コンテンツにスキップ

椎野新

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
印刷用ページはサポート対象外です。表示エラーが発生する可能性があります。ブラウザーのブックマークを更新し、印刷にはブラウザーの印刷機能を使用してください。
椎野 新
福岡ソフトバンクホークスでの現役時代
(2018年6月6日 タマホーム スタジアム筑後にて)
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 新潟県胎内市
生年月日 (1995-10-10) 1995年10月10日(29歳)
身長
体重
196 cm
90 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2017年 ドラフト4位
初出場 2018年5月27日
最終出場 2023年9月25日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

椎野 新(しいの あらた、1995年10月10日 - )は、新潟県胎内市出身[1]の元プロ野球選手投手)。右投右打。

経歴

プロ入り前

黒川サンダースで野球を始め、胎内市立黒川中学校では軟式野球部に所属した[1]新潟県立村上桜ヶ丘高等学校では2年生の春から公式戦に登板。2年生の秋の新潟大会3回戦・新潟県立長岡大手高等学校戦で初先発を果たし、10奪三振1失点の好投で初完投勝利(7回コールド)を収める。3年生の春から主戦を務め、春季新潟大会では38.2回8失点で10年ぶりの優勝をもたらした[2]。初戦の新潟県立巻総合高等学校戦で18三振を奪う完封勝利を挙げる。準決勝の日本文理高校戦では142km/hを計測し、8回を3失点に抑えた。大会通算では51奪三振を記録した。北信越大会初戦の遊学館高等学校戦では、6回を投げて被安打12の内容で、1対8で敗退[3]。3年夏の全国高等学校野球選手権新潟大会でも決勝まで進出(日本文理に5対7で敗戦)[4]。準々決勝で新潟明訓高等学校を被安打2・18奪三振で完封するなど[5]、4試合29.2回で34奪三振という結果を残した。

国士舘大学に進み、1年生の8月に行われた読売ジャイアンツとの交流戦では、3対5の7回裏二死一・二塁から4番手で起用され、和田恋から空振り三振を奪い無失点に抑えている。2年生の秋には対立正大学1回戦で被安打5、7奪三振で2失点初完投勝利を挙げ、チームは入替戦2回戦で東都大学リーグ二部残留を決めた[1]。3年生の春には全カードで1回戦の先発を務める。3年生の秋に2番手投手となり、チームは12季ぶりとなるリーグ二部優勝を達成した。このシーズンは12試合(先発6、プレーオフ含む)64.1回に登板、4勝(2完投2完封)を挙げている。立正大学との優勝決定戦では被安打3、10奪三振2四死球の内容で、2対0の完封勝利を挙げる。続く入替戦全2試合にも登板したが、専修大学に2連敗を喫し、一部昇格を逃した。大学時代は公式戦で237イニングに登板して一度も故障を経験しなかった[6]。大学での通算成績は53試合に登板して11勝(3完投2完封)21敗、267.2回、防御率1.85。1学年後輩に後にソフトバンクでもチームメイトとなる重田倫明がいる。

2017年10月26日に行われたドラフト会議では、福岡ソフトバンクホークスから4位指名[6]を受け、契約金4500万円、年俸800万円(金額は推定)という条件で入団した[7]背番号34[8]

プロ入り後

2018年シーズンは5月27日の対楽天戦(福岡 ヤフオク!ドーム)に3番手として登板。2回を投げ、2安打1奪三振2失点であった[9]。レギュラーシーズンではこの1試合のみの登板に留まったものの、ポストシーズン中の10月19日に出場選手登録された。同日の西武とのクライマックスシリーズファイナルステージ第3戦で8回裏から登板。1失点するものの2イニングで3奪三振を記録した[10]。チームが日本シリーズに進出すると、広島との日本シリーズのロースターにも残ったもののシリーズでの登板はなかった。シーズンオフの11月19日、契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸800万円(金額は推定)でサインした[11]。11月25日から台湾で開催された2018アジアウインターベースボールリーグにおいて、NPBウエスタン選抜に選出され、4試合に先発登板した[12]

2019年、5月10日に一軍へ昇格[13]。同日の対ロッテ戦において当季初登板を迎える[14]。6月5日に行われたセ・パ交流戦の対中日戦で6回から2番手で登板し、リリーフ投手としてプロ初勝利を飾る[15]。以降、中継ぎ投手陣の一角を占め、36試合に登板し、5勝2敗6ホールド、防御率3.13の成績を残す。ポストシーズンでは、巨人との日本シリーズにおいて、第4戦からベンチ入りするが出場機会はなかった[16]。シーズンオフの12月9日、契約交渉に臨み、1800万円増の年俸2600万円(金額は推定)で契約を更改[17]

