コンテンツにスキップ

港鉄バス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
MTRバスから転送)
エンバイロ・400バス

港鉄バス(こうてつバス、エムティーアールバス、旧称:九広バス、英語 MTR Bus、繁体字中国語 港鐵巴士広東語 Gong2tit3 Baa1si2)は、香港郊外の新界西北部に位置する屯門~元朗間を走る港鉄(MTR)の路線バス。屯馬線軽鉄を結ぶ。

港鉄連絡バス(こうてつれんらくバス、エムティーアールせつぞくバス、旧称:九広バス、英語 MTR Feeder Bus、繁体字中国語 港鐵接駁巴士、広東語 Gong2tit3 Zip3bok3 Baa1si2)は、香港郊外の新界東部に位置する大埔と東鉄線を結ぶ港鉄(MTR)の路線バス。

概要

[編集]

電車の利用客の増加を図り、東鉄線の連絡を皮切り、1985年9月9日より九広バスの運営が開始され、東鉄線の駅までの連絡バスを無料で提供し始め、東鉄連絡バスということである。

一方、1988年ライトレールの開業に伴い、ライトレールに覆われない区内の場所は連絡路線バスが提供しはじめた。

港鉄連絡バス

[編集]

港鉄連絡バスの前身東鉄連絡バスは1985年9月9日より運営が開始されていた。2007年12月に東鉄連絡バスはMTRCとKCRCの合併に伴い、名前は港鉄連絡バスへ変更されている。

港鉄連絡バスは、東鉄線と連絡されている。平日(祝日ではない土曜日を含む)で東鉄線に乗れば、オクトパスでバスの運賃を支払う場合は無料となる。なお、東鉄線の電車に乗車しない場合もしくは現金で支払う場合にはバスの運賃が無料とならない。なお、日曜日および祝日ではいずれも無料とならない。

全ての港鉄連絡バスは九龍バスの名義として運営されているものの、バスの車両、バス停留場の設備やスタッフなどは全くMTRCが所有するものである。

路線

[編集]
路線 始発/終点 指定港鉄乗換駅 付注 運賃(香港ドル)
(子供/シルバー)
K12 大埔八号花園 大埔墟駅 大埔墟駅 大埔墟駅:毎日0613~2200
八号花園:毎日0600~2205
日祝は無料乗車対象外
$4.3($2.1)
K14 大埔中心 大埔中心:平日(土曜日含む)0700~1000
日祝運休
K17 富善 日祝運休
K18 廣福

過去の運行系統

[編集]

港鉄バス

[編集]

1988年ライトレールの開業に伴い、ライトレールの利益を保障のため、運営者のKCR社(現在のMTR社)がライトレールが走行する屯門区および元朗区の区内独占運営権を得ており、当時のKCRCしか屯門区および元朗区で区内路線バスを運営できない。九龍バスの区内で運営されている路線バスも撤去しなければならなかった。ライトレールに覆われない区内の場所は連絡路線バスが提供され、それは九広バスということである。

2003年12月に西鉄線(現・屯馬線)の開業に伴い、全ての港鉄バス路線が再編され、港鉄バスはライトレールと連絡だけではなく、西鉄線との連絡も行われている。

MTRCとKCRCが合併に伴い、名前は港鉄バスへ変更されている。

現在、港鉄バスは、屯馬線および軽鉄と連絡されている。屯馬線、軽鉄および指定される港鉄バス系統に乗れば、オクトパスでバスの運賃を支払う場合は無料となる。なお、屯馬線、軽鉄および指定される港鉄バス系統に乗車しない場合もしくは現金で支払う場合にはバスの運賃が無料にならない。

