カペッリーニ
カペッリーニ(イタリア語: capellini)は、パスタの一種。円形の断面をもつ細長いパスタ(ロングパスタ)のうち、非常に細い種類のものを指す。日本では「カッペリーニ」という表記も用いられる(#日本における表記と発音参照)。
特徴
[編集]「カペッリーニ」の名は、その細さを「髪の毛」(capelli)に喩えたところから来ている。ジェノヴァ、ヴァッレ・ラティーナ地方(フロジノーネ県)、ナポリ周辺に発祥するという[1]。
長い紐状のパスタ(麺)の姿はスパゲッティと同様であるが非常に細く、日本の素麺(直径 1.3 mm 未満)並みである。パスタの製造元によって規格は異なるが、ロングパスタの中で最も細い製品がしばしばこの名で呼ばれる。
ブイトーニ社は、直径 1.3 mm のものをカペッリーニとしており、スパゲッティーニ(1.6 mm)よりも細い区分である[2]。
バリラ社では、直径 1.15 mm のものをカペッリーニとしており[3]、フェデリーニ(1.4 mm)よりも細い。
ディ・チェコ社は直径 0.9 mm [4](英語版サイトによれば、0.85 mm から 0.92 mm の間)[1]としており、スパゲッティーニ(1.6 mm - 1.7 mm)・フェデリーニ(1.4 mm - 1.5 mm)よりも細いパスタの規格である。
料理
[編集]その細さのために非常に火が通りやすく、茹で時間は2分前後と短い。茹ですぎると簡単にドロドロになるので注意が必要である。
オイルパスタ(茹でたあとに再びオイルと炒めるパスタ)の要領で炒めると、ちぎれてベトベトになってしまう。このため、日本では冷製パスタに利用されることが多い。
カペッリ・ダンジェロ
[編集]カペッリーニの別名として、「天使の髪の毛」を意味するカペッリ・ダンジェロ(capelli d'angelo)があり[5]、英語名でエンジェルヘア・パスタ(angel hair pasta)とも呼ばれる。製造元によっては「カペッリ・ダンジェロ」をカペッリーニよりも細いパスタを指す呼称としている。
たとえば、ディ・チェコ社では、カペッリーニとカペッリ・ダンジェロを別の製品としており、カペッリ・ダンジェロの直径は、0.78 mm から 0.88 mm の間である[6]。
日本における表記と発音
[編集]日本では、パスタ販売元も含めて「カッペリーニ」という表記が用いられているが[3][4]、イタリア語の capellini の綴りと発音 [kapelˈliːni] に照らせば正確な転記とは言えない{[要出典]。
「カッペリーニ」と転記され得るイタリア語の単語には、cappellini(ボンネット)や capperini(小さいケイパー)がある。cappellini という名のパスタがあるが(より正確な転記はカッペッリーニ[要出典])、これは小さい帽子型のパスタである。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “Capellini - 9” (英語). De Cecco. 2012年7月8日閲覧。
- ^ “「Buitoniドライパスタ」市販向け商品の販売開始について”. 鈴与. 2012年7月15日閲覧。
- ^ a b “バリラ カッペリーニNo.1(1.15mm) 500g”. 日本製粉. 2012年7月15日閲覧。
- ^ a b “No.9 カッペリーニ”. ディ・チェコ. 2012年7月8日閲覧。
- ^ “バリラ製品のご紹介”. 日本製粉. 2012年7月15日閲覧。
- ^ “Capelli d'angelo - 209” (英語). De Cecco. 2012年7月8日閲覧。
関連項目
[編集]- ヴェルミチェッリ - おおむね、スパゲッティより細いパスタを指す。各種極細麺に関する記載あり。