2020年は右肩痛の影響から一軍への昇格は7月にずれ込み[18]、シーズン初登板は7月17日の対オリックス戦となる[19]。7月22日の対日本ハム戦でリリーフ登板で勝利投手となるが[20]、8月20日の対千葉ロッテ戦において、延長10回裏に暴投でサヨナラ負けを喫する[21]。当季は怪我での出遅れもあり、12試合の登板で1勝1敗1ホールド、防御率5.73の成績だった。ポストシーズンでは、11月22日に行われた日本シリーズ第2戦の9回裏に6番手としてリリーフ登板し、1回を無失点で抑え、自身の日本シリーズ初登板を果たす[22]。シーズンオフの12月8日、契約交渉に臨み、200万円減の年俸2400万円(金額は推定)で契約更改した[23]

2021年、自身初の一軍出場機会なしに終わった。一方、ウエスタン・リーグでは9セーブを挙げ、最多セーブ投手となった[24]

2022年は開幕を一軍で迎えた。3月27日の対北海道日本ハムファイターズ戦(福岡PayPayドーム)で2年ぶりの一軍登板を果たした。しかし、2試合の登板のみで4月15日に登録抹消となった。6月7日に再昇格し、敗戦処理を中心に登板を重ねていたが、8月19日に新型コロナウイルスの陽性判定を受けて翌日に登録抹消となり[25]、その後は一軍に復帰できなかった。

2023年、春季キャンプから先発として調整していたが、オープン戦での争いに敗れて二軍スタートとなった。二軍では中継ぎとして24試合に登板して防御率1.38と結果を残し、7月5日に一軍に昇格した[26]。8月までは一軍で敗戦処理を中心に登板していたが、9月2日に登録抹消となった。その後は特例2023での昇格と降格を繰り返し、9月26日に登録抹消となったことを最後に一軍から遠ざかった。最終的に一軍では11試合の登板で、0勝1敗、防御率3.86に終わり、10月28日に戦力外通告を受け[27]、11月30日までに現役引退を決断した[28]

現役引退後

2024年からはソフトバンクの三軍打撃投手兼三軍スタッフを務める[29][30]

選手としての特徴・人物

  • 二軍ではプロ入り後の最速152km/hを計測[14]。制球力に優れ、幼少の頃に雪合戦で培ったと述べている[6]
  • 2021年1月20日、前年11月11日に一般女性と結婚していたことを明かした[31]

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2018 ソフトバンク 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 8 2.0 2 1 0 0 0 1 0 0 2 2 9.00 1.00
2019 36 1 0 0 0 5 2 0 6 .714 206 46.0 37 5 31 2 2 49 2 0 20 16 3.13 1.48
2020 12 0 0 0 0 1 1 0 1 .500 49 11.0 12 1 5 0 0 13 1 0 7 7 5.73 1.55
2022 18 0 0 0 0 0 0 0 1 ---- 109 24.2 25 2 14 1 1 21 1 0 11 11 4.01 1.58
2023 11 0 0 0 0 0 1 0 0 .000 73 16.1 17 1 9 2 0 17 1 0 9 7 3.86 1.59
通算:5年 78 1 0 0 0 6 4 0 8 .600 445 100.0 93 10 59 5 3 101 5 0 49 43 3.87 1.52

年度別守備成績



投手












2018 ソフトバンク 1 0 0 0 0 ----
2019 36 2 6 0 0 1.000
2020 12 1 2 0 1 1.000
2022 18 1 2 1 0 .750
2023 11 0 1 0 0 1.000
通算 78 4 11 1 1 .938

記録

初記録

背番号

  • 34(2018年 - 2023年)
  • 203(2024年 - )

登場曲

[32]