現在、15本の系統は、屯門、元朗、天水囲で運営されている。

運行系統

[編集]
系統 始発 終着 港鉄
指定換乗駅
軽鉄
建議換乗駅
付注 運賃(香港ドル)
(子供/シルバー)
506 屯門碼頭 兆麟苑 屯門駅 蝴蝶駅
建安駅
屯門駅
軽鉄線代行パス、
経由地は港鉄屯門駅と屯門市中心。
$4.9($2.1)
K51 富泰 大欖 兆康駅
屯門駅
鳳地駅
市中心駅
三聖駅
経由地は港鉄屯門駅と兆康駅。
西鉄線開通の前は系統521(井財街-大欖)
K51A 掃管笏 兆康駅
屯門駅
鳳地駅
市中心駅
運行は、7時~20時
K52 屯門駅 龍鼓灘 屯門駅 市中心駅
三聖駅
屯門碼頭駅
蝴蝶駅
西鉄線開通の前は系統A52(屯門市中心-龍鼓灘)、
系統520(屯門碼頭-龍鼓灘)
K52A 龍鼓灘 , 曾咀 屯門碼頭駅
龍門駅
運賃:屯門駅>龍鼓灘 4.9(2.1),屯門駅>曾咀 9.8(4.9)
K53 屯門駅 掃管笏 市中心駅
三聖駅
市中心駅
三聖駅
循環線
K54 和田邨 屯門市中心 兆康駅
市中心駅
循環線
K58 富泰 青山湾 兆康駅
屯門駅
屯門駅
市中心駅
運行は月曜日から土曜日まで、6時~9時、15時~19時。
元はA59線(宝田-青山湾)
K65 元朗駅 流浮山 天水囲駅
元朗駅
坑尾村駅
屏山駅
水邊圍駅
大棠道駅
西鉄線開通の前は系統655(元朗東-流浮山)
K65A 天水囲駅 流浮山 天水囲駅
運行は月曜日から金曜日まで、6時55分~9時、17時~19時30分。
K66 大棠 朗屏 朗屏駅 大棠道駅
豐年路駅
西鉄線開通の前は系統656(大棠-元朗工業邨)
K66A 大棠山道 朗屏 大棠道駅
豐年路駅
特快
K66S 大棠山道 朗屏
K68 元朗工業邨 元朗公園 豐年路駅
K73 天恆 元朗西 豐年路駅 西鉄線開通前は系統A74(天恆-元朗)
K74 天瑞 凹頭 元朗駅
朗屏駅
循環線、
運行は月曜日から土曜日の6時15分~9時、15時~19時。
K75A 天水囲駅 循環線 天水囲駅 天水囲駅
K75P 天瑞 洪水橋駅
天耀駅
天水囲駅 天水囲駅 循環線
K75S 天水囲駅 洪福邨 天水囲駅 天水囲駅 循環線、
運行は月曜日から金曜日の7時~9時、17時30分~20時。
K76 天恆 天水圍駅 天水囲駅 天影路経由で、特快
K76S 濕地公園路 天水圍駅 天水囲駅 天水囲駅 天影路経由で、特快
運行は月曜日から金曜日の7時~9時35分(濕地公園路>天水圍駅)、17時30分~19時30分(天水圍駅>濕地公園路)。

過去の運行系統

[編集]

車両

[編集]

ヨーロッパ製のバスを中心に11台しか全て2階建てのバスが運行されている。かつて日本製のバスも導入されていた。

九広鉄道公司からの賃借車

[編集]

2020年5月6日現在、所有権を持つ九広鉄路公司から香港鉄路有限公司が164台のバスを借り入れており、全車冷房車である。そのうち、乗降口がノンステップバスである割合は100%を占めている。

  • ノンステップ2階建てバス:153台
  • ノンステップバス(平屋):11台

現在の車両

[編集]
メーカ モデル バス番号 在籍台数 在籍期間 車体 定員 エンジン 変速機 走行のエリア 付注
アレクサンダー・デニス エンバイロ・500(長さ12メートル) 801-824 24 2008年/2009年~ 車台車体一体化 U53/L27+S44 カミンズ・ISLe340B(ユーロ・4) フォイト・DIWA864.5D4 港鉄連絡バス(803-824)/港鉄バス(801-802) 801、802はとりあえず港鉄バスで運営し、2011年に港鉄バス塗装に更新された。815~824は最初よりMTR塗装がある。
エンバイロ・500(長さ11.3メートル) 825-833 9 2012年~ 車台車体一体化 U51/L25+S44 カミンズ・ ISL8.9 E5 340B(ユーロ・5) ZF・6HP604C 港鉄バス 828は2014年間、一時港鉄連絡バスから港鉄バスまで貸している。
エンバイロ・200ダンド(長さ11.3メートル) 901-911 11 2008年~ 車台車体一体化 L27+S50 カミンズ・ISBe4+225B(ユーロ・4) フォイト・DIWA 854.5 902は2009年MTR塗装に更新され、905は2010年にMTR塗装に更新され、903は2011年にMTR塗装に更新された。901は2011年MTR塗装に更新された。
エンバイロ・400(長さ10.6メートル) 140~150 11 2012年~ 車台車体一体化 U47/L23+S20 カミンズ・ ISL8.9 E5 320B(ユーロ・5) ZF・エコライフ・6AP1203B8
エンバイロ・500 MMC(長さ11.3メートル) 504-542、544-545 41 2013年8月~ 車台車体一体化 U51/L25+S44 カミンズ・ ISL8.9 E5 340B(ユーロ・5) ZF・6HP604C 510-537は增備車
ボルボ B9TL(長さ11.3メートル) 319-386 68 2016年1月~ 車台車体一体化 U55/L25+S46 Volvo D9B-310(ユーロ・5) Voith DIWA 864.5 港鉄バス

