コンテンツにスキップ

北海優駿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
北海優駿
第43回北海優駿の優勝レイと馬着を着装した勝利馬フジノサムライ
開催国 日本の旗 日本
主催者 北海道
競馬場 門別競馬場
第1回施行日 1973年9月9日
2024年の情報
距離 ダート2000m
格付け H1
賞金 1着賞金1500万円
出走条件 サラブレッド系3歳(地方全国交流)
負担重量 定量(57kg、牝2kg減)
出典 [1]
テンプレートを表示

北海優駿(ほっかいゆうしゅん)は、ホッカイドウ競馬で施行される地方競馬重賞競走である。札幌テレビ放送より優勝杯の提供を受けており、名称は「STV杯 北海優駿」と表記される。

概要

[編集]

1973年に創設された、サラブレッド系4歳(現3歳)馬による重賞競走。ホッカイドウ競馬のグレード制ではH1に格付けされ、三冠競走の第2戦に位置づけられている。

創設当初は札幌競馬場ダート1800mでの施行が定着していたが、その後は開催日程に左右され、施行場は数年ごとにたびたび変更されたうえ、施行距離も競馬場の距離設定の都合により1600m-2600mと一定していなかった。2009年以降は門別競馬場のダート2000mで定着している。

2007年から2023年まではダービーシリーズ(旧・ダービーWeek)に組み込まれ「ダービー」と副称がつけられたほか、施行時期も秋季から初夏の6月開催に変更された。またジャパンダートダービー(JpnI)の指定競走となっており、1着馬は選定委員会において、同一地区内の他馬よりも優先して選定されることになっていた(他の優先出走権の状況や指定馬の数により、適用されない場合有り)。

2010年より地方競馬全国交流競走(他地区の地方競馬所属馬も出走が可能)となっている[2]

負担重量は、2010年から2023年までは56kg(牝馬2kg減)、2024年からは57kg(牝馬2kg減)となっている。

条件・賞金等(2024年)

[編集]
出走条件
サラブレッド系3歳、地方全国交流。
  • 北斗盃で上位2着までに入った馬に優先出走権がある[1]
負担重量
定量で57kg、牝馬2kg減
賞金額
1着1500万円、2着420万円、3着315万円、4着210万円、5着105万円。
副賞
スタリオンシリーズ競走に指定されており、ルヴァンスレーヴの次年度配合権利が優勝馬馬主への副賞となっている[1]

過去の副賞

[編集]

JBC協会社台スタリオンステーション協賛のスタリオンシリーズに指定されており、種牡馬の配合権利が副賞として贈られている。

北海優駿 スタリオンシリーズ競走の副賞対象種牡馬
種牡馬 付与対象者 出典
2000年 ブラックタイアフェアー [3]
2001年 スキャン [4]
2002年 タイキシャトル 馬主 [5]
2003年 馬主 [5]
2004年 コマンダーインチーフ 馬主 [6]
2005年 馬主 [6]
2006年 [7]
2007年 バブルガムフェロー 馬主 [8]
2008年 フサイチコンコルド [9]
2009年 グラスワンダー [10]
2010年 ディープスカイ 馬主 [11]
2011年 馬主 [12]
2012年 馬主 [13]
2013年 馬主 [14]
2014年 エイシンフラッシュ 馬主 [15]
2015年 馬主 [16]
2016年 馬主 [17]
2017年 馬主 [18]
2018年 イスラボニータ 馬主 [19]
2019年 馬主 [20]
2020年 馬主 [21]
2021年 ルヴァンスレーヴ 馬主 [22]
2022年 馬主 [23]
2023年 馬主 [24]

歴代優勝馬

[編集]

