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バーバラ・トンプソン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バーバラ・トンプソン
Barbara Thompson

MBE
バーバラ・トンプソン(2010年)
基本情報
出生名 Barbara Gracey Thompson
生誕 (1944-07-27) 1944年7月27日
出身地 イングランドの旗 イングランド
オックスフォードシャー州オックスフォード
死没 (2022-07-09) 2022年7月9日(77歳没)
ジャンル
職業
担当楽器
活動期間 1964年 - 2022年
レーベル
  • MCA
  • Mood
  • Intuition
共同作業者
公式サイト www.temple-music.com
バーバラ・トンプソン(1992年)

バーバラ・トンプソンBarbara ThompsonMBE1944年7月27日 - 2022年7月9日[1])は、イングランドジャズサクソフォーン奏者。

1974年にユナイテッド・ジャズ+ロック・アンサンブルの結成に関与し、さらにバーバラ・トンプソンズ・ジュビアバとバーバラ・トンプソンズ・パラファナリアを主宰した。

コロシアムのドラマーであるジョン・ハイズマンと1967年に結婚し、様々な共同活動を行ない、2018年6月に彼が亡くなるまで添い遂げた[2]

略歴

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王立音楽大学でサクソフォーンとクラシックの作曲を学んだ。デューク・エリントンジョン・コルトレーンの音楽が、彼女の興味をジャズとサクソフォーンへ移させた。

1967年、ハイズマンと結婚。1970年頃、ニール・アードレイニュー・ジャズ・オーケストラの一員を共に務め[3][4]、夫が結成したコロシアムのアルバム『ドーター・オブ・タイム』(1971年)に参加した[5]。1975年には3つのバンドの結成に携わり、バンドリーダーたちが結成したユナイテッド・ジャズ+ロック・アンサンブル[注釈 1][6][7]などに参加し、後には9人編成のラテン/ロック・バンド であるバーバラ・トンプソンズ・パラファナリアを自ら結成した。

またクラシック音楽、映画やテレビのための音楽、自作のミュージカル、ビッグバンドのムーヴィング・パーツのための楽曲といった様々な作曲を行ってきている[6]アンドルー・ロイド・ウェバーと『キャッツ』(1981年)や『スターライトエクスプレス』(1984年)などのミュージカル、彼の『レクィエム』(1985年)やクラシック・フュージョン・アルバム『ヴァリエイションズ[注釈 2](1978年)で密接に仕事をしている。ITVでは、デヴィッド・ジェイソン主演の警察シリーズ『フロスト警部』(1992年)の音楽を担当した。またジェフ・ウェインの音楽作品『宇宙戦争』(1978年)でもフルートを演奏している。

1996年、これまでの貢献により大英帝国勲章(MBE)を授与された。しかし翌1997年にパーキンソン病に罹患していることが発覚。2001年にフェアウェル・ツアーを行い[6]、サクソフォーン奏者としての現役から引退した。専任の作曲家として働いた後、2003年にステージ活動に復帰した[8]

心房細動で入院した後、2020年10月にチャンネル4フライ・オン・ザ・ウォールのテレビ・ドキュメンタリー『24 Hours in A&E』のエピソードにおいて、救急救命室へ入る彼女の姿が取り上げられた[9][10]

2022年、長年患っていたパーキンソン病が悪化。心臓の合併症を併発し、同7月9日に77歳で病没した[11]

主宰した主なグループ

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  • バーバラ・トンプソンズ・ジュビアバ

ピーター・レマーロイ・バビントンヘンリー・ロウサー、イアン・ハマー、デレク・ワズワース、トレヴァー・トムキンス、ビル・ル・セージ、グリン・トーマス[2][12]

  • バーバラ・トンプソンズ・パラファナリア

ピーター・レマー(ピアノ)、ビリー・トンプソン(ヴァイオリン)、デイヴ・ボール(ベース)、故ジョン・ハイズマン(ドラム)[6]

その他

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ハイズマン[13]との間に、息子のマーカスが1972年、娘のアナ[注釈 3]が1975年に生まれている[2]

ディスコグラフィ

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ソロ及び連名アルバム

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バーバラ・トンプソンズ・ジュビアバ

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  • 『ジュビアバ』 - Barbara Thompson's Jubiaba (1978年、MCA)

バーバラ・トンプソンズ・パラファナリア

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  • 『バーバラ・トンプソン』 - Paraphernalia (1978年、MCA)
  • Wilde Tales (1979年、MCA)
  • Live In Concert (1980年、MCA)
  • Mother Earth (1982年、veraBra)
  • Pure Fantasy (1984年、veraBra)
  • A Cry From The Heart (Live In London) (1988年、veraBra)
  • Breathless (1991年、Verabra)
  • Everlasting Flame (1993年、veraBra)
  • Lady Saxophone (1996年、veraBra)
  • Shifting Sands (1998年、Intuition)
  • Thompson's Tangos And Other Soft Dances (2000年、Intuition)
  • Never Say Goodbye (2007年、Intuition)
  • The Last Fandango (2015年、Temple Music)
  • Bulletproof (2020年、Temple Music) ※with NYJO