過去の車両

[編集]
メーカ モデル バス番号 在籍期間 車体 定員 エンジン 変速機 運用エリア 付注
MCW メトロバス(長さ9.7メートル) 101~139 1987年~2005年10月 MCW・アポロ・MkII U58/L34+S17 ガードナー・6LXB フォイト・DIWA851.2 九広バス/東鉄連絡バス 非冷房車
メトロバス(長さ9.7メートル) 140~159 1988年~1995年11月 MCW・アポロ・MkI U47/L30+S26 ガードナー・6LXB フォイト・DIWA851 九広バス 非冷房車、イギリスにあるサウス・ヨークシャー・PTE社(South Yorkshire PTE)から1988年に購入された中古車。
トヨタ コースター・HB30 160~171 1988年~1997年 アラコ L24+S0 トヨタ・2H トヨタの手動変速機 九広バス
レイランド オリンピアン(長さ11メートル) 201~224 1990年7月~2009年8月 アレクサンダー・タイプRH U64/L40+S32 カミンズ・LT10~B245 ZF 4HP500 港鉄連絡バス 224が引退されてからバスファンに購入された。
三菱ふそう MK 301~311 1991年11月~2009年3月 車台車体一体化 L25+S26 三菱・6D16-OA アリソン・AT545 港鉄バス 老朽化のトヨタ・コースターの置き換え用として購入された。
BM117L 312~317 1992年~2000年 アジア車体、捷聯車体 L57+S0(312~314)
L56+S0(315~317)
三菱・6D16-OA 三菱の手動変速機 九広バス
MP618 318 1994年~1995年 車台車体一体化 L45+S28 三菱・6D22-OA アリソン・MTB647 九広バス 試作車の期間は一年間、それから供給商に返された。
ボルボ B10M 401~415 1995年7月~2012年12月 ノーザン・Counties・パラディン(Paladin) L40+S48 ボルボ・THD102KF(ユーロ・1) ZF・4HP500 港鉄バス
オリンピアン 225-239 1997年/1998年~2015年 ノーザン・Counties U53/L39+S28 ボルボ・D10A-245(ユーロ・2) フォイト・DIWA863.3 港鉄バス 226は2009年に港鉄バス塗装に更新され、225、227~230、232~237は2010年、238~239は2011年に更新
デニス ダンド(長さ10メートル) 501~503 1995年9月~2012年10月 ノーザン・Counties L43+S18 カミンズ・6BT5.9(ユーロ・1) アリソン・AT545
デニス トライデント・3(長さ11.3メートル) 601-622 2000年~2017年12月 アレクサンダー・ALX500 U53/L30+S37 カミンズ・M11-305E21(ユーロ・2) フォイト・DIWA864.3 606は2009年に港鉄バス塗装に更新され、601~605、607、609~610、612~613、616-617、621~622は2010年に更新。601、608は2011年に港鉄バス塗装に更新された。
トライデント・3(長さ10.6メートル) 701-747 2004年~2016年12月 アレクサンダー・ALX500 U51/L27+S34 カミンズ・M11-305E21(ユーロ・2) フォイト・DIWA863.3 新世界第一バスから購入の中古車、元登録年は1999年。713~718、741~742、745は2009年8~10月の間、一時港鉄連絡バスから港鉄バスまで貸している。
743は2009年に港鉄バス塗装に更新され、701~704、706~707、710~712、716~717、720~726、728~734、736、738~742、744、746は2010年に港鉄バス塗装に更新された。732は2011年に港鉄バス塗装に更新された。748~753は2011年に港鉄バス塗装に更新された。
トライデント・3(長さ11.3メートル) 748-753 2005年~2016年8月 アレクサンダー・ALX500 U53/L30+S35 カミンズ・M11-305E21(ユーロ・2) フォイト・DIWA863.3
アレクサンダー・デニス エンバイロ・500 MMC(長さ11.3メートル) 543 2018年~2020年 車台車体一体化 U51/L25+S44 カミンズ・ ISL8.9 E5 340B(ユーロ・5) ZF・6HP604C 2020年5月燃やされて引退した

脚注

[編集]

外部リンク

[編集]