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フーバーダム

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フーバーダム

フーバーダムHoover Dam)は、アメリカ合衆国の多目的ダムアリゾナ州ネバダ州の州境に位置するコロラド川のブラック峡谷にある。

概要

フーバーダムは、1931年に着工し、1936年に竣工した。ルーズベルト大統領のニューディール政策の一環として建設されたとの話もあるが、着工は大統領就任の前である。ダムの建設作業にあたって、熱中症のため97人が死亡した。また、1940年には湛水が原因と思われるマグニチュード5の誘発地震が発生している。

建設当時の名称はボールダーダムBoulder Dam)だったが、着工時のアメリカ合衆国大統領ハーバート・フーヴァーにちなんで、1947年に改称された。堤頂の道路はネバダ州道172号線英語版である。片側1車線で渋滞ボトルネックとなっているため、ダム直下にバイパス道路として、日本の大林組がコロラドリバー橋(正式名称 英:Mike O'Callaghan–Pat Tillman Memorial Bridge)の建設を請け負い、2010年10月に竣工した[1]

型式は重力式アーチダム、高さ221メートル、長さ379メートルで、ダム湖はミード湖と呼ばれ、貯水量は約400億トン。日本には約2,500基のダムがあるが、それらの貯水量の合計は250億トンである。日本最大の湖である琵琶湖の貯水量でも280億トン程度である。フーバーダムに設置された水力発電所で発生した電力は、ダムの北西48キロメートルにあるラスベガスをはじめ、カリフォルニア州アリゾナ州の各都市に供給されている。

ダムの完成により、広大な乾燥地で灌漑農業を行うことが可能となったが、同時に下流域では塩類集積公害が見られるようになった。1961年、下流のメキシコ政府は、1944年に締結した「コロラド川、ティファナ川およびリオ・グランデ川の水利用に関するアメリカとメキシコ間の条約」に違反し、国際水域を汚染したとして、アメリカ合衆国連邦政府に抗議している[2]

フーバーダムは、1985年アメリカ合衆国国定歴史建造物に指定された。

ダム諸元

放水中のフーバーダム
位置
北緯36度0分56秒 西経114度44分16秒 / 北緯36.01556度 西経114.73778度 / 36.01556; -114.73778座標: 北緯36度0分56秒 西経114度44分16秒 / 北緯36.01556度 西経114.73778度 / 36.01556; -114.73778
河川
コロラド川
目的
水位調整、発電水道
型式
重力式アーチ
堤高
221.4メートル
堤頂長
379.4メートル
堤体積
250万立方メートル
湛水面積
639平方キロメートル
有効貯水容量
344億立方メートル
着手
1931年
竣工
1936年
ダム湖名称
ミード湖
フーバーダムとミード湖のアリゾナ側からのパノラマ写真
2011年のフーバーダム

出典

  1. ^ フーバーダムの渓谷に北米最長のコンクリートアーチ橋が完成”. 大林組 (2010年11月4日). 2020年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月4日閲覧。
  2. ^ 公共事業チェック機構を実現する議員の会 『アメリカはなぜダム開発をやめたのか』 築地書館、40頁。

外部リンク