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ベター・レイト・ザン・ネヴァー〜真世界への旅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ベター・レイト・ザン・ネヴァー〜真世界への旅』
アンダーソンポンティ・バンドライブ・アルバム
リリース
録音 2014年9月 コロラド州アスペン ホイーラー・オペラ・ハウス
オーバー・ダビング:トーンキャスター・スタジオ(バロン・ブラウンのボーカル)、ズー・スタジオ(ジェイミー・グレイザーのギターおよびボーカル)、レイザーエッジ・スタジオ(レイモンド・グリフィンのドラムス)、ハッピー・バード・スタジオ(ウォーリー・ミンコのピアノおよびシンセサイザー)[1]
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル アメリカ合衆国の旗Liaison Music
欧州連合の旗earMUSIC
日本の旗キングレコード
プロデュース ジョン・アンダーソン、ジャン=リュック・ポンティ
チャート最高順位
  • 163位(日本[2]
ジョン・アンダーソン アルバム 年表
ザ・リヴィング・トゥリー・イン・コンサート パート1(with リック・ウェイクマン
(2012年)
ベター・レイト・ザン・ネヴァー〜真世界への旅
(2015年)
インヴェンション・オヴ・ナレッジ(with ロイネ・ストルト
(2016年)
ジャン=リュック・ポンティ 年表
The Atacama Experience
(2007年)
ベター・レイト・ザン・ネヴァー〜真世界への旅
(2015年)
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ベター・レイト・ザン・ネヴァー〜真世界への旅』(原題:Better Late Than Never)は、ジョン・アンダーソンジャン=リュック・ポンティを中心とした「アンダーソン=ポンティ・バンド」が2015年に発表したライブ・アルバム

背景

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アンダーソンとポンティは、1974年にイエス(アンダーソンの所属バンド)とマハヴィシュヌ・オーケストラ(ポンティの所属バンド)がテキサスで共演した際に知り合い、1980年代にロサンゼルスで再会した際、アンダーソンは自分がポンティの音楽に敬意を持っており、いつか共演したいと提案したという[3]。そしてアンダーソンは、ポンティが過去に発表した曲「Renaissance」と「Rhythms of Hope」に歌詞とボーカル・メロディを加え、そのMP3ファイルをポンティに送ったことがきっかけで、正式なバンド結成に至った[3]

当初はジョーダン・ルーデスドリーム・シアター)がキーボーディストとして打診されていたが、ルーデスが多忙なため、最終的には1980年代末期から1990年代初頭にかけてポンティのツアーに参加したウォーリー・ミンコが正式キーボーディストとなった[3]。また、本作の元になったアスペン公演では、アンダーソンとの共演経験があるジェイミー・ダンラップがギターを担当したが[3]、ダンラップは本作のボーナスDVDの映像に映っているものの、ギター・パートのオーディオ・トラックはCD、DVDともにジェイミー・グレイザーの演奏に差し替えられた[1]

「時間と言葉」はイエスの曲のリメイクで、アンダーソンのソロ・ライブと同様、レゲエ・アレンジで演奏された[4]

本作のCD本編では、大部分の曲で観客の拍手がカットされており、ポンティは「レコードレーベルがラジオでかけるためにスタジオ・アルバム的なスタイルを求めたから、そういうミックスにした。ヨーロッパではライブ・アルバムをラジオでかけることも好まれているから、アメリカ的な手法だね」とコメントしている[3]

反響・評価

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キングレコードから発売された日本盤CDは、2015年11月2日付のオリコンチャートで163位を記録した[2]平野和祥は『YOUNG GUITAR』誌のレビューにおいて「全体的にはイエス的コーラスを多用したプログレ・ポップ作」「ポンティはクラシック奏法寄りの演奏で柔和なメロディーメイカー役に徹しているが、ラストには彼が'70年代に生んだ疾走ハード・フュージョン名曲の改作カヴァーも」と評している[5]

収録曲

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特記なき楽曲はジョン・アンダーソンとジャン=リュック・ポンティの共作。

