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ソリガメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ソリガメ
ソリガメ
ソリガメ Chersina angulata
保全状況評価
ワシントン条約附属書II類
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Cryptodira
上科 : リクガメ上科 Testudinoidea
: リクガメ科 Testudinidae
亜科 : リクガメ亜科 Testudininae
: ソリガメ属 Chersina
Gray, 1831
: ソリガメ C. angulata
学名
Chersina angulata
(Schweigger, 1812)
シノニム

Testudo angulata
Schweigger, 1812

和名
ソリガメ
英名
Angulated turtoise
Bowsprit tortoise

ソリガメ(橇亀、学名Chersina angulata)は、リクガメ科ソリガメ属に分類されるカメ。本種のみでソリガメ属を形成する。

分布

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南アフリカ共和国南部から南西部固有種

形態

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最大甲長30cmだがこの個体の性別は不明。オスの最大甲長は27.2cm。メスよりもオスの方が大型になり、メスは最大でも21.6cm。背甲はドーム状に盛りあがり、上から見ると細長い。縁甲板は鋸状にならず滑らかで、やや反り上がる。左右の第12縁甲板は癒合する。肋甲板や椎甲板の色彩は孵化直後からある甲板(初生甲板)が暗褐色で、その周囲が黄褐色、甲板の外縁が暗褐色に縁取られる。縁甲板の色彩は黄褐色で、甲板ごとに1つずつ三角形の暗色斑が入る。しかし老齢個体では背甲が暗褐色一色になったり、椎甲板や肋甲板の初生甲板を除いて黄褐色になる個体もいる。左右の喉甲板は癒合し、骨甲板も含めて前方に突出する。種小名angulataは「角のある、角張った」の意で、突出した喉甲板に由来し英名(angulated)と同義。和名は喉甲板がソリのように見えることが由来。また英名bowsprit(バウスプリット)も突出した喉甲板に由来する。

頭部は小型。頭部の色彩は黄褐色で、頭頂部は黒や暗褐色。四肢は頑丈で、指趾には発達した爪が生える。

卵は長径3.4-4.3cm、短径2.4-5.3cmで白く硬い殻で覆われる。幼体の背甲は上から見ると円形だが、成長に伴い細長くなる。

オスは背甲がより細長く、喉甲板の突出が顕著。またオスは尾が太くて長い。

分類

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核DNAおよびミトコンドリアDNA塩基配列解析による分子系統学の研究では、同じアフリカ大陸に分布するヒョウモンガメ属ヒラセリクガメ属ヤブガメ属に近縁で単系統群を形成すると考えられている。

生態

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標高900m以下の森林や半砂漠地帯などに生息する。昼行性。周年活動するが、冬季に気温の低い日には落ち葉の下などで活動せずに過ごす。

食性は植物食で、主にを食べるが陸棲の貝類を食べることもある。

繁殖形態は卵生。オスは繁殖期になると互いに体当たりをしたり、突出した喉甲板で相手をひっくり返して争う。オスはメスを追いかけ後肢や尾に噛みつき交尾を迫る。1回に1個(2個産むこともある)の卵を産む。卵は180日以上、時に12-14か月かけて孵化する(飼育下では94-198日で孵化した例がある)。

人間との関係

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開発による生息地の破壊、野火、ペット用の採集(密猟)などにより生息数は減少している。しかし生息地の大部分が自然保護区に指定されているため、絶滅の危険性は低いと考えられている。

ペットとして輸入されることもあり、日本にも輸入されている。流通はまれ。飼育下では人工飼料にも餌付く。

関連項目

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参考文献

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  • 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、180頁。
  • 安川雄一郎「パンケーキガメとソリガメの分類と自然史」『クリーパー』第21号、クリーパー社、2004年、72-73、94-97頁。
  • 安川雄一郎 「ペットとしてのリクガメの飼育と分類」『エクストラ・クリーパー』No.3、誠文堂新光社、2008年、52、56、70頁。
  • 安川雄一郎 「CLOSE UP CREEPERS -注目の爬虫両生類-」『クリーパー』第46号、クリーパー社、2009年、110-113、138頁。
  • 山田和久 『爬虫・両生類ビジュアルガイド リクガメ』、誠文堂新光社2005年、40-41頁。

外部リンク

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