コンテンツにスキップ

タケミカヅチ (競走馬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タケミカヅチ
2008年日本ダービーのパドックを周回するタケミカヅチ
現役期間 2007年 - 2010年
欧字表記 Take Mikazuchi
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2005年4月9日
死没 2010年6月30日(5歳没)
ゴールドアリュール
カズミハルコマ
母の父 マルゼンスキー
生国 日本の旗 日本
生産者 社台ファーム
馬主 社台レースホース
調教師 大江原哲美浦
競走成績
生涯成績 19戦2勝
獲得賞金 1億7362万1000円[1]
テンプレートを表示

タケミカヅチ2005年4月9日 - 2010年6月30日)は日本競走馬である。中央競馬において、長らく1勝馬の身でありながら、皐月賞2着などクラシック戦線で好走。「最強の1勝馬」と呼ばれることもあった。

経歴

[編集]

2005年4月9日に生まれた鹿毛牡馬[1]。生産牧場は北海道千歳市社台ファーム[1]ゴールドアリュールの初年度産駒である[2]大江原哲厩舎(美浦)の管理馬[1]。馬名の由来は日本神話に登場する建御雷」から採られた[3]。馬主はクラブ法人社台レースホース(社台サラブレッドクラブ)。募集価格は総額2000万円(40万円×50口)であった[4]

2007年7月、夏の新潟開催でデビュー。上がり3F33秒0の末脚を見せ、芝1600mの新馬戦を勝利する[5]。大江原は「この馬はメインレース以外使うところは無い」と感じたというが、その後は2歳、3歳の重賞戦線で善戦を見せるも長らく勝利には届かず、「最強の1勝馬」と呼ばれることもあった[6][7]。3歳時の2008年には皐月賞(JpnI)で2着に入ったが、2000m以上の距離では東京優駿(日本ダービー、JpnI)11着、セントライト記念(JpnII)9着と崩れ、新味を求めてダートに矛先を向けた時期もあった[7]。2009年4月5日、1番人気で出走したダービー卿チャレンジトロフィー(GIII)を勝利して2勝目[8]。タケミカヅチの単勝オッズは6.7倍であり、1986年以降の1番人気馬としては最高配当となった[9]

その後は股関節痛による長期休養[10]もあり、3勝目を手にすることは出来なかった。2010年6月、放牧先の山元トレーニングセンターで疝痛を発症[11]。出血性大腸炎により6月30日に死亡した[12]。通算19戦2勝[11]

競走成績

[編集]
競走年 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量
[kg]
距離 (馬場) タイム
(上がり3F)
着差 1着馬
(2着馬)
2007 7. 29 新潟 2歳新馬 14 8 13 5.2(3人) 1着 柴田善臣 54 芝1600m(良) 1:37.5 (33.0) -0.1 (ジョウショーアロー)
9. 2 新潟 新潟2歳S JpnIII 18 7 15 4.1(1人) 6着 田中勝春 54 芝1600m(良) 1:34.6 (34.4) 0.5 エフティマイア
10. 13 京都 デイリー杯2歳S JpnII 13 7 11 8.9(6人) 2着 木幡初広 55 芝1600m(良) 1:35.9 (33.6) 0.3 キャプテントゥーレ
11. 17 東京 東京スポーツ杯2歳S JpnIII 15 3 5 7.5(4人) 5着 木幡初広 55 芝1800m(良) 1:48.1 (34.4) 0.7 フサイチアソート
2008 1. 13 京都 シンザン記念 JpnIII 16 6 12 6.7(3人) 4着 木幡初広 56 芝1600m(良) 1:35.8 (36.0) 0.4 ドリームシグナル
2. 11 東京 共同通信杯 JpnIII 16 1 1 15.5(5人) 2着 柴田善臣 56 芝1800m(良) 1:47.7 (35.2) 0.1 ショウナンアルバ
3 9 中山 弥生賞 JpnII 16 1 2 16.8(7人) 3着 木幡初広 56 芝2000m(良) 2:02.0 (35.0) 0.2 マイネルチャールズ
4. 20 中山 皐月賞 JpnI 18 1 1 16.7(6人) 2着 柴田善臣 57 芝2000m(良) 2:02.1 (34.7) 0.4 キャプテントゥーレ
6. 1 東京 東京優駿 JpnI 18 2 4 13.2(7人) 11着 柴田善臣 57 芝2400m(良) 2:28.0 (35.8) 1.3 ディープスカイ
9. 21 中山 セントライト記念 JpnII 18 8 18 14.0(7人) 9着 柴田善臣 56 芝2200m(稍) 2:15.5 (35.7) 0.9 ダイワワイルドボア
11. 8 東京 武蔵野S GIII 16 2 3 14.9(6人) 6着 柴田善臣 55 ダ1600m(良) 1:36.4 (36.6) 0.4 キクノサリーレ
12. 27 中山 師走S OP 10 2 2 7.5(3人) 3着 柴田善臣 56 ダ1800m(良) 1:53.0 (36.9) 0.3 ナンヨーヒルトップ
2009 1. 31 東京 東京新聞杯 GIII 16 8 15 15.5(8人) 8着 武豊 55 芝1600m(不) 1:38.0 (38.0) 1.1 アブソリュート
3. 14 中山 東風S OP 16 2 4 9.5(4人) 2着 柴田善臣 57 芝1600m(不) 1:37.1 (37.1) 0.6 ショウワモダン
4. 5 中山 ダービー卿CT GIII 15 2 4 6.7(1人) 1着 柴田善臣 56 芝1600m(良) 1:33.7 (34.7) 0.0 マイネルファルケ
5. 16 東京 京王杯SC GII 18 1 1 8.5(5人) 5着 柴田善臣 57 芝1400m(良) 1:20.9 (33.3) 0.3 スズカコーズウェイ
2010 4. 4 中山 ダービー卿CT GIII 16 2 4 19.8(8人) 6着 柴田善臣 57 芝1600m(良) 1:34.8 (33.7) 0.5 ショウワモダン
5. 15 東京 京王杯SC GII 17 1 1 7.6(4人) 8着 柴田善臣 57 芝1400m(良) 1:20.6 (33.1) 0.8 サンクスノート
6. 13 東京 エプソムC GIII 18 3 5 17.3(7人) 16着 北村宏司 56 芝1800m(良) 1:47.3 (35.9) 1.2 セイウンワンダー

