塙泉嶺
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塙 泉嶺(はなわ せんれい、1876年(明治9年) - 没年不詳)は、茨城県の民間出身[注 1][1]の郷土史編纂主任[2]、新聞社(宗教新聞社・政教新聞社)の主幹・社長[注 2]。1922年(大正11年)から1928年(昭和3年)にかけて、宗教新聞社・政教新聞社発行による塙 泉嶺の郷土史は、東茨城郡・西茨城郡・那珂郡・久慈郡・多賀郡・真壁郡・新治郡・稲敷郡・筑波郡・行方郡・鹿島郡の11郡に及んでいる[3]。
来歴・人物
[編集]塙 泉嶺は、茨城県東茨城郡渡里村(現在の水戸市渡里町)の旧跡、一盛長者(一守長者)[4][5][6]の里に住んでいた[7][注 2]。塙氏は地方の名族であった[7]。宗教学を志し、東京に苦学すること数年、神田三崎町の大成中学校、早稲田大学文学科を卒業後、転向し仏大学に入学し[注 2]、真俗二諦の教理を修め海外に雄飛すること数年を経て帰国した[7]。帰国後の思想界の紊乱を憂い、1916年(大正5年)6月宗教新聞を起し、十数年間苦節を守り継続した[7][注 2]。東茨城郡渡里村議員に就任し、地方自治の開発と精神作興の方面に活躍した[7]。彼は現今思想に鑑み、常陸の郷土史を世に紹介しようとその編纂に従事し尽力した[7]。1926年(大正15年)1月1日帝国在郷軍人会長、川村景明閣下より謝状を授与され、また同年8月20日総裁宮殿下より在郷軍人分会顧問に嘱託された[7]。
編著・著書
[編集]- 東茨城郡郷土史(附・名誉鑑), 宗教新聞社, 1922(大正11).7, 茨城県立図書館
- 那珂郡郷土史, 宗教新聞社, 1923(大正12).9, 茨城県立図書館, (国立国会図書館デジタルコレクションにてWeb閲覧可能, ただし、梅園三 編となっている。)
- 久慈郡郷土史(附・名誉鑑), 宗教新聞社, 1924(大正13).5, 茨城県立図書館
- 真壁郡郷土史(附・名誉鑑), 宗教新聞社, 1924(大正13).12, 茨城県立図書館
- 多賀郡郷土史(附・名誉鑑), 宗教新聞社, 1925(大正14).7, 茨城県立図書館
- 新治郡郷土史(附・名誉鑑), 宗教新聞社, 1925(大正14).11, 茨城県立図書館, (国立国会図書館デジタルコレクションにてWeb閲覧可能)
- 筑波郡郷土史(附・名誉鑑), 宗教新聞社, 1926(大正15).7, 茨城県立図書館
- 稲敷郡郷土史(附・名誉鑑), 宗教新聞社, 1926(大正15).11, 茨城県立図書館, (国立国会図書館デジタルコレクションにてWeb閲覧可能)
- 行方郡郷土史(附・名誉鑑), 政教新聞社, 1927(昭和2).6, 茨城県立図書館
- 鹿島郡郷土史(附・名誉鑑), 政教新聞社, 1927(昭和2).9, 茨城県立図書館
- 西茨城郡郷土史(附・名誉鑑), 政教新聞社, 1928(昭和3).6, 茨城県立図書館
- 御門蹟歴代御肖像大谷派, 1917(大正6), (国立国会図書館デジタルコレクションにてWeb閲覧可能)
- 見真大師関東御旧跡明覧, 仲村安造・塙泉嶺, 1911(明治44).9, (国立国会図書館デジタルコレクションにてWeb閲覧可能)
復刊
[編集]- 武術名家伝, 茨城県立図書館(製作), 1978(昭和53)
- 鹿島郡郷土史, 賢美閣, 1979(昭和54).8, 茨城県立図書館
- 筑波郡郷土史, 賢美閣, 1979(昭和54).12, 茨城県立図書館
- 西茨城郡郷土史, 賢美閣, 1979(昭和54).11, 茨城県立図書館
- 真壁郡郷土史, 賢美閣, 1979(昭和54).12, 茨城県立図書館
- 稲敷郡郷土史, 賢美閣, 1980(昭和55).2, 茨城県立図書館
- 那珂郡郷土史, 賢美閣, 1980(昭和55).2, 茨城県立図書館
- 多賀郡郷土史, 賢美閣, 1980(昭和55).12, 茨城県立図書館
- 東茨城郡郷土史, 賢美閣, 1981(昭和56).2, 茨城県立図書館
参考文献
[編集]- 角川日本地名大辞典『角川日本地名大辞典, 第8巻』角川日本地名大辞典編纂委員会、角川書店、1983年、1617頁。ISBN 4-040-01080-9。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “郷土史誌の片鱗”. 国分剛二. 2020年7月23日閲覧。
- ^ “著作者情報 公開調査”. 国立国会図書館. 2020年7月23日閲覧。
- ^ 角川日本地名大辞典 1983, p. 45.
- ^ “一盛長者(茨城の民話Webアーカイブ)”. 2020年7月23日閲覧。
- ^ “ふるさとの昔ばなしシリーズ(水戸市)_義家に滅ぼされた一盛長者”. 茨城いすゞ自動車株式会社. 2020年7月23日閲覧。
- ^ 水戸納豆の歴史に、水戸市渡里町の一盛長者の屋敷の話が登場する。
- ^ a b c d e f g 『稲敷郡郷土史(附・名誉鑑)』, p. 279–280, 国立国会図書館デジタルコレクション