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トニカクカワイイ

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トニカクカワイイ
ジャンル 少年漫画ギャグ漫画ラブコメ
漫画:トニカクカワイイ
作者 畑健二郎
出版社 日本の旗小学館
掲載誌 週刊少年サンデー
レーベル 少年サンデーコミックス
発表号 2018年12号 -
巻数 既刊9巻(2020年1月17日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

トニカクカワイイ』(サブタイトル:FLY ME TO THE MOON)は、畑健二郎による日本漫画。スタッフからは『トニカワ』[1]と略されている。『週刊少年サンデー』(小学館)にて、2018年12号から連載中。単行本の発行部数は累計100万部を突破している[2]

恋愛を題材とした作品の多くが結ばれて終わりとなるのに対し、本作は恋愛成就をスタートにして、結婚してからの人生を2人で歩む、夫婦の愛情を描いている[3]点が特徴である。同じ作者による『ハヤテのごとく!』の登場人物と同一人物または酷似したキャラが時折登場している。

あらすじ

成績優秀な主人公・由崎星空ナサ(以下、ナサ)は、高校受験を控えた大雪の日に偶然道端で出会った少女・月読司一目惚れする。ナサが彼女に声をかけようと道路を横断した際、トラックに轢かれてしまう。司は自らを犠牲にしてナサを助け名前も告げずに去っていこうとするが、彼女のその姿にかぐや姫を連想したナサは、事故で満身創痍の状態であるにも関わらず司を追いかけ、そのまま告白をする。司が「結婚してくれるなら付き合う」と返すと、ナサは即答で承諾する。その直後、ナサは気を失ってしまう。

その後、病室で目を覚ましたナサはリハビリと勉強に打ち込み、退院後に一浪で高校にトップ合格する。しかし高校に行く気になれず入学を辞退し、いつかまた司に会えることを期待して接客や配達のバイトに明け暮れる。再会できぬまま18歳になったある日、約束通り結婚をするために司がナサのもとに現れる。謎は多いが、こうして夫婦になったナサと司は、日常を共に過ごすことで夫婦の愛情を深めていく。

