北極星2号
北極星2号 | |
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種類 | 準中距離弾道ミサイル(潜水艦発射弾道ミサイル) |
原開発国 | 朝鮮民主主義人民共和国 |
運用史 | |
配備期間 | 2017年- |
配備先 | 朝鮮民主主義人民共和国 |
開発史 | |
製造業者 | 朝鮮民主主義人民共和国 |
諸元 | |
射程 | 2,000 km 以上 |
弾頭 | 核弾頭? |
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エンジン | 固体燃料ロケット |
発射 プラットフォーム |
特殊車両 潜水艦 |
北極星2号(ほっきょくせいにごう)は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が開発した準中距離弾道ミサイル(MRBM)である[1]。NATOコードネームはKN-15。
概要
[編集]2017年2月13日、朝鮮中央通信が前日の2月12日に核弾頭の搭載が可能な新型の弾道ミサイル「北極星2号」の発射実験に成功し、これに最高指導者金正恩が立ち会ったと発表した。韓国国防部によるとミサイルは意図的に高射角で発射され(ロフテッド軌道)、高度550km、距離500kmを飛行して日本海に落下した[2][3]。ジョンズ・ホプキンズ大学の北朝鮮分析サイト「38North」の衛星写真を利用した分析によると、発射場所は北西部の平安北道の車両試験場[4]。
韓国国家情報院によると、北極星2号の射程は2000kmを超え、固体燃料ロケットの北極星1号の進化型であるため即応発射が可能で、発射機に無限軌道の特殊車両を使用するため山岳地での運用が可能で隠密性が高く、液体燃料ロケットで車輪式発射機を使用する中距離弾道ミサイルのムスダンより脅威度が高いという[5]。
北朝鮮の固体燃料ロケット技術は1990年代から技術開発が始まったとされ、1994年3月に日本の粉体関連機器のメーカーのセイシン企業が、ミサイルの固体燃料の製造に利用できるとして外為法で輸出が禁じられているジェットミル等の合計30台以上の機器を北朝鮮に不正輸出していたことが判明している。これらの機器の手配は朝鮮総連傘下の在日本朝鮮人科学技術協会が行い、北朝鮮系の商社が仲介をし、貨客船「万景峰号92」で新潟から北朝鮮へと送られていた[6]。
同年4月5日、アメリカ太平洋軍の初期段階の分析結果として、同日に北朝鮮が北極星2号の2度目の発射実験を行い、高度189km、距離60kmを飛行して日本海に落下したとするニュースが報じられたが、翌6日にアメリカ国防総省の当局者は前日に発射されたのは北極星2号ではなくスカッドERであり、実験は失敗に終わったものとする分析結果を明らかにした[7][8]。
同年5月21日、北朝鮮は平安南道北倉から北極星2号の発射実験を行い、高度500km、距離560kmを飛行して日本海に落下した[9]。翌22日に朝鮮中央通信が、北極星2号の最終実験が完全に成功したこと、金正恩委員長が実戦配備を承認したことを報じた[10]。
出典
[編集]- ^ 北ミサイル「北極星2」は準中距離級 グアム届かず=韓国軍 聯合ニュース 2017年5月22日
- ^ [北朝鮮、新型中長距離弾道ミサイル「北極星2型」発射成功と発表 ニューズウィーク日本版 2017年2月13日
- ^ 新型中長距離弾道ミサイル「北極星2」の発射に「成功」と主張 金正恩氏立ち会いの下 産経ニュース 2017年2月13日
- ^ 新型弾道ミサイル「北極星2」の発射場所の衛星写真公表 米民間機関 産経ニュース 2017年2月18日
- ^ 北朝鮮「北極星2型」射程距離2000キロ越える…沖縄も射程圏 中央日報 2017年2月15日
- ^ 北朝鮮のミサイル、固体推進剤で脅威度急上昇 日経ビジネス 2017年2月21日
- ^ <北朝鮮>弾道ミサイル、日本海に1発…米中会談けん制か gooニュース/毎日新聞 2017年4月5日
- ^ 北朝鮮の弾道ミサイル発射「失敗」 米は「スカッド」と推定 聯合ニュース 2017年4月6日
- ^ 北朝鮮が弾道ミサイル発射 5百キロ飛行、日本海に落下 共同通信 2017年5月21日
- ^ 北朝鮮「北極星2ミサイル量産、配備を」 実験成功と発表 日本経済新聞 2017年5月22日