血統表

[編集]
タケミカヅチ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ヘイロー系
[§ 2]

ゴールドアリュール
1999 栗毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
*ニキーヤ
Nikiya
1993 鹿毛
Nureyev Northern Dancer
Special
Reluctant Guest Hostage
Vaguely Royal

カズミハルコマ
1984 青鹿毛
マルゼンスキー
1974 鹿毛
Nijinsky Northern Dancer
Flaming Page
*シル
Shill
Buckpasser
Quill
母の母
センシユータカラ
1976 青鹿毛
*ヴェンチア
Venture
Relic
Rose O'Lynn
シヤダイウイング *ゲイタイム
ブラックターキン
母系(F-No.) (FN:13-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Nijinsky5×3=15.63%、Northern Dancer4×4=12.50% [§ 4]
出典
  1. ^ [13]
  2. ^ [13]
  3. ^ [13]
  4. ^ [13]
  • 父ゴールドアリュールはサンデーサイレンス産駒唯一のダートGI勝ち馬であり、調教師の大江原も当初はタケミカヅチにダートの適性を感じていたという[6][14]
  • 半姉に中央6勝のスプリングチケット(父トニービン)、その仔にカレンチャン(2012年JRA最優秀短距離馬)がいる[13]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d タケミカヅチ”. JBBA. 2015年7月18日閲覧。
  2. ^ “【新潟2歳S】美浦レポート〜タケミカヅチ”. ラジオNIKKEI. (2007年8月29日). http://keiba.radionikkei.jp/keiba/entry-142187.html 2015年7月18日閲覧。 
  3. ^ タケミカヅチの情報”. 社台サラブレッドクラブ. 2015年7月18日閲覧。
  4. ^ 父)カズミハルコマの05”. 社台サラブレッドクラブ. 2015年7月18日閲覧。
  5. ^ 辻三蔵. “新馬・クラシック情報”. JRA. 2015年7月18日閲覧。
  6. ^ a b 高橋摩衣 (2010年7月30日). “最も思い入れのあった馬・タケミカヅチを偲ぶ”. 競馬ラボ. 2015年7月18日閲覧。
  7. ^ a b 鳥谷越明 (2009年1月28日). “武ミカヅチ芝で一刀両断!!/東京新聞杯”. スポーツニッポン. https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/01/28/kiji/K20090128Z00001520.html 2015年7月18日閲覧。 
  8. ^ 谷川善久. “第41回 ダービー卿チャレンジT”. JRA. 2015年7月18日閲覧。
  9. ^ タケミカヅチが返上した『最強の1勝馬』の呼称を受け継ぐのは何!?”. サラブレ. 2015年7月18日閲覧。
  10. ^ “トレセンレポート【ダービー卿CT】タケミカヅチ”. 競馬ラボ. (2010年3月31日). http://keibalab.jp/topics/3711/ 2015年7月18日閲覧。 
  11. ^ a b “タケミカヅチ急死、出血性大腸炎”. 日刊スポーツ. (2010年6月30日). https://web.archive.org/web/20100702150336/http://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20100630-647793.html 2015年7月18日閲覧。 
  12. ^ タケミカヅチが死亡、ダノンゴーゴーは競走馬登録抹消”. JRA. 2015年7月18日閲覧。
  13. ^ a b c d e タケミカヅチの血統詳細”. netkeiba. 2015年7月18日閲覧。
  14. ^ あの馬は今Vol.47~F.S・ゴールドアリュール”. JBBA. 2015年7月18日閲覧。

外部リンク

[編集]