何度か破られている。
:催眠術で相手を自殺、または自殺に見せかけて暗殺する([[新・必殺からくり人・東海道五十三次殺し旅|新・必殺からくり人]]における噺家、塩八の殺しに似ている)。ただし催眠の強さは舌を噛み切れば破れる程度であり、何度か破られている。

2007年10月19日 (金) 00:04時点における版

ブラック・エンジェルズ』は、1981年~1985年に週刊少年ジャンプ集英社)に連載された平松伸二作のバイオレンスアクション漫画。被害者から金を受け取ることもなく、法で裁けぬ悪を殺すというハードな内容で人気を博した。

1998年にはスーパージャンプに掲載していた別作品『マーダーライセンス牙』に、当作品の主人公である雪藤が登場。『マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ』というタイトルに変更され、両者を主人公として連載された。ただし、『ブラック・エンジェルズ』後半の関東壊滅は『牙』の世界では起こっていない為、続編というよりはパラレルワールドと解釈すべきであろう。同作では松田は死亡しているので、壊滅の直前から分岐しているものと思われる。

概要

少年誌らしからぬ内容ではあったが、主人公達ブラックエンジェルは決して弱き人を見捨てず、暗殺するのは法で裁けない外道のみ。神父が定めた「死の掟」を厳守するという勧善懲悪のストーリーは、最後まで守られていた。またその独特のキャラクターデザインと設定から、女性のファンも多かった。

ストーリーは大きく3部構成となっており、合間に読み切りに近い単発のエピソードが挿入されている構成になっている[1]

第1部は、単発のエピソードが続いた後、暗殺組織を抱え日本壊滅による革命を目指す集団である竜牙会との抗争が描かれる。第2部では、大震災によって破滅した関東を舞台に謎のコイン「8枚の金貨」を巡って繰り広げられる戦いを描き、そのコインを媒介として、第3部の白い天使編につながっていく。ファンの間では第1部が最も評価が高い。

前半こそ現代版『必殺シリーズ』と呼べるものだったが、大震災以降は世界観が一変し、内容も『バイオレンスジャック』や『北斗の拳』の様に秩序の崩壊した暴力が支配する世界が舞台となり、主人公側・敵側とも超人的になっていく。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


作品内容

竜牙会やホワイトエンジェルとの対決ではエンターテイメント性が重視されていたが、連載開始当初と、竜牙会編の合い間(作者が構想を練る間の繋ぎ)に挿入されていた、一般人の「外道」を死をもって裁くエピソードの中には性犯罪家庭内暴力少年犯罪消費者金融などを扱った陰惨な話が多く、描写には漫画的な(暴力団など)誇張が見られるが、一般社会の「法で裁けない悪」への怒りが[2]、連載から20年以上経った今でも消えていないのを思い知らされる内容となっている。その意味では、この漫画が古くなっていない証左と言える。

大震災以降の展開は熱心なファンの間でも「荒唐無稽すぎる」と、決して評価は高くなかったが、シリーズ後半に登場する勇気という少年の、始めは雪藤たちの味方でいながら、自らの邪心を利用して桁外れの超能力を繰り、ホワイトエンジェル、果ては日本の首領の座を乗っ取るというキャラクター設定は、その圧倒的な強さ、天使から悪魔に変容する人間的な側面、邪心に支配されてからは自ら「」を名乗り、気まぐれで人の生命を弄ぶ極端な残忍性など、ブラックエンジェルに立ちはだかるの化身としてはこれ以上無い存在だったといえる。また、こういった後天的な悪にありがちな、「何かをきっかけに、もしくは今際の際に善の心を取り戻す」という事が最後の最後まで無かったのも特徴的である。

また、雪藤の決め台詞である「地獄へ落ちろ~!」を筆頭に幾多の名台詞がこの漫画から生まれた。(それ以外では、「チャリンコがバックだと~」「女子高生は…いい!」「けだもの~」「うりうり~」などが名台詞として受け継がれている。特に「地獄へ落ちろ~!」は雪藤以外に松田・水鵬・牙も決め台詞として使用している。)

ブラックエンジェルとは

表記について補足
作品タイトルは「ブラック・エンジェルズ」であるが、作品中は「ブラックエンジェル」または「黒い天使」と呼称しており、ここでも表記は別とする。

定義

ブラックエンジェルは、様々な宿命により殺人者という汚名を背負いながら、死の掟にのっとり、法で裁けない悪を倒していく人物達のこと。その行為は決して正義ではないと自覚しており、主人公の雪藤自らも「俺たちのやる事は人殺し」「正義でもなければ天誅でもない」と言い切っている。

作品的に、キリスト教的なモチーフを必殺シリーズに取り込んだ作品であった。[3]この作品の世界観においては、神にかわって悪を断罪する者として“黒い天使”が存在するのであり、胸に刻まれた十字の傷は悪に反応して血を流し、断罪すべき存在を黒い天使らに教える役割もある。これにより、ブラックエンジェルは他者に左右されることなく、純粋に悪を殺す者たちとして存在する。これは旧来の必殺シリーズとの差別要因であった。たとえば必殺シリーズの中で、仕掛人や仕置人、仕事人といった本来は弱者のための殺し屋(便宜上こう書く)達が、利用しようとする悪者たちによって振り回される様は何度となく描かれているが、ブラックエンジェルたちは十字架の導きによって悪を裁くため、殺す対象を見誤る事はない。また媒体が少年誌であったからか、元祖たる必殺シリーズとは異なり金銭の授受はない。


当初は、鷹沢神父のもとで勧善懲悪的な活動をしていたメンバーを指していたが、作品中盤からは“悪と戦い、かつ胸に「十字架の形をした傷」または「十字の傷」を持つ者”と定義が変わる。

ブラックエンジェルの証

ブラックエンジェルの証は先に述べた通り、“悪と戦い、かつ胸に「十字架の形をした傷」「十字の傷」がついている事”であるが、これは当初「法で裁けない悪を裁く」というストーリーのみだったが、途中から「何故悪と戦うのか」という必然性を持たせる為に、「悪と戦う運命を背負った者の証」として設定されたものである。[4]

