『敦盛』(あつもり)は、『平家物語』などに取材した能の作品。成立は室町時代。作者は世阿弥。複式夢幻能で、修羅能(二番目物)の一つ。 『平家物語』巻9「敦盛最期の事」や『源平盛衰記』巻38「平家公達最後并頸掛一谷事」に取材し、一ノ谷の戦いで落命した若武者平敦盛と、これを討ち取った熊谷次郎直実(出家して蓮生法師)とが再会し、「法(のり)の友」であることを認め合う喜びを描く、優雅な演目である。