ユナイテッド・ジャズ+ロック・アンサンブル

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  • Live Im Schützenhaus (1977年)
  • Teamwork (1978年)
  • The Break Even Point (1979年)
  • Live In Berlin (1981年)
  • United Live Opus Sechs (1984年)
  • Round Seven (1987年)
  • Na Endlich! / Live In Concert (1992年)
  • Live Die Neunte Von United (1996年)
  • X (1999年)

コロシアム

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  • ドーター・オブ・タイム』 - Daughter of Time (1970年) ※ゲスト参加
  • 『コロシアム・ライヴ! 05』 - Live 05 (2007年)
  • 『タイム・オン・アワ・サイド』 - Time On Our Side (2014年)

参加アルバム

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  • アンドルー・ロイド・ウェバー : 『ヴァリエイションズ』 - Variations (1978年)
  • アンドルー・ロイド・ウェバー : 『キャッツ オリジナル・ロンドン・キャスト』 - Cats (1981年)
  • アンドルー・ロイド・ウェバー : 『レクィエム』 - Requiem (1983年)
  • ハワード・ライリー・トリオ : Angle (1968年)
  • ジェフ・ウォルゲナント・アンド・フレンズ : Cool Cat (1983年)
  • ジョン・ハイズマン : Ganz schoen heiss, Man! About Time Too! (1986年)
  • ケイト・ウェストブルック & マイク・ウェストブルック : Cuff Clout (2001年)
  • キーフ・ハートリー・バンド : 『リトル・ビッグ・バンド』 - Little Big Band (1971年)
  • キーフ・ハートリー・バンド : The Beginning – Vol. 6: Keef Hartley Band (1973年)
  • マンフレッド・マン06・ウィズ・マンフレッド・マンズ・アース・バンド : 2006 (2004年)
  • マンフレッド・マンズ・アース・バンド : 『静かなる叫び』 - The Roaring Silence (1976年)
  • マンフレッド・マンズ・アース・バンド : 『チャンス』 - Chance (1980年)
  • マーティ・ウェッブ : 『テル・ミー・オン・ア・サンデー』 - Tell Me on a Sunday (1979年)
  • マイケル・ギブス : 『マイケル・ギブスの壮挙』 - Michael Gibbs (1970年)
  • ニール・アードレイ : 『カレイドスコープ・オブ・レインボウズ』 - Kaleidoscope of Rainbows (1976年)
  • ニール・アードレイ : 『ハーモニー・オブ・ザ・スフィアーズ』 - Harmony of the Spheres (1978年)
  • Various Artists : NDR Jazzworkshop '77 (1977年)
  • Various Artists : Frauen – Power (1985年)
  • Various Artists : Perspective '92 (1991年)
  • Various Artists : Sisters - Women's Music from Celestial Harmonies (1996年)
  • Various Artists : The Sound Inside / Music and Architecture (1998年)

脚注

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注釈

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  1. ^ ウォルフガング・ダウナーピアノ)、フォルカー・クリーゲル(ギター)、アルベルト・マンゲルスドルフトロンボーン)、エバーハルト・ウェーバーベース)、イアン・カートランペットフリューゲルホルン)、チャーリー・マリアーノサクソフォーン)、アック・ヴァン・ローエン(トランペット)、ジョン・ハイズマンドラム)。
  2. ^ ハイズマンも、当時率いていたコロシアムIIのメンバーと共に参加した。
  3. ^ 現在はシンガーソングライターのアナ・グレイシー(Ana Gracey)として知られている。

出典

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  1. ^ Barbara Thompson, The Grand Dame Of British Jazz, Passed Away” (英語). DMME.net. 2022年7月10日閲覧。
  2. ^ a b c Barbara Thompson biography”. temple-music.com. 20 February 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。9 January 2011閲覧。
  3. ^ Neil Ardley - オールミュージック
  4. ^ New Jazz Orchestra: Camden '70 – credits - オールミュージック
  5. ^ Barbara Thompson – credits - オールミュージック
  6. ^ a b c d Mathieson, Kenny (April 2001). “British Beat: Saxophonist Barbara Thompson”. All About Jazz. 26 December 2001時点のオリジナルよりアーカイブ。9 January 2011閲覧。
  7. ^ United Jazz + Rock Ensemble - オールミュージック
  8. ^ Colosseum live at Rockpalast, September 27, 2003 (YouTube)
  9. ^ Barbara Thompson on 24 hours in A&E”. Barbara Thompson & Jon Hiseman (6 October 2020). 18 February 2021閲覧。
  10. ^ "The Show Must Go On". 24 Hours in A&E. 第22シリーズ. Episode 6. October 2020. Channel 4. 2021年2月18日閲覧
  11. ^ コロシアムのサックス奏者 バーバラ・トンプソン死去”. amass (2022年7月11日). 2022年7月12日閲覧。
  12. ^ Jubiaba – credits - オールミュージック
  13. ^ Pareles, Jon (12 June 2018). “Jon Hiseman, 73, Drummer Who Melded Rock, Jazz and Blues”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2018/06/12/obituaries/jon-hiseman-73-drummer-who-melded-rock-jazz-and-blues-dies.html 13 June 2018閲覧。 

外部リンク

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