胸に傷がつく経緯は様々である。 主人公の雪藤は、落雷が両親の形見の十字架のペンダントに落ち、その熱で十字の火傷を負う。ジュディも同様に、落雷によって十字架の痕が付く。 その他のメンバーも戦いの中で敵に十字の傷が刻み込まれていく。

最初は雪藤のみ、胸の傷跡から血が流れ落ちるという程度であったが(ストーリーが進むにつれ、それは自身の「戦わざるを得ない運命」を強調する演出となる)、危険を予知して傷跡がうずく、毒を体外に出す、雷を呼ぶといった奇蹟を見せる。他のメンバーも同様の奇蹟を起こし、それらは物語後半のホワイトエンジェルとの戦いにおいては、敵の圧倒的な力(超能力攻撃)に対し、立ち向かう力を発揮する事になる。

ブラックエンジェルのメンバー

第1部:初期〜関東壊滅

雪藤洋士(ゆきとう ようじ)
本作の主人公。モデルは「高校時代の先輩」(単行本第2巻作者コメントより)
自転車(トラックレーサー)のスポークがメインの武器。必殺シリーズにおける藤枝梅安の様に相手の頭頂部、首筋に刺す事で絶命させる。「秘灸暗剣殺」「円空暗剣殺」と名付けた必殺技を使うこともある。
連載当初は、普段は眼鏡を掛けた気の弱い青年が、外道の前では一変、冷徹な闇の暗殺者に変わるという、表と裏2つの顔で表現されていた。[5]
両親を交通事故で失っており、姉と共におじ夫婦の家で暮らしていたが、強盗におじ夫婦を殺され、罪をなすり付けられ逮捕された姉は警察の過酷な取調べに耐えかねて自殺する、という過去を持つ。後にこの事件の真犯人を自らの手で裁いた事でブラックエンジェルとなる。
武器はスポークの他にも、靴(コンバース オールスター)に仕込んだ剣、ワイヤー、自転車のサドルに仕込んだ吹き矢、自転車の車輪に仕込んだ刃(車輪ごと投げつける)、自転車のハンドルに仕込んだワイヤー等もある。なお彼の自転車は隠し武器以外にもかなりの改造が加えられている模様。関東壊滅後、一時期だけ銃を所持していた。
身体能力は高く、自転車で時速90キロ以上出す事もできる(実際には競輪選手にも出来ない技)。更にその状態から急停止し、高速でバックするという曲芸も見せている。実はバイクの運転もできる。跳躍力や反射神経も超人レベルである。
また、「心を無にする」事で、刀の上に立つ(後に空中浮遊能力:レビテーションと判明)、催眠術にかからない、摂氏100度の熱泉を浴びても火傷をしない、心を読まれないなど、ある種の超能力を持っている(ただし作品中盤から後半になって突然身につけたものであり、序盤にはそのような描写は一切無い)。
決め台詞「地獄へ落ちろ~!」はブラックエンジェルを象徴する名台詞となっている。
松田鏡二(まつだ きょうじ)
初登場時は刑事(その話中で懲戒免職)。風貌や設定など太陽にほえろ!出演時の松田優作がモデルで、「なんじゃあこりゃあ~!」などのパロディも一部に見られる。
始めは元刑事のプライドから、雪藤の殺しに反発していたが、ひき逃げを金の力で揉み消そうとした財閥のボンボンを殺した事で「法で裁けない悪」の存在を実感し、殺しに手を染める。竜牙会との戦いの中、頭を撃ち抜かれ死亡。
手錠を引きちぎったり、象に踏まれても押し返し、その牙を手刀で叩き折る程の力がある。
素手以外にも、巨大ブーメラン(元々は不動王の武器)や、愛車のバイク(HONDA CBX)を使って敵を倒す事もある。
作品中でも特に人気のあるキャラクターで、雪藤以外のメンバー中でただ一人『マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ』にも登場している。なお、前述の頭を撃ち抜かれた場面は『マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ』でも雪藤の回想で登場しており、松田は死んだものと思っていた雪藤に当然その事を訊ねられたが「いんだよ 細けえ事は」の一言で有耶無耶にしてしまった。
好物は「米屋(よねや)の水ようかん」
麗羅(れいら)
元竜牙会の殺し屋。ナイフ使いの達人で「黒水仙」の異名を持っていた。初登場時はお色気シーンもあったが、その後すぐに封印されている。
幼い頃に両親に捨てられ、入った孤児院が竜牙会の末端組織だった事から、殺し屋として生きる事となる。自分を捨てた母親[6]を目の前で殺された事で、竜牙会を裏切り、その逃亡中に雪藤と松田に助けられる。当初は別行動をとるつもりだったが、放火された孤児院から子供達を助けようとした松田に心を動かされ、仲間に。後に松田と恋人同士となるが、同じ竜牙会のメンバーであった水鵬にも特別な感情を持ち続けた。
歌がうまく、普段はクラブで歌手活動などをして生活している様子が描かれている[7]。歌が認められ、芸能事務所にスカウトされたこともある。
竜牙会逃亡後、ブラックエンジェルに加わるまで自主的に悪党を始末する殺し屋をやっていた。報酬単位は「死(4)」400円(しひゃく)や40000円(しまんえん)等。。[8]
竜牙会との戦いの中、松田の子を身篭るが、松田の帰りを待つ途中、卑弥子の毒蛾により殺される。
ナイフが武器だが、特に後半は竜牙会のバケモノ系の殺し屋を相手にすると全く効かない武器の定番になってしまう。
水鵬(すいほう)
元竜牙会の殺し屋。竜牙会を裏切った麗羅を抹殺する命を受けていたが、麗羅を想う気持ちを捨てきれずに逆に竜牙会を裏切る。斬血鬼との戦いで左腕を無くすが、後にマシンガン付きの義手を装着する(外れると20秒で爆発する仕組み)。
普段は単独行動を好むが、いざと言う時に現れ、かつ敵に追い詰められると常に自分の身を盾にして麗羅や雪藤たちを守る。麗羅が松田と付き合うようになってからは自ら身を引き、妹に対するような接し方をするようになる。ファンの間でも評価の高いキャラ。
初登場時は若々しい顔つきだったが、途中からあごに無精髭を生やし頬がこけた老け顔になる。
暗殺組織の地獄の特訓により、長時間水中に潜伏しても平気で、暗闇の中でも目が利くように仕込まれた。水を自在に操る。自分の血も操れるが、使用したのは一度きり。本来の必殺技は水を操り、渦巻きを発生させてその水流を刃と化す「水流死道波」で左腕を失うまで専らこれと水を操る能力とで殺しをしていた。最も危険な技は、湖などの水を利用して、自分の体の水分とともに霧を発生させる「水流霧幻塵」。
その「水流夢幻塵」を使った後、単独でブラック・サタン(自衛隊が開発した特殊ヘリコプター)に乗り込み墜落させるが、その際本人も死亡した。雪藤が彼の首を持って現れる、という衝撃的な最期だった。
ジュディ
傭兵のアメリカ人・ジャクソンと日本人・美恵子(後に修道尼)の間に生まれたハーフの少女。戦闘時は迷彩服に着替える(作品終盤はキャッツ・アイのような衣装だった)。
鎗付きムチを主な武器とするが、傭兵の娘らしく銃や手榴弾を使う事もできる。
初登場時は母を殺害したヤクザを次々と殺す腕があったが、対竜牙会との戦いの中で定番の人質キャラとしての役回りが増えてしまう。
一途に雪藤のことを思い続けていたが、2期から3期の間に、共に居続けた牙と行方不明の雪藤との間で気持ちが揺れてしまい、その事から彼女の事をあまり良く思わないファンもいる様である。
初期メンバーの中で、最終話まで生き残った唯一の存在なのだが、『マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ』ではまるで死亡したかのような扱いにされており、回想中にしか登場しない。
鷹沢神父(たかざわしんぷ)
元は竜牙会の発足メンバーの一人だったが、考えの違いから途中で会を脱退、竜牙会の計画を止めるべくブラック・エンジェルズを結成。竜牙会との戦いの途中、射殺されてしまうが・・・。その正体は竜牙会のボス「切人(きりひと)」。主人公達が信奉する人物が、敵対する組織のトップだったという衝撃的な結末は、当時のジャンプ読者に大きな反響を呼んだ。
ロザリオで絞首するのが暗殺方法。決め台詞は「汝に神の裁きを!」。予断だが両腕を引く形で絞め殺すのは必殺仕業人における赤井剣之介必殺橋掛人における柳次らが挙げられる。
亜里沙(ありさ)
鷹沢に仕えるシスター。雪藤の高校の教師も勤める。雪藤にとっては姉のようで、羽死夢にとっては憧れの存在。
催眠術で相手を自殺、または自殺に見せかけて暗殺する(新・必殺からくり人における噺家、塩八の殺しに似ている)。ただし催眠の強さは舌を噛み切れば破れる程度であり、何度か破られている。
シュラに操られ羽死夢を殺してしまい、戦いの最中に正気に返るものの、自責の念から自ら死を選ぶ。
羽死夢(はしむ)
鷹沢に仕える小太りの青年。亜里沙に憧れている。その一方で女子高生にモテたくて野球の練習をしたりもする(何処で披露するのか?)オチャメなキャラ。一人称は「ワシ」。
影同心の柳田茂左衛門の様に、急所を握り潰すのが暗殺方法(その為、これまでに殺害した相手は全て男性である)。決め台詞は「聞け、地獄の鐘の響きを~!」。体を丸めて回転し、体当たりすることもできる。亜里沙を襲ったシュラ達に立ち向かうも逆に視神経をつぶされて盲目になってしまい、更に催眠術にかかっていた亜里沙に寝込みを襲われ、殺されてしまうという悲劇的な最期を遂げる。
エルス
ドーベルマン。性別は描写内容から恐らくオスと思われるが、特定するシーンがない為不明。
親犬「エル」と共に老飼い主と旅をしていたが、ある事件に巻き込まれてエルは狂犬になり、飼い主も殺される。エルは成り行きで雪藤が殺さざるを得なくなり、残されたエルスはブラックエンジェルに引き取られ(羽死夢が餌やりしているコマがある)そのまま行動を共にする。
噛み付きが暗殺方法。ソドムに殺されてしまう。

