2011 年 100 巻 1 号 p. 50-57
原因不明消化管出血(OGIB)は,原因検索追求の程度・再発性の有無により多種の消化管病変を含む.本邦では上下部消化管内視鏡を施行して原因が不明な消化管出血をここに含むことができるが,出血源が上下部内視鏡で検索が困難な小腸に存在するとは限らない.小腸内視鏡の進歩により50%近いOGIBの出血源を発見・診断・治療可能になった.同時に非ステロイド性抗炎症薬服用OGIB患者の出血源が高率に小腸潰瘍性病変であることが明らかとなり対策が求められている.