登場人物

由崎 星空(ゆざき なさ)
本作の主人公。「星空」と書いて「ナサ」と読む名前へのコンプレックスから、NASA(アメリカ航空宇宙局)よりすごい人間になろうとして勉強に打ち込んできた努力家である。「NASAより早く光速になる男」が口癖。学力は周囲から認められているものの、それ以外の知識は絶望的なため「勉強はできる子なのになぁ」と残念がられることも多い。
司に一目惚れし、交通事故で大怪我を負いながらも司に交際を申し込む。その後、18歳なったある日司と再会し、「とにかく可愛い」との理由で即座に婚姻届を提出して、お互いのことをよく知らないまま正式に夫婦となる。司からは『だんな様』と呼ばれている。
性格はポジティブでコミュニケーション能力が高い。心の底から司のことが好きであり、司は宇宙一可愛いとの信念を持っている。また、司の服の匂いをこっそり嗅いだり、一緒に安いホテルへ泊まることを妄想し勃起したり、司の写真を大量に激写したりするなど年頃の男の子らしい一面もある。恋愛に対しては積極的ではあるが不慣れであり、司を抱きしめたりキスしたりして赤面している。
身長169.5cm(絶妙に170cmに届かない[4])。5月5日生まれのA型で星座は牡牛座。
頭は良いが人と感性がずれているところがある。貴重品類は貸金庫に、インターネットの重要データはiCloudに保存しているため『自宅が燃えても大丈夫』と豪語したほか、洗濯ネットを知らなかったり、栄養面とコストを考え毎日鍋だけを食べていたりとそのずれっぷりは相当である。
月読/由崎 司(つくよみ/ゆざき つかさ)
本作のヒロイン。ナサが交通事故にあうところを身を挺して助けるが、そのまま姿を消す。しかしナサとの「結婚する」という約束に従い、突然ナサの前に再び現れ、そのまま結婚して夫婦となる。旧姓は「月読(つくよみ)」であり、ナサと結婚し由崎となる。4月3日生まれの16歳で、ナサより2歳年下。婚姻届での父母の欄には、太郎・花子とあるが真偽は不明。
ナサ曰く『宇宙一可愛い僕のお嫁さん』であり、その発言を彼の親に言ったと明かされた際には困惑していた。ナサのことが大好きだが、いつ好きになったのかはナサには内緒にしている。最初はナサから「司さん」と呼ばれるが、夫婦での呼び方を決めるときに「司ちゃん」に変わった。夫婦の愛情表現については、ナサに求められれば照れつつも応える。
過去が不明で謎が多く、ミステリアスな雰囲気を持っている。奈良の実家に行った際にはまるで平安時代に生きたような言い方をしたり[5]、縁の所有する日本刀を扱えたり[6]織田信長徳川吉宗らに直接会っているかのような話し方をしている。
さらに、物語冒頭のトラックに衝突しても無事だったことや、「私の体は…病気も怪我もしないから…」と発言していること[7]、千歳に対して「お前と初めて会った時からずっと…私は16歳の、普通の小娘だぞ」とも言っていること[8]、事故から3年経過していても容姿・年齢が変化していないことも合わせて、不老不死を匂わせているが詳細は不明[9]。戦争で一人で彷徨っている月読時子の幼児時代に、16歳とみられる姿で出会っているらしいが、回想シーンなので真偽は不明[10]
一見するとクールな美少女だが、テレビ・映画・アニメ・ゲームが好きという意外な一面を持っており、テレビがない部屋に激しく動揺していた。映画は超人気作からB級作品に至るまでシリーズ作品すべてを見ているなどこだわっており、やりこんでいるゲームについてはかなりの腕前である。また、低反発の布団に興味を示したり、深夜のサービスエリアでテンションが上がるなど、好奇心旺盛でもある。
身長154.0cm(小柄[11])。4月3日生まれのO型で星座は牡羊座。
有栖川 要(ありすがわ かなめ)
ナサの中学時代の後輩であり、近所の銭湯草津温泉湯布院」の娘。活発で明るい妹。下ネタをよく口にする[12]
しっかり者であり、「結婚とは相手に真心を尽くさなくてはならない」等、年上のナサに大人びたアドバイスをする場面も多い。
ナサのことを『先輩』(31話からはセンパイ)と呼び、司のことは『つかっさん』と呼んでいる。
有栖川 綾(ありすがわ あや)
ナサの中学時代の同級生であり、近所の銭湯「草津温泉風湯布院」の娘。おっとりした美人の姉。ナサに好意を持っている。
極度のゲーマーで、司のことも最初はナサの嫁として相応しいか疑っていたが、ゲーム勝負でお互い認め合う。
余談だが彼女の親は彼女の失恋が羽毛布団並に軽く感じられるほどのヘビーな経験をしている。(旦那を若い女に寝取られた上に駆け落ちされたとのこと。)
鍵ノ寺 千歳(かぎのじ ちとせ)
司を「姉様」と呼んで慕う司の妹。ただし血がつながった妹ではなく、司はナサに「以前世話になった家の子」と紹介している。幼い時に司に命を助けられた描写がある。
司のことを慕うあまり、ナサと司の結婚を認めていない。
そのため司がナサと彼の両親に会いに奈良に行った際には反対を押して尾行し、ナサの恋人として彼をテストしたが、彼に『愛を証明するために結婚したんだ』と言われ、納得したのか東京に帰っていった。
シャーロット
鍵ノ寺家のメイド。ややポンコツ。イチジクが好き。
アウロラ
鍵ノ寺家のメイド。フォトショが得意。
月読時子
司の身元保証人。司とは戦争時代に出会っているらしい。ナサと司の婚姻届けの証人の一人で、当時81歳。住所は港区虎ノ門1-28で超一等地に住んでいる。
鍵ノ寺栞
ナサと司の婚姻届けの証人の一人で、当時44歳。9巻までの時点では本作未登場であるが、おそらく月読時子の娘で、千歳の母にあたると思われる。住所は港区南青山1-32とこちらも超一等地である。
トースト
星空と司が飼っている猫。
由崎 縁(ゆざき えにし)
ナサの父。考古学者であり、東京から考古学の本場の奈良に移住する。結婚の報告に訪れた際に司に対して手をつきながらナサの命を助けてくれたことについて謝意を述べるなど父親としては至って常識人。ナサのことも自分達には分不相応にできた息子であると思っている。
由崎 叶香(ゆざき かのか)
ナサの母。本場の鹿が見たいといって、縁とともに奈良に移住する。

