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マット・ウィータース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マット・ウィータース
Matt Wieters
セントルイス・カージナルス時代
(2019年5月2日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 サウスカロライナ州チャールストン
生年月日 (1986-05-21) 1986年5月21日(38歳)
身長
体重
6' 5" =約195.6 cm
240 lb =約108.9 kg
選手情報
投球・打席 右投両打
ポジション 捕手
プロ入り 2007年 MLBドラフト1巡目
初出場 2009年5月29日
年俸 $2,000,000(2020年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

マシュー・リチャード・ウィータース(Matthew Richard Wieters, 1986年5月21日 - )は、アメリカ合衆国サウスカロライナ州チャールストン出身のプロ野球選手捕手)。右投両打。現在は、フリーエージェント(FA)。

愛称はウィーティー[1]ジェイソン・バリテックジョージア工科大学の先輩のため「バリテック2世」とも呼ばれる[2]

経歴

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プロ入りとオリオールズ時代

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ジョージア工科大学在籍時に捕手と投手クローザー)を兼任し、最速で96mph(154.5km/h)を計測[3]2007年MLBドラフト1巡目(全体5位)でボルチモア・オリオールズから捕手として指名された。代理人にはスコット・ボラスが付き、ウィータースは契約金として1,100万ドルを要求。それに対し、オリオールズ側は500万ドルを提示。契約期限の8月15日午後11時59分(東部標準時)の9分前に契約金600万ドルで合意に達した[4]

2008年1月に発表されたベースボール・アメリカ誌の有望株ランキングで、ウィータースはオリオールズ傘下での最高評価を受けた[5]。同年、A+級フレデリック・キーズ英語版とAA級ボウイ・ベイソックスでプレー。130試合に出場して打率.355、27本塁打、91打点を記録した。ウィータースはベースボール・アメリカ・マイナーリーグ年間最優秀選手賞に選出され、2009年2月に発表されたベースボール・アメリカ誌の有望株ランキングではメジャー全体で最高評価を受けた[6]

ボルチモア・オリオールズ時代
(2009年8月30日)

2009年は開幕をAAA級ノーフォーク・タイズで迎えたが、球団は5月29日に同じ捕手のチャド・モーラー英語版をAAA級ノーフォークへ降格させ、ウィータースをメジャーへ昇格させた[7]。同日、「7番・捕手」として先発出場し、メジャーデビューを果たした。

2010年は、開幕前にスポーツ・イラストレイテッドの表紙を飾るなど、高い期待を掛けられていた[8]。しかし、130試合の出場で打率.249、11本塁打、55打点という数字に終わった。一方、リード面では、監督がバック・ショーウォルターに交代してから投手コーチ、先発投手と細かなプランを立てて試合に臨むようになった事から、自信を深めたとされている[8]

2011年には、初めてオールスターに選ばれた。また、この年はゴールドグラブ賞を受賞した。

2012年4月16日のシカゴ・ホワイトソックス戦の10回にキャリアで初めて満塁本塁打を放った。また、この年もオールスターに選ばれ[9]、ゴールドグラブ賞も受賞している。

2014年2月6日にオリオールズと770万ドルの1年契約に合意した[10]。この年は開幕から好調を維持し、26試合に出場して打率.308、5本塁打、18打点、OPS0.839という好成績で、主砲格の活躍を見せた。しかし、試合中の送球で右肘の靭帯を損傷し、初期治療では保存療法を試みたが、結局トミー・ジョン手術を受け、5月10日の出場を最後に、残りの試合を全て欠場した[11]。打撃好調だったため、オールスターのファン投票では初めて捕手部門の1位を獲得して選出されたが、辞退した。

2015年は前年の手術の影響で6月5日に復帰し、75試合に出場して8本塁打、25打点に留まったものの、打率・出塁率・長打率は例年とほぼ同じ水準であった。守備面では守備防御点 - 7だったが、盗塁阻止率は31%で、肘の手術の影響を感じさせなかった。オフの11月2日にFAとなった[12]。11月13日、クオリファイング・オファーを受け入れ、オリオールズと年俸1580万ドルの1年契約を結んだ[13]

ボルチモア・オリオールズ時代
(2016年8月18日)

2016年は久々にほぼ年間通じてプレーし、3年ぶりの100以上となる124試合に出場。打率は更に低下して.243ながら、17本塁打を放って66打点を挙げるなど、打撃面で一定の復活を果たした。117試合でマスクを被った捕手守備は、エラーを量産してアメリカンリーグワーストの11失策だったものの、盗塁阻止率で35%を記録した。なお、同年はオールスターの一員にも選出された。オフの11月3日にFAとなった[12]

ナショナルズ時代

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ワシントン・ナショナルズ時代
(2018年8月13日)

2017年2月24日にワシントン・ナショナルズと契約を結んだ[14]。この年は123試合に出場して打率.225、10本塁打、52打点、1盗塁を記録した。

2018年は76試合に出場して打率.238、8本塁打、30打点を記録した。オフの10月29日にFAとなった[12]

カージナルス時代

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2019年2月27日にセントルイス・カージナルスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[15]。3月22日にメジャー契約を結んで40人枠入りした[12]。シーズンでは67試合に出場して打率.214、11本塁打、27打点を記録した。オフの10月31日にFAとなった[16]が、2020年1月22日にカージナルスと単年200万ドルで再契約を結んだ[17]

2020年オフの10月28日にFAとなった[18]