第2部:関東壊滅後

雪藤洋士
ジュディ
牙亮(きば りょう)
元刑事。警察学校時代は松田の同僚で、空手の腕は松田と一、二を争ったほど。ブラックエンジェルの2番手とも言うべき松田の役回りやスタイルを受け継いだキャラである。顔は「ドーベルマン刑事」の加納錠治と生き写しで、唯一の違いは眉間の傷。この傷は刑事時代からの宿敵である女テロリスト「妖姫(ようき)」により「負け犬の証」として付けられたものである。
空手、二挺拳銃(スーパーブラックホーク)を武器とする。
松田の霊が乗り移ってから通常の百倍(!)の力を得てホワイトエンジェルに立ち向かうが、それ以前も以後も、相手の鉄の装甲を手刀でブチ抜いたり、コンクリートの天井を直角跳びで突き破る等、松田以上に人間離れしている。
勇気による管理社会が確立されてからはジュディと共に行動する中で、雪藤・ジュディとの微妙な三角関係に悩む一面も見受けられた。
ジュディと同様に、最終話まで生き残る。
飛鳥(あすか)
元刑事。牙の同僚で松田とも同僚。
マジックを利用した攻撃を行い、トランプを主な武器とするが、帽子を飛ばして鍔に仕込んだ刃で切り裂く技やネクタイを剣の様に使用する技もある。水鵬の魂が乗り移ってからは水も操れるようになった。
水鵬が常に自分の身を挺して仲間を守ってきたように、彼の力を受け継いだ飛鳥もまた自分の命を削りながら仲間を助けていく。
最期は白い天使・次元との戦いにて自分の力と命の全てを使って窮地の雪藤を救い、ホワイトエンジェルに対する自分の復讐を雪藤に託して散っていった。
トランプを使った華麗な技、本人のキャラクター等から、人気のあるキャラの1人である。

