ナルニア国物語 (映画)
ナルニア国物語 | |
---|---|
The Chronicles of Narnia | |
監督 |
アンドリュー・アダムソン(第1作と第2作) マイケル・アプテッド(第3作) |
脚本 |
ライオンと魔女 アン・ピーコック アンドリュー・アダムソン クリストファー・マルクス スティーヴン・マクフィーリー カスピアン王子の角笛 アンドリュー・アダムソン クリストファー・マルクス スティーヴン・マクフィーリー アスラン王と魔法の島 マイケル・ペトローニ クリストファー・マルクス スティーヴン・マクフィーリー |
原作 |
C・S・ルイス 『ナルニア国物語』 |
製作 | マーク・ジョンソン |
出演者 | #主要キャスト |
音楽 |
ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ(第1・2作) デヴィッド・アーノルド(第3作) |
製作会社 | ウォルデン・メディア |
配給 |
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ(2005–2008年) 20世紀フォックス(2010年以降) |
公開 | 2005年 - |
上映時間 |
劇場公開版: 406分 特別版: 415分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $545,000,000 |
興行収入 | $1580362267 |
『ナルニア国物語』(The Chronicles of Narnia)は、C・S・ルイスの小説『ナルニア国ものがたり』を原作とし、ウォルデン・メディアが製作したアメリカ合衆国のファンタジー映画のシリーズである。原作七部作全ての映画化が計画されており、2011年現在までに、『ライオンと魔女』(2005年)、『カスピアン王子の角笛』(2008年)、『アスラン王と魔法の島』(2010年、原作題『朝びらき丸 東の海へ』)が公開されている[1]。
喋るライオンで、ナルニア国の王でもあるアスランによってナルニアの世界に導かれた子供たちの冒険を中心に描いている。主人公となる子供たちはペベンジー兄弟で、敵となるのは白い魔女である。映画は小説のストーリーとキリスト教のテーマに忠実であるが、一部にギリシア神話やアイルランドの童話の要素も含まれる。
第1作と第2作はアンドリュー・アダムソンが監督、マーク・ジョンソンが製作し、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズが配給した。第3作はシリーズ初となるデジタル3Dとなり、マイケル・アプテッドが監督し、20世紀フォックスが配給した[2]。
シリーズは古典小説の映画化であるため世界で最も大きい映画フランチャイズの1つであると考えられていた。しかし、第1作が歴代38位の興行収入を記録するものの、第2作は配給のディズニーの期待値を下回ったために、第3作以降は20世紀フォックスが務めることとなった。シリーズ全体の興行収入は15億ドル以上に達した。
製作背景
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
生前、C・S・ルイスは映画化によってキャラクターや空想的な要素を忠実に再現できるかに懐疑的で、『ナルニア国ものがたり』シリーズの映画化権を売らなかった[3]。
作品
[編集]第1章:ライオンと魔女
[編集]『ライオンと魔女』は、ニュージランド人のアンドリュー・アダムソンが監督し、ニュージーランド、ポーランド、チェコ、イングランドで撮影された。
ストーリーは、田舎に疎開してきたイギリス人4兄弟がナルニア国へ迷い込み、世界を冬の時代へと変えた白い魔女を倒すため、ライオンのアスランと共に戦う姿を描く。
2006年12月7日より興行が始まり、全世界で7億ドルを稼いで歴代38位の興行収入となった[4]。
第2章: カスピアン王子の角笛
[編集]第2作となる『カスピアン王子の角笛』は、第1作のスタッフが引き続いて製作した。前作の主要キャストも再出演したほか、ベン・バーンズ、ピーター・ディンクレイジ、エディー・イザードが新たに参加した。
ストーリーは、ペヴェンシー4兄弟が1300年経ち、テルマール人が治めるようになったナルニアを再び訪れ、悪い叔父から王座を取り戻そうとするカスピアン王子と共に戦う姿を描く。
2008年5月16日に公開された[1]。本作はウォルト・ディズニー・ピクチャーズが配給したシリーズ最後の作品となった。
第3章: アスラン王と魔法の島
[編集]『朝びらき丸 東の海へ』を原作とする第3作『アスラン王と魔法の島』は、マイケル・アプテッドが監督した。
ストーリーは、エドマンドとルーシー・ペベンシー、そしてそのいとこのユースチスがナルニアを訪れ、新たにナルニア王となったカスピアンと共に朝びらき丸に乗り、行方不明となった7人の貴族を探す冒険を描く[5]。
ディズニーがウォルデン・メディアと製作費を巡って争い、その結果映画を製作しないこととなり、一時保留された[6]。その後、20世紀フォックスとの交渉が開始され、2009年1月28日、フォックスが参加することが公式発表された[7]。2010年12月10日、2Dとデジタル3Dによって公開された。
続編
[編集]2011年3月22日、次回作は原作第6巻の『魔術師のおい』を予定していることが明かされたが、諸々の事情により中止された。『銀のいす』に変更とされ、現在制作中である[8]。