優勝馬の馬齢は2000年まで旧表記、2001年以降は現表記。

Rはコースレコード。

回数 施行日 開催地 距離 頭数 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師
第1回 1973年9月9日 岩見沢 1900m 12頭 マルサンフアイヤ 牡4 北海道 2:01.6 千島武司 戸野塚郁郎
第2回 1974年9月8日 岩見沢 1900m 11頭 ミカサホマレ 牡4 北海道 2:07.8 千島武司 桑原義光
第3回 1975年10月25日 札幌 1800m 10頭 コガネハード 牝4 北海道 1:52.4 佐々木一夫 林正夫
第4回 1976年10月10日 札幌 1800m 7頭 カネヤマサウンド 牝4 北海道 1:52.5 千島武司 千島一巳
第5回 1977年10月22日 札幌 1800m 7頭 サンオーオク 牝4 北海道 1:52.9 伊藤隆志 戸島牛太郎
第6回 1978年10月10日 札幌 1800m 11頭 ビユーテイワン 牝4 北海道 1:54.2 須藤三千夫 加藤庄吉
第7回 1979年9月24日 札幌 1800m 16頭 ミスミネタカ 牝4 北海道 1:55.9 佐々木一夫 林正夫
第8回 1980年9月7日 札幌 1800m 13頭 ドウヤレンジヤー 牝4 北海道 1:56.8 原孝明 後條雄作
第9回 1981年10月10日 札幌 1800m 8頭 トヨクラダイオー 牡4 北海道 1:54.2 佐々木一夫 成田春男
第10回 1982年10月3日 札幌 1800m 9頭 タキノユウホー 牡4 北海道 1:57.7 松田路博 後條悦郎
第11回 1983年10月23日 札幌 1800m 14頭 ビユーテイフアイ 牡4 北海道 1:55.6 柳澤好美 鈴木亮平
第12回 1984年10月10日 札幌 2000m 10頭 エスコート 牝4 北海道 2:09.8 原孝明 佐藤二郎
第13回 1985年10月17日 岩見沢 2000m 12頭 カネコメスワロー 牝4 北海道 2:13.7 米川昇 手島健児
第14回 1986年10月12日 札幌 2640m 12頭 グリーンタイセイ 牡4 北海道 2:54.2 米川昇 石本孝博
第15回 1987年10月13日 札幌 2640m 9頭 ホロトウルフ 牡4 北海道 2:58.7 佐々木一夫 黒川武
第16回 1988年9月23日 岩見沢 2600m 8頭 フシミラツキー 牝4 北海道 3:06.8 柳澤好美 成田春男
第17回 1989年9月14日 札幌 2400m 8頭 タキノニシキ 牡4 北海道 2:35.9 井上俊彦 後條悦郎
第18回 1990年9月6日 札幌 2400m 7頭 マキシムオーレー 牡4 北海道 2:41.8 佐々木一夫 佐藤二郎
第19回 1991年9月18日 札幌 2400m 12頭 リバーストンキング 牡4 北海道 2:39.8 松本隆宏 鈴木亮平
第20回 1992年9月23日 岩見沢 2600m 8頭 リバーストンホープ 牡4 北海道 2:59.9 川島洋人 鈴木亮平
第21回 1993年9月8日 札幌 2400m 10頭 ササノコバン 牡4 北海道 2:38.4 國信満 西本博
第22回 1994年9月1日 旭川 2100m 6頭 クラシャトル 牝4 北海道 2:20.5 小野望 後條雄作
第23回 1995年9月21日 帯広 1800m 11頭 ダービーコート 牝4 北海道 1:55.2 安田歩 佐藤邦茂
第24回 1996年9月26日 旭川 2100m 12頭 クローリバー 牡4 北海道 2:17.1 井上俊彦 高岡秀行
第25回 1997年10月2日 岩見沢 2600m 12頭 シャーペンアイル 牡4 北海道 R2:55.4 櫻井拓章 田中正二
第26回 1998年10月8日 門別 2000m 16頭 ロンガーワンダー 牡4 北海道 2:06.3 宮崎光行 須藤三千夫
