阪急マルーン
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16進表記 | #451722 |
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RGB | (69, 23, 34) |
マンセル値 | 5R 1.5/4.7 |
出典 | 「阪急車両 -音と色-」 |
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16進表記 | #ded5c0 |
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RGB | (222, 213, 192) |
マンセル値 | 2.5Y 8.5/1.5 |
出典 | 「阪急車両 -音と色-」 |
阪急マルーン(はんきゅうマルーン)とは、阪急電鉄系列の鉄道車両に採用されている色。副称は、小豆色である。
概要
マルーンは本来栗の誤訳(マロン)が語源で、「小豆色」・「チョコレート色」・「コーヒー色」などと評される[1]。マンセル値は 5R 1.5/4.7 で、日本国有鉄道(国鉄)制定色の赤7号が比較的近い。ぶどう色3号は本色より色相が高く、ぶどう色2号はまったく異なる色相である[2]。
開業以来の伝統色で、車内の木目調の化粧板、ゴールデンオリーブ色の座席とともに、阪急の上品なイメージの象徴となっている。車体塗色が統一されているのは、乗客に対して特急・急行・普通などの列車種別で異なる塗色を用いる差別化を行わないためである。
また、塗装工程では専用の塗料を使用したり、パテによる下処理で車体表面の凹凸を埋めて平滑にしたり、塗装も4層塗りをするなど並々ならぬこだわりがあり、これが独特な光沢も生み出している[3][1]。
マルーンの車体色は阪急電鉄のブランドカラーとして定着しており、毎年発売されている阪急電鉄のカレンダーには「マルーンの疾風」というサブタイトルが付けられている。鉄道車両以外でも阪急関連の商品に使用されており、2017年にはフォルクスワーゲン・ザ・ビートルの特別仕様車[4]に採用した例や、阪急百貨店では2019年からマルーンのランドセルを発売しているほか[5]、文房具としての採用例がある。
阪急の車両塗装の変遷
1950年の西宮球場でのアメリカ博開催時に、800系が黄色と水色[6]、500形が黄色とマルーン[7]に塗装されて宣伝に用いられたほか、同年10月に天神橋-京都間で特急が復活した際に用いられた100系(P-6)では下半分をマルーン、上半分をオレンジ色にされたが、翌年にはマルーンに銀色帯を巻くように変更されている[8]。
1975年に導入した6300系で、屋根肩部を阪急アイボリーに塗装した。その後1988年に導入した8000系以降の新形式車両は全てこの塗装となっている。さらに、1999年からは6000系・7000系・7300系・5000系リニューアル車でも同様の塗装に変更した。マンセル値は1988年まで 2.5Y 8.5/1、それ以降は 2.5Y 8.5/1.5 である[9]。
なお、初代1000形では窓周りを白く塗る案[10]や、8000系と9300系の各導入時にはメタリックオレンジや無塗装にマルーンの帯を入れるなどの新色採用案が持ち上がったが、利用者や社内から反対意見が続出したため、廃案になっている。また、1992年には同じマルーンながらメタリック分を増やした試験塗装が登場したが、2年ほどで従来色に戻されている。
他社の状況
阪急の子会社でその車両を譲り受けている能勢電鉄でもこの塗装が一時期を除いて採用されており、こちらは 「能勢電マルーン」 と称されている。同じく子会社の北大阪急行電鉄も、2000形・8000形・9000形電車において、この色の帯をあしらっている。
脚注
- ^ コーポレートカラーの呼称は、“阪急に相応しい上品なワインレッド(Hankyuレッド)”(阪急電鉄公式サイト)であるが、これは1992年に制定されたもので、従来から用いられてきた色とは異なる(『阪急電車』、p.226)。
- ^ 『阪急車両 -音と色-』、pp.223-224。
- ^ いつ見てもピッカピカ なぜ阪急電車は「美しすぎる」? 伝統の色「阪急マルーン」の背後に浮かぶ〝ブランド〟産経WEST
- ^ 沿線ディーラーのフォルクスワーゲン宝塚が展示用に製作したもので、販売車ではない。
- ^ この後、近畿日本鉄道・南海電気鉄道・京浜急行電鉄・相模鉄道なども自社の最新型車両やフラッグシップ車両をモチーフとしたランドセルを開発・販売するようになった。
- ^ 『阪急電鉄 神戸・宝塚線』、pp.142-143。
- ^ 『阪急電鉄 京都線』、p.74。
- ^ 『阪急電鉄 京都線』、p.74、「京都線特急車両の記録」、p.194、および 「戦後の京阪間を疾走した京都線特急電車」、p.184。
- ^ 『阪急車両 -音と色-』、p.224。
- ^ このカラーリングは、2100系・1010系の能勢電鉄への譲渡車である1500系・1000系が一時期採用していた。
参考文献
- 山口益生 『阪急電車』、JTB キャンブックス 120、2012年。
- 藤井信夫 『阪急電鉄 神戸・宝塚線』、関西鉄道研究会、1994年。
- 藤井信夫 『阪急電鉄 京都線』、関西鉄道研究会、1995年。
- 藤井信夫 「京都線特急車両の記録」、『鉄道ピクトリアル』 837、2010・8 臨時増刊、電気車研究会、2010年、pp.193 - 201。
- 中山嘉彦 「阪急車両 -音と色-」、『鉄道ピクトリアル』 837、2010・8 臨時増刊、電気車研究会、2010年、pp.222 - 224。
- 「戦後の京阪間を疾走した京都線特急電車」、『鉄道ピクトリアル』 837、2010・8 臨時増刊、電気車研究会、2010年、pp.184 - 188。
近似色
- マルーン
- 赤7号
- ぶどう色3号
- 東武鉄道の1720系DRCの窓廻り・裾色や旧型優等列車の下半色、9000系以降の車両の帯色も、この色に近い。
- 山陽電気鉄道や神戸電鉄の事業用車の外部色も、この色に近い。