  1. イントロダクション - "Intro" (Wally Minko) - 1:17
  2. 希望へのリズム - "One in the Rhythm of Hope" - 4:34
    • ポンティのアルバム『ミスティカル・アドヴェンチャーズ』(1982年)収録曲「Rhythms of Hope」の改作[3]
  3. 静寂のアリア - "A for Aria" (Jon Anderson, Enrico Tomat) - 3:22
    • 新曲。
  4. ロンリー・ハート - "Owner of a Lonely Heart" (J. Anderson, Trevor Rabin, Chris Squire, Trevor Horn) - 5:04
  5. 抒情の時 - "Listening with Me" - 5:39
    • ポンティのアルバム『A Taste for Passion』(1979年)収録曲「Stay with Me」の改作[3]
  6. 時間と言葉 - "Time and a Word" (J. Anderson, David Foster) - 5:30
  7. 永遠のミラージュ - "Infinite Mirage" - 3:48
    • ポンティのアルバム『秘なる海』(1977年)収録曲「Mirage」の改作[3]
  8. ソウル・エターナル - "Soul Eternal" - 4:58
    • 新曲。
  9. 不思議なお話を - "Wonderous Stories" (J. Anderson) - 4:01
    • イエスのアルバム『究極』(1977年)収録曲。
  10. 同志 - "And You and I" (J. Anderson, Bill Bruford, Steve Howe, C. Squire) - 3:00
    • イエスのアルバム『危機』(1972年)収録曲。
  11. 太陽への回帰 - "Renaissance of the Sun" - 6:36
    • ポンティのアルバム『極光』(1976年)収録曲「Renaissance」の改作[3]
  12. ラウンドアバウト - "Roundabout" (J. Anderson, S. Howe) - 5:27
  13. 愛の使者 - "I See You Messenger" (J. Anderson, Damon Anderson, Sean Anderson) - 3:50
    • 新曲。
  14. 真世界 - "New New World" (J. Anderson, Jamie Dunlap) - 3:46
    • アンダーソンのソロ・アルバム『Survival & Other Stories』(2011年)収録曲。

日本盤ボーナス・トラック

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  1. 記憶分子 - "Re-Rembering Molecules" - 5:44

ボーナスDVD

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  1. イントロダクション - "Intro"
  2. 希望へのリズム - "One in the Rhythm of Hope"
  3. 静寂のアリア - "A for Aria"
  4. ロンリー・ハート - "Owner of a Lonely Heart"
  5. 抒情の時 - "Listening with Me"
  6. 時間と言葉 - "Time and a Word"
  7. 永遠のミラージュ - "Infinite Mirage"
  8. ソウル・エターナル - "Soul Eternal"
  9. 不思議なお話を - "Wonderous Stories"
  10. 太陽への回帰 - "Renaissance of the Sun"
  11. ラウンドアバウト - "Roundabout"

参加ミュージシャン

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アディショナル・ミュージシャン

  • ジェイミー・ダンラップ - ギター(DVDの映像のみ)

脚注

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  1. ^ a b CD英文ブックレット内クレジット
  2. ^ a b ベター・レイト・ザン・ネヴァー〜真世界への旅 - アンダーソン=ポンティ・バンド”. オリコン. 2020年1月16日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i Galloway, A. Scott. “Jazz Violin Master Jean-Luc Ponty Teams With Rock Vocal Guru Jon Anderson For Visionary World Unifying Epic "Better Late Than Never"”. TheUrbanMusicScene.com. The Jordan Music Group. 2020年1月16日閲覧。
  4. ^ Mettler, Mike (2015年11月11日). “Jon Anderson and Jean-Luc Ponty: Owners of a Lovely Spark”. Sound & Vision. 2020年1月16日閲覧。
  5. ^ 平野和祥 (2015年11月10日). “BETTER LATE THAN NEVER/ANDERSON PONTY BAND レビュー”. YOUNG GUITAR. シンコーミュージック・エンタテイメント. 2020年1月16日閲覧。
  6. ^ 山崎智之 (2015年11月9日). “【インタビュー】ジャン=リュック・ポンティ/マハヴィシュヌ・オーケストラ、フランク・ザッパ、そしてアンダーソン・ポンティ・バンドを語る”. ヤマハ. 2020年1月16日閲覧。

外部リンク

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