書誌情報

  • 畑健二郎『トニカクカワイイ』 小学館〈少年サンデーコミックス〉、既刊9巻(2020年1月17日現在)
    1. 2018年5月18日発売、ISBN 978-4-09-128263-7
    2. 2018年8月17日発売、ISBN 978-4-09-128384-9
    3. 2018年10月18日発売、ISBN 978-4-09-128557-7
    4. 2019年1月18日発売、ISBN 978-4-09-128778-6
    5. 2019年3月18日発売、ISBN 978-4-09-129087-8
    6. 2019年6月18日発売、ISBN 978-4-09-129164-6
    7. 2019年8月16日発売、ISBN 978-4-09-129315-2
    8. 2019年10月18日発売、ISBN 978-4-09-129433-3
    9. 2020年1月17日発売、ISBN 978-4-09-129544-6

エピソード

  • 本作の連載に先立って、作者の畑健二郎はプライベートでの自身の結婚をTwitter上で公表した(結婚相手は声優の浅野真澄)。
  • 本作の第一話が掲載された週刊少年サンデー(2018年12号)では、作者の師匠である久米田康治による特別読み切り「新しい恥図」が掲載された。本作の新連載をネタにした短編漫画である。『UQ HOLDER!』が『UQ HOLDER! 〜魔法先生ネギま!2〜』に改題したのを踏まえ、本作『トニカクカワイイ』も将来的に『ハヤテ2 トニカクカワイイ』にタイトルが変更されるかもしれない、等『かってに改蔵』のキャラたちが本作をイジる内容となっている。
  • 週刊少年サンデー掲載時の柱のあらすじは、毎回本編とは全く関係のない、アニメや映画などのパロディストーリーが展開されており、登場人物紹介でキャラクター達が、感想を述べたりツッコミを入れたりする、という体裁になっている。

脚注

  1. ^ WEBサンデー|まんが家BACKSTAGE|畑 健二郎(Vol.443) 略称についての記載あり。|”. 2018年11月14日閲覧。
  2. ^ 単行本8巻の帯を参照。
  3. ^ WEBサンデー|まんが家BACKSTAGE|畑 健二郎(Vol.434) 本作の基本コンセプトの記載あり。”. 2018年11月14日閲覧。
  4. ^ WEBサンデー|まんが家BACKSTAGE|畑 健二郎(Vol.438) ナサの身長についての記載あり。”. 2018年11月14日閲覧。
  5. ^ 第30話
  6. ^ 第29話
  7. ^ 第88話
  8. ^ 第24話
  9. ^ ちなみに、二人が出会った事故の際にエピソードとして取り上げられている「竹取物語」は、平安時代の物語であり「不死の薬」も登場している。
  10. ^ 第92話
  11. ^ WEBサンデー|まんが家BACKSTAGE|畑 健二郎(Vol.438) 司の身長についての記載あり。”. 2018年11月14日閲覧。
  12. ^ WEBサンデー|まんが家BACKSTAGE|畑 健二郎(Vol.441) 要の設定についての記載あり。”. 2018年11月14日閲覧。

外部リンク