代表歴

脚注

  1. ^ a b c “越後のダル”国士舘大・椎野5年越しの大願成就を”. 日刊スポーツ (2017年10月24日). 2018年4月6日閲覧。
  2. ^ 春季新潟大会(2013年) 村上桜ケ丘―新発田中央(決勝)”. 朝日新聞デジタル バーチャル高校野球 (2013年5月14日). 2019年4月6日閲覧。
  3. ^ 春季北信越大会(2013年) 遊学館―村上桜ケ丘(2回戦)”. 朝日新聞デジタル バーチャル高校野球 (2013年6月2日). 2019年4月6日閲覧。
  4. ^ 第95回全国高校野球選手権新潟大会 日本文理―村上桜ケ丘(決勝)”. 朝日新聞デジタル バーチャル高校野球 (2013年7月25日). 2019年4月6日閲覧。
  5. ^ 村上桜ケ丘―新潟明訓(準々決勝)”. 朝日新聞デジタル バーチャル高校野球 (2013年7月21日). 2019年4月6日閲覧。
  6. ^ a b c “ホークスドラ4の195センチ右腕・椎野、制球力は新潟での雪合戦のおかげ!?”. Full-Count. (2017年12月7日). https://full-count.jp/2017/12/07/post96850/ 2018年5月27日閲覧。 
  7. ^ ソフトバンクのドラフト4位国士舘大・椎野新が入団合意”. 日刊スポーツ (2017年11月17日). 2018年4月6日閲覧。
  8. ^ 2017/12/07(木) 選手 新入団会見レポ。1位吉住投手「夢は最多勝」”. 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト (2017年12月7日). 2019年4月6日閲覧。
  9. ^ ソフトバンク4位椎野、プロ初登板で被弾も手応え”. 日刊スポーツ (2018年5月27日). 2019年2月21日閲覧。
  10. ^ ソフトバンク椎野CSデビュー「自分の投球できた」”. 日刊スポーツ (2018年10月19日). 2019年2月21日閲覧。
  11. ^ ソフトバンク椎野は現状維持「常時150キロを」”. 日刊スポーツ (2018年11月13日). 2018年4月6日閲覧。
  12. ^ TEAM 日職西軍 球員成績 投手成績”. 亞洲冬季棒球聯盟公式サイト(繁体中文). 2019年4月6日閲覧。
  13. ^ “広島九里登録、ソフトバンク上林ら抹消/10日公示”. 日刊スポーツ (株式会社日刊スポーツ新聞社). (2019年5月10日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201905100000485.html 2019年12月1日閲覧。 
  14. ^ a b “ソフトバンク椎野2回0封「スピードこだわりたい」”. 日刊スポーツ (株式会社日刊スポーツ新聞社). (2019年5月10日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201905100001358.html 2019年12月1日閲覧。 
  15. ^ “ソフトバンク196cm右腕椎野がプロ初勝利”. 日刊スポーツ (株式会社日刊スポーツ新聞社). (2019年6月6日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201906060000112.html 2019年12月1日閲覧。 
  16. ^ “【SMBC日本シリーズ】 読売ジャイアンツ vs 福岡ソフトバンクホークス 第4戦”. NPB.jp (日本野球機構). https://npb.jp/scores/2019/1023/g-h-04/roster.html 2019年12月1日閲覧。 
  17. ^ “ソフトバンク椎野1800万増で更改「すごい評価」”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2019年12月9日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201912090000285.html 2021年3月11日閲覧。 
  18. ^ “ソフトバンク椎野 「新」たな自分に挑戦へ 50試合登板&防御率2点台前半狙う」”. スポニチ Sponichi Annex (株式会社スポーツニッポン新聞社). (2021年1月5日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2021/01/05/kiji/20210105s00001173052000c.html 2021年3月11日閲覧。 
  19. ^ 2020/07/17(金) 第4回戦 オリックス vs 福岡ソフトバンク”. 福岡ソフトバンクホークス オフィシャルサイト (2020年7月17日). 2021年3月11日閲覧。
  20. ^ “ソフトバンク椎野今季1勝「連投でしたが疲れない」”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2020年7月22日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202007220001143.html 2021年3月11日閲覧。 
  21. ^ “剛腕ソフトバンク椎野、サヨナラ暴投の屈辱忘れない”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年1月3日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202101030000331.html 2021年3月11日閲覧。 
  22. ^ 2020/11/22(日) 第2戦 巨人 vs 福岡ソフトバンク”. 福岡ソフトバンクホークス オフィシャルサイト (2020年11月22日). 2021年3月11日閲覧。
  23. ^ “ソフトバンク椎野200万減 ピンチでの投球課題に”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2020年12月8日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202012080000252.html 2021年3月11日閲覧。 
  24. ^ 2021年度 表彰選手 (ウエスタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2022年4月24日閲覧。
  25. ^ 【ソフトバンク】柳町達、三森大貴、椎野新が特例2022抹消 牧原大成、周東佑京ら陽性疑い - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年11月30日閲覧。
  26. ^ 1軍昇格の椎野新が“生まれ変わった出来事” 奮起を誓った2歳の息子の真っ直ぐな願い”. 鷹フル (2023年7月5日). 2023年11月30日閲覧。
  27. ^ 来季契約について”. 福岡ソフトバンクホークス. 2023年11月30日閲覧。
  28. ^ ソフトバンク・椎野「後悔なし」引退 来季から球団職員で「チームのために。新しい船出」”. スポニチ Sponichi Annex. 2023年11月30日閲覧。
  29. ^ “ソフトバンク 今季限りで引退の高橋純平氏が野球振興部スタッフに 椎野新氏は3軍打撃投手兼スタッフ”. スポーツニッポン. (2023年12月22日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2023/12/22/kiji/20231222s00001173661000c.html 2023年12月22日閲覧。 
  30. ^ 新入団スタッフについて”. 福岡ソフトバンクホークス. 2023年12月22日閲覧。
  31. ^ ソフトバンク椎野 昨年11月11日に結婚していた”. 日刊スポーツ (2021年1月20日). 2021年1月20日閲覧。
  32. ^ チーム情報 球場使用曲一覧”. 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト. 2021年3月10日閲覧。

関連項目

外部リンク