主要キャスト
[編集]ナルニアの友
[編集]- ピーター・ペベンシー(演: ウィリアム・モーズリー): ペベンシー兄弟の長兄で、ナルニアの上級王。
- スーザン・ペベンシー(演: アナ・ポップルウェル): ペベンシー兄弟の長女で、ナルニアの女王。
- エドマンド・ペベンシー(演: スキャンダー・ケインズ): ペベンシー兄弟の次男で、ナルニアの王。
- ルーシー・ペベンシー(演: ジョージー・ヘンリー): ペベンシー兄弟の次女で、ナルニアの女王。
- ユースチス・スクラブ(演: ウィル・ポールター): ペベンシー兄弟のいとこ。
その他の主要人物
[編集]- アスラン(声: リーアム・ニーソン): ナルニアを創造し、手助けするライオン。原作小説全巻に登場する唯一のキャラクターである。
- 白い魔女(演: ティルダ・スウィントン): チャーンの国の元女王で魔女。『魔術師のおい』から『ライオンと魔女』の間にナルニアを統治していた。
- カスピアン10世(演: ベン・バーンズ): テルマールの王子で、悪の叔父のミラースを倒し、ナルニア王となる。
- リーピチープ(声: エディー・イザード/サイモン・ペグ): ナルニア国の自由とアスランを守るために戦う高貴で勇敢なねずみ。『カスピアン王子の角笛』でイザード、『アスラン王と魔法の島』でペグが演じた。
キャラクター | 映画 | ||
---|---|---|---|
ライオンと魔女 | カスピアン王子の角笛 | アスラン王と魔法の島 | |
アスラン | リーアム・ニーソン | ||
ルーシー・ペベンシー | ジョージー・ヘンリー | ||
エドマンド・ペベンシー | スキャンダー・ケインズ | ||
スーザン・ペベンシー | アナ・ポップルウェル | ||
ピーター・ペベンシー | ウィリアム・モーズリー | ||
カスピアン | ベン・バーンズ | ||
ユースチス・スクラブ | ウィル・ポールター | ||
白い魔女 | ティルダ・スウィントン | ||
ミラース | セルジオ・カステリット | ||
リーピチープ | エディー・イザード | サイモン・ペグ | |
タムナスさん | ジェームズ・マカヴォイ | ||
ディゴリー・カーク | ジム・ブロードベント | ||
ビーバーさん | レイ・ウィンストン | ||
ビーバーおくさん | ドーン・フレンチ | ||
ジナーブリック | キラン・シャー | ||
トランプキン | ピーター・ディンクレイジ | ||
リリアンディル | ローラ・ブレント | ||
グロゼール | ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ | ||
ソペスピアン | ダミアン・アルカザール | ||
ドリニアン | ゲイリー・スウィート | ||
タヴロス | シェーン・ランギ | ||
ピーター・ペベンシー(大人) | ノア・ハントリー | ||
スーザン・ペペンシー(大人) | ソフィー・ウィンクルマン | ||
エドマンド・ペペンシー(大人) | マーク・ウェルス | ||
ルーシー・ペペンシー(大人) | レイチェル・ヘンリー |
評価
[編集]興行収入
[編集]映画 | 公開日 | 監督 | 配給 | 興行収入 | 順位 | 製作費 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
北米 | 全世界 | 年別 全世界[9] |
歴代 全世界[10] | |||||
ナルニア国物語/第1章: ライオンと魔女 |
2005年12月9日 | アンドリュー・アダムソン | ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ | $291,710,957 | $745,011,272[11] | #3 | #41 | $180,000,000 |
ナルニア国物語/第2章: カスピアン王子の角笛 |
2008年5月16日 | $141,621,490 | $419,664,778[12] | #10 | #130 | $225,000,000 | ||
ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島 |
2010年12月10日 | マイケル・アプテッド | 20世紀フォックス | $104,386,950 | $415,686,217[13] | #12 | #132 | $140,000,000 |
合計 | $537719397 | $1580362267 | #15 | $545,000,000 |
批評
[編集]映画 | Rotten Tomatoes | Metacritic | Yahoo! Movies | |
---|---|---|---|---|
Overall | Top Critics | |||
ライオンと魔女 | 75% (208 reviews)[14] | 76% (38 reviews)[15] | 75/100 (39 reviews)[16] | B (13 reviews)[17] |
カスピアン王子の角笛 | 67% (179 reviews)[18] | 62% (37 reviews)[19] | 62/100 (34 reviews)[20] | B- (14 reviews)[21] |
