湖東焼'(ことうやき)は、江戸時代後期に日本の彦根藩で始まった陶芸および、それによって生産される陶磁器である。湖東とは、彦根藩が所在した琵琶湖東岸を指す広域地名である。 青磁、赤絵や赤絵金彩、色絵などで絵付けした磁器が多く、大坂を経由して江戸など全国へ販売された。 1829年(文政12年)に彦根藩本領(現・滋賀県彦根市域)で生産され始め、1842年(天保13年)に藩営化された。藩主井伊掃部頭家の許で発展したが、奨励・保護した井伊直弼が幕府大老在任中に暗殺(桜田門外の変)されると職人が離散して一気に衰退し、明治時代に途絶した。その後、1986年(昭和61年)に復興事業が立ち上げられている。