彼等の同僚には他に、ソドムのような体躯をしたプロレス技の使い手の金剛(こんごう)、剣術の達人の武蔵(むさし)といったキャラが居たが、大震災編の中途で武蔵が早くも裏切りキャラとなり、それに怒った金剛と相討ちになった(金剛の捨て身により、雪藤・牙・飛鳥はこの時の窮地を免れた)。

第3部:最終決戦

雪藤洋士
ジュディ
牙亮
紅林雄(くればやし ゆう)
飛鳥に瓜二つの青年で、反政府ゲリラのリーダー。
外見だけでなく声も似ており、偶然なのか家族構成まで一緒である。
ボクシングの名手で、その腕はチャンピオン級。霊士との対決でブラックエンジェルの力が覚醒してからは、炎のパンチ(空気との摩擦で発火)が打てるようになった。また、飛鳥の霊も乗り移り更にパワーアップ。霊士を追い詰める程の力を持つようになる。
水鵬→飛鳥の血統を受け継いだ故に、最終決戦時には自らの身を呈して霊士を倒すきっかけを作った。
霊士を倒す際に重傷を負ったものの、生き残る。
紅林嵐(くればやし らん)
雄の妹で、兄と共に反政府ゲリラに参加している。
ランドクルーザーを運転したり戦闘にダイナマイトを使用する等、兄である雄も手を焼く程の男勝りの性格。
幽姫達との闘いの最中に雪藤を助けようとした際に十字架の形の傷が付き、ブラックエンジェルの定めを背負うことになるが、その力を発揮する前に全てのブラックエンジェルの運命を雪藤が背負った為、どれほどの力を持っていたのかは不明のままとなる。
牙・ジュディ・雄と共に、最終話まで生き残る。

竜牙会について

組織構成

組織の全容は不明だが、作中の説明やセリフから少なくとも「本部」「支部」「暗殺組織」が存在している。また組織の殺し屋は「組織の息がかかった孤児院に引き取られた」という説明が度々されており、支部の中には孤児院も含まれる。

人員構成は大組織では定番のピラミッド構成となっており、発足メンバーをトップ(世代交代後は切人がトップ)とし、以下、幹部・地方の幹部・構成員という系統になっているようである。殺し屋は暗殺組織に属するが、酔鬼・斬血鬼・妖鬼のように「本部直轄」という殺し屋もおり、竜牙会内部における暗殺組織の立場ははっきりしない。

構成員は政府・財界はもとより、自衛隊、新聞社、警察、高校と幅広い分野に存在している。

内部で権力争いが起こる事もたびたびあり、「昇進」を口にする者も多い。

発足

鷹沢神父の「高度経済成長に突入した頃」という前置きから、1960年頃が発足と推測される。 財閥の息子や政府の高級官僚、社会評論家、自衛隊幹部などからなる8人で発足。当時メンバーは30歳前後で「自由と平等を主義とし、大国に頼らない独立した国家」を作る事を理想としていた(鷹沢神父曰く「理想に酔っていた」)。

彼らは「高度成長を続ける事は、将来、過密と過疎と生み、全国的に公害問題が起こり退廃した世の中になる」と力説するが、目先の利益に酔い高度経済成長のレールをひた走る大衆は彼らの意見に耳を貸そうともせず、彼ら8人は自分たちの無力を思い知らされる。 理想と現実のギャップに苦悩する中、彼らは「大衆はブタのように与えられたエサをただくらうだけの無能な集団であり、自分たちが主導権を握り、ムチ打っていかないと国家が滅びる」と考え始める。[9]

M計画

竜牙会幹部は、理想国家を作る究極の方法として「M計画」を考案する。MとはMortality(死ぬべき運命)の意味である。 これは、富士山の地下で巨大爆発(具体的には霊くつの中で核爆発)を起こす事で東京に大地震を引き起こし、その混乱に乗じて竜牙会の反対勢力の政府要人を大量虐殺し、首都を廃して、遷都することで自分たちの理想の都にする、というものである。 この計画に反対した鷹沢神父は会を離脱し、計画阻止の為に後にブラック・エンジェルズを組織する事になる。 なお、作中でM計画決行日が9月8日とされていた事で、一部のファンの間では9月8日は「M計画の日」とされている。

世代交代

M計画提唱から10数年。計画は成功する段階まで来ているにもかかわらず未だに実行しない事に業を煮やした発足メンバーの6人の子供達はニューリーダー「切人」の命の下、無能な親達に替わり自分たちの手でM計画を実行し、理想の国家を作ろうと企む。その為に組織反抗勢力である自衛隊川上小隊やブラックエンジェルを抹殺しようとする。

発足メンバー

鷹沢神父
大友健三郎(おおともけんざぶろう)
社会評論家。鷹沢神父の手で殺される。
沖田(おきた)博士
高名な地質学者。M計画実行の最終局面まで手引きするが、その帰路、罪の意識を感じているところで射殺される。
水鵬に核爆弾の場所を教え絶命。
小野沢英男(おのざわひでお)
日本興業勤務。お抱え運転手がいる事から重役クラスと判断できるが具体的な役職は不明。竜牙会の世代交代により交通事故に見せかけ暗殺される。
金森要造(かなもりようぞう)
金森財閥当主。竜牙会の世代交代により毒殺される。
浅沼喜一(あさぬまきいち)
与党幹事長。竜牙会の世代交代により爆殺される。
水原(みずはら)
自衛隊陸幕長。竜牙会の世代交代により息子の手で射殺される。
榊原(さかきばら)
大蔵官僚。竜牙会の世代交代によりスナイパーに射殺される。