アスラン王と魔法の島 | 50% (151 reviews)[22] | 52% (27 reviews)[23] | 53/100 (33 reviews)[24] | C+ (10 reviews)[25] |
関連項目
[編集]- 『ナルニア国ものがたり』原作小説:
- 『ライオンと魔女』
- 『カスピアン王子のつのぶえ』
- 『朝びらき丸 東の海へ』
- 『銀のいす』
- 『馬と少年』
- 『魔術師のおい』
- 『さいごの戦い』
参考文献
[編集]- ^ a b Box Office Mojo
- ^ Disney opts out of 3rd 'Narnia' film
- ^ A general dislike of cinema can be seen in Collected Letters, Vol. 2, a letter to his brother Warren on March 3, 1940, p. 361; see also All My Road Before Me, June 1, 1926, p. 405
- ^ Worldwide Grosses Box Office Mojo
- ^ Alexonx (November 10, 2010). “The Chronicles of Narnia: The Voyage of the Dawn Treader-Spectacular trailer”. filmissimo.it. 2010年11月10日閲覧。
- ^ Borys Kit (2008年12月24日). “Disney jumps ship on next 'Narnia'”. The Hollywood Reporter. オリジナルの2008年12月26日時点におけるアーカイブ。 2008年12月24日閲覧。
- ^ Emily; Martin, Paul (2009年1月28日). “Fox To Pick Up Dawn Treader”. NarniaFans.com 2009年1月28日閲覧。
- ^ Narnia 4 Will Be 'Magician's Nephew,' Not 'Silver Chair'
- ^ Domestic Box Office Results
- ^ “All Time Worldwide Box Office Grosses”. Box Office Mojo. IMDb. 2010年7月22日閲覧。
- ^ https://www.boxofficemojo.com/movies/?id=narnia.htm
- ^ Boxofficemojo.com
- ^ Boxofficemojo.com
- ^ “The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe”. Rotten Tomatoes. 2011年3月25日閲覧。
- ^ “The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe (Top Critics)”. Rotten Tomatoes. 2011年3月25日閲覧。
- ^ “The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe (2005): Reviews”. Metacritic. 2011年3月25日閲覧。
- ^ “The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe - Critics Reviews”. Yahoo! Movies. 2011年3月25日閲覧。
- ^ “The Chronicles of Narnia: Prince Caspian”. Rotten Tomatoes. 2011年3月25日閲覧。
- ^ “The Chronicles of Narnia: Prince Caspian (Top Critics)”. Rotten Tomatoes. 2011年3月25日閲覧。
- ^ “The Chronicles of Narnia: Prince Caspian (2008): Reviews”. Metacritic. 2011年3月25日閲覧。
- ^ “The Chronicles of Narnia: Prince Caspian - Critics Reviews”. Yahoo! Movies. 2011年3月25日閲覧。
- ^ “The Chronicles of Narnia: The Voyage of the Dawn Treader”. Rotten Tomatoes. 2011年10月7日閲覧。
- ^ “The Chronicles of Narnia: The Voyage of the Dawn Treader (Top Critics)”. Rotten Tomatoes. 2011年10月7日閲覧。
- ^ “The Chronicles of Narnia: The Voyage of the Dawn Treader (2010): Reviews”. Metacritic. 2011年10月7日閲覧。
- ^ “The Chronicles of Narnia: The Voyage of the Dawn Treader - Critics Reviews”. Yahoo! Movies. 2011年3月25日閲覧。