東京都知事選挙 小池百合子氏が3選

【2024年7月8日】

小池百合子氏（左。2016年の都知事選遊説時撮影）

任期満了に伴う東京都知事選挙が7月7日に投開票され、現職の小池百合子氏が3選を果たした。

今回の選挙は、小池氏の2期・8年間の都政運営に対する評価や、少子化対策などを争点に、歴代最多となる56人が立候補し、自民・公明党の支援を受けた小池氏と、共産・立憲民主党などが推薦した蓮舫氏と、主たる政党の支援を受けなかった前安芸高田市長の石丸伸二氏が実質的に争う展開だった。

しかし、小池氏の所得制限の撤廃による高校授業料の実質無償化や、卵子凍結に対する助成の推進や、新たに具体的な施策として。「無痛分娩への助成」「保育無償化を第1子まで拡大」を推進したことが評価された。

小池氏は選挙公約を3回目の出馬に際して改訂版として策定した「東京大改革3.0」を基に「物価高や円安が進む中、都民の命と暮らしを守る。災害への対応も誠心誠意進めていく」「（少子化対策は）子育てと教育にお金がかからない東京を目指す」と力説。

政党との関係についても、「1期目から政党の推薦はなく、都民の推薦で戦ってきた。これからも、誰にとっても暮らしやすい東京を目指す」としている。

蓮舫氏「精一杯やった」 石丸氏「国政も視野に」

一方の蓮舫氏は敗戦が確定すると「本当に温かい言葉と応援をいただき、楽しい戦いだった。私の力不足、非常に申し訳ない」と無念さを表明したうえで、「やれるだけのことはやった。一回一回の演説に渾身（こんしん）の思いを込めた」と選挙戦への思いを語った。

また全体で2位票を集めて次点となった石丸氏は、「胸を張って、できることは全部やったと言い切れる」と支持者から拍手が送られ、その上で結果について「都民の総意が表れた。それだけだ。私から何も申し上げることはない」とした。

石丸氏は今後への展望について、「まだ決めていない。（国政は）選択肢としては当然考える。例えば（衆院）広島1区。岸田首相の選挙区だ」と国会参戦も視野に入れた発言を行った。

今回の選挙戦はいかがなるものか

今選挙の投票率は60.62%で、前回・2020年7月の選挙時の55%ちょうどを5.62ポイント上回る結果となった。今回の選挙戦は小池氏の対抗馬としてこの石丸、蓮舫両氏らの出馬の他、立候補者数が56人と過去最多となり、ポスターや政見放送の物議を醸しだしたことも要因だとされている。

掲示された規格外ポスターが破られた後の掲示板

今選挙に絡んだ逮捕者は8人（7月7日20時（UTC+9）現在）と前回より7人も増え、そのうちの4人はポスターを無断ではがしたり、落書きをした公職選挙法違反容疑、残り4人もポスターを破るなどの器物損壊や暴行などである。

また公選法違反による警告も、同時期に開催された都議会の補欠選挙等を含め22件あり、そのうちの13件は、ほぼ全裸の女性をモデルにしたポスターや、風俗店紹介など選挙とは関係のない規格外のポスターを掲示した「文書掲示違反」によるもので、前述2件は東京都迷惑防止条例と、風俗営業法違反容疑による警告だった。

参考資料

• 東京新聞TOKYO web 『【全員掲載】東京都知事選　各候補の確定得票数』 — 中日新聞東京本社, 2024年7月8日 9時27分