世代交代後のメンバー

切人(きりひと)
竜牙会のニューリーダー。[10]M計画を実行しようとする。
人の心を読む事ができる「サトリ」。卑弥子の父親でもある。その正体はブラック・エンジェルズのリーダーでもある鷹沢神父。
水原英行(みずはら ひでゆき)
水原陸幕長の息子で自衛隊幹部。竜牙会の為に父親をも手にかける冷徹さを持つ。第1部の中で、雪藤の手による最も残虐な殺され方をした。
玲子(れいこ)
顔の特徴から浅沼の娘と思われる。英行と行動を共にしているが、恋愛関係を匂わす描写は殆ど無い。品の無い人間は殺し屋といえども嫌いで、「地獄の三匹」にも憎まれ口を利いた。
その他2人
金森の息子、小野沢の息子と思われるが、名前すら出ていない為、不明。また登場シーンも少なくその死に方も非常にあっけないものだった。

暗殺組織の殺し屋

竜牙会には暗殺組織がある事は既に述べた通りである。暗殺組織には多数の殺し屋が所属する。

どの時点で暗殺組織が発足したのか記述はないが、鷹沢神父が竜牙会に所属していた時に猿楽師と友人である事、またその時点で猿楽師が殺し屋だった事から竜牙会の発足後間もなくに暗殺組織は存在していたようである。

主に、竜牙会の反抗勢力・政府要人の暗殺を担う(時には裏切り者の始末も)。目的の為に手段は選ばない非常さ冷酷さを持っており、一般市民が巻き添えにされる事は当たり前である。尚、殺し屋は子供の頃から全員黒の道着を着用している。

彼らは何らかの形で幼少の頃に組織に属する事となり(概ね引き取られた孤児院が竜牙会の末端だった)、殺し屋となるべく地獄のような訓練を積まされてきており、その身体能力は非常に高い。基本的に一人一技を習得する方針で、ナイフ使いの殺し屋であればナイフ投げのみを習得させられる。


