三井製薬工業
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三井製薬工業株式会社(みついせいやくこうぎょう)は、かつて存在した医薬品メーカー。東京都中央区日本橋に本社を置いていた。2001年に日本シエーリングに吸収合併された。
沿革
[編集]- 1971年 三井東圧化学(現・三井化学)の医薬品部門が分離独立して設立
- 1972年 医薬品製造業許可と後発品の医療用医薬品製造承認取得。新規フルオロウラシル(5-FU誘導体)合成研究開始(国立がんセンター[1] との共同研究)
- 1974年 FU注(フルオロウラシル:抗がん剤)発売
- 1975年 日本唯一、酵素使用超高感度免疫定量法研究開始、宮崎医科大学(現 宮崎大学)[2] へ社員派遣
- 1976年 カイノスと酵素免疫定量法(EIA法)技術提携契約締結。FH(テガフール:抗がん剤)発売。FHと同剤のフトラフール(大鵬薬品工業)を先に開発したソビエト連邦(現・ロシア共和国)との間で原体製造技術特許係争、東京地裁にFH販売差止仮処分申請と損害賠償訴訟が提訴。1981年まで東京地裁係争、裁判所の和解勧告に従い同年和解成立
- 1977年 関東電化工業[3] がウラシルのフッ素化研究着手(抗がん剤事業拡大一環、米国から買った特許技術に共同研究参画)
- 1978年 日本初肝癌マーカーα-フェトプロテイン酵素免疫定量法(EIA)キット、販売会社カイノス社経由発売。ミラドール(スルピリド:精神・情動安定剤、視床下部作用性抗潰瘍剤。フランスサノフィ サンテラボ社導入品)発売{大日本住友製薬(アビリット)、藤沢薬品工業(現・アステラス製薬)(ドグマチール)の3社販売}。関東電化工業からフッ化ウラシル購入開始
- 1981年 新薬ミフロール(5-FU誘導体:経口抗がん剤)発売(2008年販売中止)。新薬ニコデール(高血圧症治療剤)発売
- 1987年 アスペノン(抗不整脈剤:ベルギーナイコメッツクリスチャンス社導入新薬)発売。コレミナール(消化管機能安定剤)発売(2005年、沢井製薬が日本シエーリング(現・バイエル薬品)より製造販売承認承継)
- 1989年 バルネチール(抗精神病薬:サノフィ サンテラボ社導入新薬)発売(大日本住友製薬と同一製品名併売)
- 1990年 タスオミン(抗乳癌剤)発売
- 1991年 ロンドン駐在所開設
- 1992年 イソピット(血管拡張剤)発売
- 1993年 富山化学工業と合併契約(1994年、白紙撤回)
- 1994年 カイノスと全自動EIA測定装置「クォルタス」独占販売契約締結
- 1995年 カイノスにクォルタス専用試薬製造移管
- 1996年 診断薬事業撤退、カイノスに試薬製造販売権譲渡
- 1998年-1999年 北陸製薬と合併交渉(決裂)
- 1999年 ローモリン(血液凝固阻止剤: アボットジャパン共同開発品)発売(2009年販売中止)。シンビット(不整脈治療剤)発売(2010年 ホスピーラ・ジャパン[4] がバイエル薬品より製造販売承認承継)
- 2000年 日本シエーリングと「株式譲渡基本契約」締結。日本シエーリングは三井製薬工業の全株式取得
出身者
[編集]脚注
[編集]- ^ 国立がんセンター
- ^ 宮崎大学
- ^ 関東電化工業株式会社
- ^ ホスピーラ・ジャパン株式会社
- ^ 北山昭コレクション-大阪市立自然史博物館
- ^ 著書 - 『図説 日本のゲンゴロウ』(森正人との共著)文一総合出版 1993年(2002年改訂)
- ^ 北山昭論文(国立情報学研究所収録) 国立情報学研究所