1991 年 13 巻 4 号 p. 279-283
1986年11月から1989年10月までに, 当科において手術時に摘出した移行上皮癌23腫瘍について, subrenal capsule assay (SRCA) による抗癌剤感受性試験を施行した. 移行上皮癌に対する各種抗癌剤の感受性は, 臨床的に示されている有効率と大差なく, 個々の症例においてもSRCAの結果と臨床効果とはある程度相関を示した. この方法は移植腫瘍の拒絶反応の問題や, 判定法の問題など改良の余地はあるものの, 特別な施設でなくとも施行可能であり, 抗癌剤選択の一助と成り得ると考えられた.