魔木(まき)
初登場した竜牙会の殺し屋。表向きは大友健三郎の運転手。雪藤の吹き矢での狙撃を素手で掴み止めるなど、その能力は高い。雪藤と二度戦う事になるが、一度目は途中で逃亡(この時片目を失う)。二度目は雪藤に敗北。最初から最後まで雪藤の宿敵のような存在だった。
ワイヤーを使用した「必殺仕事人」を思わせる暗殺方法が印象的(のちに雪藤が継承)。再登場時はグレードアップしており、ワイヤーを生き物の如く自在に操る。張り巡らせた切断糸の結界に封じ込める「死斬・魔糸地獄」などの技も用いた。
不動王(ふどうおう)
ブラックエンジェルに立ちはだかった初のバケモノ系殺し屋。兄はソドム。ソドムの本名が後藤姓である事から、彼の名字も後藤と推測できるが詳細は不明。
麗羅のナイフをはね返し、松田の手刀を途中で食い止める程の筋肉体で、巨大ブーメランを武器としていたが、松田にブーメランを奪われ止めをさされる。この武器はそのまま松田が使用する。
バケモノ系とはいえ、後の卍、ソドムに比べれば人間的な風貌をしている。
邪鬼(じゃき)
両手に装備した鉄の爪(熊手)が武器。松田の空手を「スローモーション」と言い切るほどの身のこなしで、最初は雪藤達を圧倒するが、麗羅と雪藤の連携攻撃の前に破れる。
ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズの韓国チームの2人は、不動王と邪鬼がモデルという説がある。
蛇皇院(じゃこういん)
笛を使って無数の毒蛇を操り、自分自身の体も蛇のようにする事もできる。ブラックエンジェルをおびき出す為に、殺し屋の中で最も多くの一般市民を殺した男。仲間(戦いの最中裏切るが)の水鵬ですら辟易する、典型的な快楽殺人者。その異常性は水鵬の裏切りでブラックエンジェルを取り逃がした後、腹いせに蛇を使い、近くの漁村を一晩で全滅させた程。最後には蛇嫌いの松田に倒される。不動王・邪鬼とは仲が良かったようで、魔木らとブラックエンジェル抹殺の任務を受ける際、仇討ちの感情も持っていた。
蛇郎丸という、彼が最も可愛がっているニシキヘビがいる。
酔鬼(すいき)
「酔えば酔うほど動きが素早くなる」という、生物の生理現象と正反対のいわゆる酔拳の使い手。その手刀と蹴りの威力は相当なもので、終始松田を圧倒した。
必殺技「酔拳十文字殺」によって松田の胸に十字の傷をつける。
斬血鬼(ざんけつき)
この世に切れぬものはないと言う斬血刀(青龍刀)の使い手で、水鵬の左腕を切り落とした。初登場時から彼の顔は終始暗闇越し(しかも暗視ゴーグルつき)にしか描かれておらず、単行本掲載の扉絵で初めて素顔が紹介された。
妖鬼(ようき)
相手の体のツボを突いて動きを封じる「妖拳筋呪縛」の使い手。最後は鋭利な仕込み歯で相手の心臓を食いちぎる。殺し甲斐のある敵を倒すことに快感を覚えると言う、典型的な快楽殺人者。
薄いサングラスの男
正確には殺し屋ではなく、末端幹部。
密かに建造した4階建ての「地獄のビル」に、ジュディを人質にしてブラックエンジェルを誘い込み、彼らの全滅と引き換えに本部直属クラスへの昇進を計った男。ビルの2階は総鏡張りで後方から槍が飛び出し、3階は光を閉ざした空間に、様々な武器を持たせた機械仕掛けの仏像を無数に配置してあり、4階は多種多様の鋭利な刃を仕込んだ振り子が舞う部屋で、ジュディが壁に磔にされていた。2階に酔鬼、3階に斬血鬼がそれぞれ控えていたが、そのビルの仕掛けがブラックエンジェルに勝機を与えるきっかけになったと妖鬼に非難された。妖鬼が雪藤と決着をつけるべく同じ部屋に入った所で振り子で二人を殺そうとしたが、事前に妖鬼に悟られ、心臓を食いちぎられた。
陽炎(かげろう)
炎を自在に操る殺し屋。手に油と麻薬を塗りこんでおり、手に移した火で相手を幻惑させて攻撃する。
猿楽師(さるがくし)
猿の群れを操る殺し屋で、かつては竜牙会随一の殺し屋と呼ばれていた。すでに引退していたが、ブラックエンジェル抹殺のため、組織の命令で呼び戻される。雪藤を絶命寸前に追い込んだが、雪崩で命を落とした。鷹沢神父とは旧友。
フェンシングの元全日本チャンピオン
ポイントを争うだけの競技に飽き、本物の血を求めるようになった殺人鬼。切人(偽)が認めるほどの腕を持ち、雪藤と熾烈な一戦を繰り広げる。
切人(偽)(きりひと)
切人の影武者。日本刀を自在に操る。影武者とは言え、雪藤や水鵬を畏怖させる程の実力とカリスマ性の持ち主。彼には更に数名の影武者がおり、こちらは「顔は同じでも腕は落ちる」(雪藤の評)。
卍(まんじ)
切人(偽)の側近。不動王を上回る巨体と怪力の持ち主。雪藤のスポークも麗羅のナイフも松田の鉄拳も寄せ付けず、松田の巨大ブーメラン(元は不動王のもの)をも素手で受け止めた。これほどの実力がありながら何故か麗羅の解説が無かった事から、暗殺組織直属ではない(偽の切人が個人的に雇った?)可能性もある。
佐々木(ささき)
校内暴力に揺れる学校の中で不良学生を利用し、竜牙会での出世を企んだ男。出世が目的だった事や、服装が白かった事から、正確には暗殺組織の殺し屋ではなく、末端支部の幹部と思われる。
不良学生を相手にした際の描写・後にトンファーを持っていた事からカンフーの使い手のようである。
影(かげ)
水原陸幕長の密偵。息子達の竜牙会内クーデターを陸幕長に報告する際に射殺される。
スナイパー
暗殺組織とは別に水原(息子)が個人的に雇い入れたと思われる殺し屋。
水原とは常に行動を共にしており、その為登場シーンは多く、しかも鷹沢神父・榊原という竜牙会初期メンバーを射殺という大きな働きをしているにも関わらず一度も名前が出なかった(その為ここでは便宜上「スナイパー」として記載する)。
M16アサルトライフルを所持しており、麗羅のナイフと松田の巨大ブーメランを同時に弾き飛ばす射撃の腕を持っている。松田の死で怒りが頂点に達していた雪藤にバイクで轢殺されるが、鷹沢の正体を考えるとある意味でとばっちりを受けた事になる。
眼帯の男
英行達をガイ、ソドム、シュラの元へ案内した、長髪の男。彼ら3人に指示が出せる事から、暗殺組織内での首領的な存在と思われる。初登場は魔木に(暗闇越しに)再度指令を与えた時だった。
ガイ
麗羅曰く、暗殺組織の他の殺し屋たちも恐れた「地獄の三匹」の中の一匹。骸骨のようなコスチュームと容貌で、指に付けた指の骨を模した凶器と素早い動きで相手を翻弄する。口から吐く毒液は目の神経を破壊するほど強力で、羽死夢を失明させ再起不能に追い込んだが、水鵬のマシンガンによる不意打ちであっさり倒される。
ソドム
「地獄の三匹」の一匹。本名は後藤和彦。3歳の時に両親を交通事故で失い、竜牙会の末端組織の孤児院に入れられる(弟の不動王も同時期に入ったと思われる)。全身の傷は暗殺組織の特訓と今まで殺した108人との死闘によるもの。
バケモノ系の中でも圧倒的な強さを誇り、シュラの強力催眠で松田の突きすら寄せ付けない(弟の不動王との対戦時は手首まで食い込んだ)鋼鉄の体と、ビルを倒す程のすさまじい破壊力を手に入れるが、催眠術では人体の限界を超えられなかった為にパワーが落ちてしまい、最後は松田に倒される。
シュラ
「地獄の三匹」のリーダー的存在。本名は松井栄一。4歳の時に大やけどで顔の左半分を失う。6歳で両親を失い、孤児院に入るが、そこが竜牙会の末端組織だった事から暗殺者となる。強力催眠と幻覚を武器とし、亜里沙を強力催眠にかけてブラックエンジェルを内部から壊滅させようと企むが失敗。心を無にした雪藤には催眠攻撃が全く効かず、殺される。
卑弥子(ひみこ)
切人の娘で、切人同様に人の心と未来を読む事ができる「サトリ」。ボンテージルックで毒蛾の群れと悪魔憎涅巣を率いる。
モデルは薬師丸ひろ子という説が有力(顔がそっくり)。
悪魔憎涅巣(アマゾネス)
卑弥子の5人の部下。ビキニコスチュームの美人揃いだが、殺しの腕は川上小隊を全滅させた程。なぜか初登場時は全員仮面を付けていた。
悪夜(あや)
コウモリを操って相手の血を吸わせる攻撃をする。水鵬の罠にかかり爆死(なぜか水鵬は無傷)。
黄泉(よみ)
間欠泉に潜む。雪藤の目を一時的に失明させたが、逆にそれが雪藤の能力を高め殺される。
刺魔(しま)
悪夜と姉妹のように育った。棘のある草葉を操り松田と麗羅を苦しめるが、自力で風を作った松田の反撃に遭い死ぬ。
妖火(ようか)
火炎攻撃を得意とする。黄泉との戦いで視力が回復していない雪藤を追い込むが、炎が自分の位置を教える結果となりあっさり死ぬ。
上記4人までは名前もあるが、丸ノコをヨーヨーのように繰るメンバー(自爆)の名前だけは明かされていない。
溶岩洞窟の核爆弾の見張り達
水原お抱えの自衛隊員たちで、特殊な薬品の注射により、核爆弾の死守という極限の任務に対する忠誠心と、ブラックエンジェルの武器に対する耐久力や生命力を人体の限界まで発達させており、雪藤のスポーク攻撃でも中々死ななかった。しかしその限界を超えると目を剥いたミイラのような容貌になり、頭部が灰状と化し消滅した。松田を殺したのはこの部隊のリーダー格の眼帯の男で、自分が消滅する寸前に松田を狙撃した。