2021年5月23日、東京オリンピック野球アメリカ大陸予選アメリカ合衆国代表メンバーに選出された[19]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2009 BAL 96 385 354 35 102 15 1 9 146 43 0 0 0 2 28 2 1 86 11 .288 .340 .412 .753
2010 130 502 446 37 111 22 1 11 168 55 0 1 0 7 47 7 2 94 13 .249 .319 .377 .695
2011 139 551 500 72 131 28 0 22 225 68 1 0 0 1 48 3 2 84 16 .262 .328 .450 .778
2012 144 593 526 67 131 27 1 23 229 83 3 0 0 3 60 4 4 112 17 .249 .329 .435 .764
2013 148 579 523 59 123 29 0 22 218 79 2 0 1 12 43 5 0 104 7 .235 .287 .417 .704
2014 26 112 104 13 32 5 0 5 52 18 0 1 0 2 6 0 0 19 1 .308 .339 .500 .839
2015 75 282 258 24 69 14 1 8 109 25 0 0 0 3 21 0 0 67 4 .267 .319 .422 .742
2016 124 464 423 48 103 17 1 17 173 66 1 0 1 3 32 1 5 85 10 .243 .302 .409 .711
2017 WSH 123 465 422 43 95 20 0 10 145 52 1 0 0 4 38 4 1 94 14 .225 .288 .344 .632
2018 76 271 235 24 56 8 0 8 88 30 0 1 1 2 30 3 3 45 5 .238 .330 .374 .704
2019 STL 67 183 168 15 36 4 0 11 73 27 1 1 0 2 12 0 1 47 3 .214 .268 .435 .702
2020 19 41 35 3 7 1 0 0 8 4 0 0 1 0 3 0 2 10 1 .200 .300 .229 .529
MLB:12年 1167 4428 3994 440 996 190 5 146 1634 550 9 4 4 41 368 29 21 847 102 .249 .313 .409 .722
  • 2020年度シーズン終了時
  • 2020年度は60試合の短縮シーズン
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

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捕手守備


捕手(C)






















2009 BAL 86 489 35 5 12 .991 3 86 65 21 .244
2010 126 775 51 5 10 .994 2 77 53 24 .312
2011 132 855 70 5 14 .995 1 92 58 34 .370
2012 134 994 52 10 7 .991 5 83 51 32 .386
2013 140 1021 58 3 6 .997 5 68 44 24 .353
2014 22 169 5 1 0 .994 0 12 11 1 .083
2015 55 423 23 5 3 .989 2 26 18 8 .308
2016 117 871 50 11 6 .988 1 66 43 23 .348
2017 WSH 118 1023 43 8 5 .993 5 76 57 19 .250
2018 73 579 24 3 5 .995 2 46 29 17 .370
2019 STL 54 379 15 2 5 .995 2 19 11 8 .421
2020 18 119 2 0 0 1.000 2 1 1 0 .000
MLB 1075 7697 428 58 73 .993 30 652 441 211 .324
一塁守備


一塁(1B)












2011 BAL 1 4 0 0 2 1.000
2015 3 22 1 0 2 1.000
MLB 4 26 1 0 4 1.000
  • 2020年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • 各年度の太字年ゴールドグラブ賞受賞

表彰

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MiLB
MLB

記録

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背番号

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  • 15(2009年)
  • 32(2010年 - 2020年)

脚注

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  1. ^ Explaining Nats Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月25日) 2017年9月22日閲覧
  2. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2009』廣済堂出版、2009年、111頁。ISBN 978-4-331-51370-5 
  3. ^ 「新人王候補一挙大公開! マット・ウィータース」 『月刊スラッガー』2009年5月号、日本スポーツ企画出版社、2009年、雑誌15509-5、58頁。
  4. ^ Spencer Fordin (2007年8月16日). “O's ink top pick before deadline” (英語). MLB.com. 2016年3月18日閲覧。
  5. ^ Will Lingo (2008年1月1日). “Prospects: Rankings: Organization Top 10 Prospects: Baltimore Orioles” (英語). BaseballAmerica. 2016年3月18日閲覧。
  6. ^ Top 100 Prospects: 1-20” (英語). Baseball America (2009年2月24日). 2016年3月18日閲覧。
  7. ^ "Press Releases Orioles select contract of CA Matt Wieters" (Press release) (英語). MLB.com (Baltimore Orioles). 29 May 2009. 2016年3月18日閲覧
  8. ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2011』廣済堂出版、2011年、77頁。ISBN 978-4-331-51518-1 
  9. ^ Brittany Ghiroli (2012年7月1日). “Orioles trio tabbed for AL All-Star squad” (-英語). MLB.com. 2016年3月18日閲覧。
  10. ^ Adam Berry (2014年2月6日). “Orioles clear arbitration slate with Wieters deal”. MLB.com. 2016年3月18日閲覧。
  11. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、40頁。ISBN 978-4-331-51921-9 
  12. ^ a b c d MLB公式プロフィール参照。2019年4月2日閲覧。
  13. ^ Matt Wieters accepts $15.8 million qualifying offer from Orioles”. NBC SPORTS (2015年11月13日). 2015年11月15日閲覧。
  14. ^ Jamal Collier (2017年2月24日). “Rizzo has 'difficult' talk with Norris about Wieters”. MLB.com. 2017年2月26日閲覧。
  15. ^ Derrick Goold (2019年2月27日). “Cards bring in Wieters; former All-Star catcher agrees to minor-league deal” (英語). St. Louis Post-Dispatch. 2019年3月20日閲覧。
  16. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
  17. ^ Anne Rogers (2020年1月22日). “Cards, Wieters make 1-year deal official” (英語). MLB.com. 2020年1月25日閲覧。
  18. ^ Manny Randhawa and Paul Casella (2020年11月16日). “2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月21日閲覧。
  19. ^ 東京五輪予選 野球米国代表候補に元広島&楽天ジョンソン、元オリックス・ディクソンら”. デイリースポーツ (2021年5月24日). 2021年6月5日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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