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共格

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

共格(きょうかく、comitative case)とは、誰かと一緒に何かを行う相手を表すである。付格(ふかく、sociative case、associative case、accompanitive case)とも呼ばれる。

たとえば (1) のバスク語の例では、共格名詞句 zurekin は「あなた」が「私」と一緒に「降りる」という行為を行う相手であることを表している。

(1)    バスク語
Jaitsi-ko  naiz  zu-rekin ? 
降りる-FUT  私.INTR  あなた-COM 
「あなたと一緒に降りましょうか?」 [1]:148

インド・ヨーロッパ語族では具格が随伴の用法を持ち、ヴェーダ語などでは単独で使われるが、スラヴ語派ではほとんど常に前置詞(ロシア語: с(о))をともなう[2]

共格の表す意味

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共格が表す、誰かと一緒に何かを行う「相手」のことを随伴者(ずいはんしゃ、companion)、随伴者と一緒に何かを行う「主体」のことを被随伴者(ひずいはんしゃ、accompanee)という。

随伴者および被随伴者には、有生性に関する次のような意味的な制限が見られる場合がある。

  • 随伴者と被随伴者のいずれも人間(あるいは少なくとも有生)でなければならない。たとえばカルムイク語-la/-lä は随伴者と被随伴者のいずれも人間である必要がある。
  • 随伴者と被随伴者が同程度の有生性でなければならない。たとえばグアラニー語では随伴者と被随伴者の有生性が高い場合には ndive を、低い場合には reheve を用いる。
  • 被随伴者の有生性が高くなければならない。

エストニア語-ga のように、有生性に関する制限がない場合もある。

出典

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  1. ^ de Rijk, Rudolf P. G. 2006. Standard Basque: A progressive grammar. Cambridge, MA: MIT Press.
  2. ^ 高津春繁『印欧語比較文法』岩波書店、1954年、207-208頁。