白い天使(ホワイトエンジェル)

定義

元々は超能力者集団で、明治時代から代々時の権力者の相談役として仕え、国家を左右する重要な決定を未来感知能力を用いて総理大臣に進言してきた影の存在だったが、長である老師の弟子である神霊士達が日陰の存在を嫌がり、権力を手中におさめようと独立した事にホワイトエンジェルの端を発する。 ホワイトエンジェルという名称は雪藤達がブラックエンジェルを名乗る事に対して神霊士がホワイトを名乗った事による。[11]


メンバー

神霊士(じん れいじ)
ホワイトエンジェルのリーダー。内閣最高顧問。冷酷で計算高く、力の無い人間を見下し、自分たちの超能力を神から与えられた力として、国家支配を目論む。
他の8人のホワイトエンジェルと比べてもその力は圧倒的で、強力かつ多彩。サイコキネシス・物質転移・テレポーテーションなど数々の力を持つ。特に強力なのが相手の写し身の蝋人形を作り、その蝋人形に与えた攻撃を相手にそのまま与える「念写ロウ呪殺」。
勇気を味方に取り込もうと、彼の眠っていた邪心を引き起こさせるが、逆に勇気の邪心に精神が影響を受け、勇気の片腕として行動するようになる。
当初は圧倒的な力を持って雪藤達を追い詰めるものの、力を増していったブラックエンジェルを相手に、次第に追い込まれていく。勝つために自らを追い込んで更なる強さを得るものの、最後は牙と雄の2人に倒される。髪の毛がほとんど抜け落ち、鼻から顎にかけて骨をむき出しにしたその最後の姿は、登場当初の美形キャラとしての面影は微塵も無く、まるで別人のように成り果ててしまった。
薔薇貴(ばらき)
ホワイトエンジェルのサブリーダー的存在で、名前の通り薔薇を使い相手を襲ったり、血を吸わせたりする力を持つ。勇気の邪心の影響を受けた後は名前を「薔薇鬼」に改め、更に力を増し雪藤に襲い掛かるが、金貨の力を引き出した雪藤の前に倒される。「薔薇貴の"貴"は"鬼"になった」は名台詞のひとつ。 
魔導沙(まどうさ)
ホワイトエンジェル7人衆の一人。魔法陣を使って呼び出した霊魂を自在に操る力を持つ女性。
松田と水鵬の霊魂を呼び出してブラックエンジェルを襲うものの、それが結果的に牙と飛鳥の力を大きく引き上げる事になってしまい、霊士の怒りに触れ罰として視力を失う。
勇気の邪心の影響を受けた後は、髪の毛が蛇のように変化し自分の目を見た者を石化させる能力を身に付けるものの、風剣の捨て身の攻撃によって彼とともに石像と化した。風剣とはかつて恋人同士だったが、邪悪となり身も心も変わり果てた彼女にはかつて同じ時を過ごした面影は既に無かった。
泥露(どろろ)
ホワイトエンジェル7人衆の一人。全身が泥のようになっており、伸縮・分離自在の体を使って、ブラックエンジェルを襲う。ホワイトエンジェルの中でも、特に人間離れした存在。水鵬の力を得た飛鳥により倒される。
天冥(てんめい)
ホワイトエンジェル7人衆の一人。火炎を自在に操り、ブラックエンジェルを襲う。
自分の力に強い自信を持っているらしく、自分の力が飛鳥に破られた事に動揺を隠せないでいた。再戦を挑むも、再度飛鳥によって自分の力が破られ、混乱している中で雪藤に倒される。
妖婆(ようば)
ホワイトエンジェル7人衆の一人。幻影を自在に使う老婆で、泥露・天冥との合体技で、勇気の超能力を封じ込める。その後も幻影を使い、ブラックエンジェルに襲い掛かるものの、雪藤により倒された。
次元(じげん)
ホワイトエンジェル7人衆の一人。自称「四次元から来た男」超能力で生み出した鏡で相手の力を跳ね返したり、その鏡の中(二次元の世界)に閉じ込めたりできる。
鏡に閉じこまれた人間は鏡ごと彼の思い通りになってしまい、雪藤と飛鳥を窮地に追い込むが、飛鳥の命がけの技によって雪藤を解放され倒される。
知念(ちねん)
ホワイトエンジェル7人衆の一人。外見は小さな子供。
妖婆達の力で封じ込めた力を、自分の思い通りに封じ込めた相手に使わせる力を持つ。その力で勇気の力を我が物にしようとするが、その行為が勇気を邪心のみの悪魔に変えてしまう(最もそれは霊士にとって、策の内であったが本人達は知らなかった)。
勇気の邪心の影響を受けたあとは、雨水を吸収しただけ巨大化する能力を身に付ける。(上限は体重10tまで)その力で牙に襲い掛かるが、松田の力を得た牙によって倒された。
童夢(どうむ)
ホワイトエンジェル7人衆の一人。知念とともに、勇気の封じられた力を解放した。
勇気の邪心の影響を受けた後はブラックホールを作り出す力を使い、牙と松田の霊魂を切り離してそれぞれを閉じ込めるものの、運命の助太刀により再び解放されてしまう。その後、牙の情を誘って自分の血(セメントのように固まる)で反撃するものの、自身のブラックエンジェルの力を引き出した牙により返り討ちにあう。なお、船上でジュディを襲った場面はファンの心に深く刻まれている。

超能力者たち

勇気(ゆうき)
この作品におけるブラックエンジェルの最強最後の相手。
元は気の弱い少年でブラックエンジェル達に協力していたが、霊士の策により邪悪そのものの存在に変貌してしまう。変貌した彼は絶対的力を持つ自分こそが支配者に相応しいと考え、自分を日本の首領にするという条件でホワイトエンジェルに味方し、日本を支配し始めた。
その桁外れの超能力は、サイコキネシスや電撃はお手の物。嵐を呼んだり、亜空間に引きずり込み相手の時間を逆戻りさせたりなども平気でやってのけ、成長した後は、念波だけで相手を殺したり、イメージした物を実体化する等、もう何でもありの怪物となる。
わずか三年で恐怖による管理体制の社会体系を90%まで完成に近づけるなど、悪魔的な覇業をなし、雪藤の前に立ちふさがる。
尚、彼の邪心の影響を受けた者は、自身の持つ超能力を強化されたり新たな力を得たりするものの、顔つきや喋り方が勇気に近づいてしまい、更には勇気の忠実な僕となってしまう。
老師(ろうし)
ホワイトエンジェルのメンバー全ての師である超能力者であり、霊士の前に内閣の相談役として国政に携わってきた。
日陰の者としての立場を嫌った霊士達が反乱を起こした後は新政府国会議事堂の地下に幽閉されており、後に悪魔と化した勇気の拷問により殺される。勇気の祖父の双子の兄であり、若い頃の力は勇気に匹敵する程強大であったらしい。
勇気の祖父
老師の双子の弟。超能力を持つが、ホワイトエンジェル達はその存在を知らなかった。ブラックエンジェル達の頼もしい味方となるが、彼らをかばうようにして殺される。
風魔(ふうま)
元はホワイトエンジェルのメンバーだが、霊士が老師に対し反旗を翻した際に双子の弟・風剣とともに組織を抜ける。
自分の体を回転させ風を操る力を持ち、また風剣と共に力を使う事で相手の周りに真空の壁を作る事ができる。
霊士を倒して老師を救う為にブラックエンジェルの下に駆けつけるものの、霊士には力及ばず無惨な最期を遂げる。
風剣(ふうけん)
風魔の双子の弟。老師が自分の弟子の中で、兄・風魔と共に最も信頼していた能力者。
兄と共に霊士に挑むも力及ばず、辛くもその場を脱出した後、ジュディと共にかつての恋人・魔導沙と遭遇してしまう。自らとの思い出まで利用し、自分を殺そうとする変わり果てた彼女を相打ちで倒し、ジュディを救った。
尚、彼は劇中においてブラックエンジェルの一人として扱われているような描写が時々あるが、十字架があるような描写は無く(これについては他にもいるが)、また本人の口からも一回もブラックエンジェルと名乗ったことが無い事から、ブラックエンジェル以外の彼らの仲間、協力者として見るのが妥当と思われる。
運命
名前の通りベートーベンのような風貌で、ピアノで好んで弾くのはもちろん「運命」。
幽姫の元夫で、幽鬼・幽岩・幽魔の父親。彼らの毒血を打ち消す事ができる。
人の運命を予知出来るようだが、勇気やブラックエンジェルの運命など、重要な局面は見えないらしい。結局正確に当てたのは自分と幽魔の「運命」だけであった。
幽姫
運命の元妻で、幽魔たちの母親。ホワイトエンジェルより遥かに絆の強いブラックエンジェルに対抗して、勇気が送り込んだ一家の女主。通称「ビッグ・ママ」。髪型と巨大な体躯から、モデルはアンドレ・ザ・ジャイアントと思われる。
体内の血は毒。その為に急所がマヒしており急所を攻撃するだけでは死なない(息子3人も同様)。
また、自分の血が息子達の血と混ざる事で毒性を増すとともに、燃焼性が増す。
嵐に向かって言い放つ「これがオバンと小娘のパワーの違いだわさー!」という台詞はファンの間では有名。
幽魔
幽姫一家の末っ子。家族の絆は強いが、殺し屋としての冷酷さは、霊士の火炎攻撃を無力にする程。右手は義手。
幽鬼・幽岩
幽姫の息子で、幽魔の兄たち。ロードウォリアーズそっくりの風貌をしている。

脚注

  1. ^ ただし、作中では明確に「~部」という表現はない。初期は「黒き~~シリーズ」というサブタイトルが、ある程度のストーリーの単位毎につけられている。
  2. ^ 作者自身も常に怒りの気持ちを抱きつつ描いていたという
  3. ^ 但し彼らの殺しの行動が本来のキリスト教において正しいと見なされるか否か、はさておく。
  4. ^ その為か、傷の定義が出る前に登場した松田が初めて殺しをした際は、単に「黒い羽が生えた」と表現された。
  5. ^ 竜牙会編以降、最終回まで表の顔は出ず、裏の表情のままであったが、『マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ』では再び表裏のある人物となっている。
  6. ^ 真偽は不明。捨てられた彼女が持たされていたものと同じお守りを持っていた。単なる偶然であった可能性も高い
  7. ^ 逃亡中も通名の麗羅のまま活動しており、愚行ではないかとの指摘がある
  8. ^ その「領収書」を黒水仙名義で(宛名は「怨み様」)現場に残しており、これも愚行のひとつとして挙げられている。更に使用したナイフを回収する様子も無く、手袋もしていない為、現場には指紋も多数残されていると思われ、警察に捕まらなかったのがむしろ不思議なくらいである。
  9. ^ 鷹沢神父の説明から計算すると、発足後約5年でこの考えに至ったようである。
  10. ^ 以前のリーダーが誰なのかは不明
  11. ^ しかしその後すぐ、神霊士と“久しぶりに”あったはずの老師が「ホワイトエンジェル結集……いちばんおそれていたことが」と口にしたりする事から、ブラックエンジェルと対峙する以前からホワイトエンジェルを名乗っていたかのようにも取れ、若干矛盾がある