第27回 1999年10月11日 札幌 2400m 12頭 モミジイレブン 牡4 北海道 2:37.0 松本隆宏 鈴木英二
第28回 2000年9月27日 旭川 2300m 10頭 クラキングオー 牡4 北海道 2:33.2 堂山直樹 堂山芳則
第29回 2001年10月18日 門別 2000m 14頭 ミヤマエンデバー 牡3 北海道 2:09.7 堂山直樹 堂山芳則
第30回 2002年9月17日 門別 2000m 9頭 サンデーカロ 牡3 北海道 2:09.7 千葉津代士 黒川武
第31回 2003年9月9日 旭川 2100m 11頭 ビックネイチャー 牡3 北海道 2:22.5 櫻井拓章 恵多谷豊
第32回 2004年9月2日 旭川 2100m 10頭 コスモバルク 牡3 北海道 2:24.7 五十嵐冬樹 田部和則
第33回 2005年9月15日 旭川 2100m 11頭 フリートアピール 牡3 北海道 2:20.2 五十嵐冬樹 廣森久雄
第34回 2006年9月7日 旭川 2100m 9頭 ギルガメッシュ 牡3 北海道 2:17.5 服部茂史 角川秀樹
第35回 2007年6月5日 旭川 1600m 11頭 ブルータブー 牡3 北海道 1:44.9 服部茂史 廣森久雄
第36回 2008年6月3日 旭川 1600m 12頭 ボク 牡3 北海道 1:44.2 佐々木国明 若松平
第37回 2009年6月2日 門別 2000m 9頭 アラベスクシーズ 牡3 北海道 2:11.1 宮崎光行 堂山芳則
第38回 2010年6月1日 門別 2000m 11頭 クラキンコ 牝3 北海道 2:10.9 宮崎光行 堂山芳則
第39回 2011年6月7日 門別 2000m 13頭 ピエールタイガー 牡3 北海道 2:11.3 宮崎光行 堂山芳則
第40回 2012年6月5日 門別 2000m 11頭 ニシノファイター 牡3 北海道 2:12.1 小国博行 堂山芳則
第41回 2013年6月4日 門別 2000m 11頭 ミータロー 牡3 北海道 2:09.9 服部茂史 田中淳司
第42回 2014年6月3日 門別 2000m 12頭 ヤマノミラクル 牡3 北海道 2:13:2 井上俊彦 松本隆宏
第43回 2015年6月2日 門別 2000m 9頭 フジノサムライ 牡3 北海道 2:11:9 石川倭 米川昇
第44回 2016年5月31日 門別 2000m 12頭 スティールキング 牡3 北海道 2:06.0 桑村真明 角川秀樹
第45回 2017年6月1日 門別 2000m 13頭 ベンテンコゾウ 牡3 岩手 2:07.0 村上忍 菅原勲
第46回 2018年6月20日 門別 2000m 14頭 カツゲキジャパン 牡3 北海道 2:14.7 桑村真明 廣森久雄
第47回 2019年6月19日 門別 2000m 10頭 リンゾウチャネル 牡3 北海道 2:10.9 五十嵐冬樹 堂山芳則
第48回 2020年6月18日 門別 2000m 12頭 アベニンドリーム 牡3 北海道 2:12.8 桑村真明 角川秀樹
第49回 2021年6月17日 門別 2000m 8頭 ラッキードリーム 牡3 北海道 2:11.9 石川倭 林和弘
第50回 2022年6月16日 門別 2000m 10頭 シルトプレ 牡3 北海道 2:06.8 石川倭 米川昇
第51回 2023年6月15日 門別 2000m 9頭 ベルピット 牡3 北海道 2:07.9 桑村真明 角川秀樹
第52回 2024年6月13日 門別 2000m 11頭 パッションクライ 牡3 北海道 2:11.1 桑村真明 山口竜一

主な記録

[編集]

2010年の優勝馬クラキンコは、父が2000年の優勝馬クラキングオー、母が1994年の優勝馬クラシャトルで、両親に続く親子2代の優勝馬となった[25][26]

騎手の宮崎光行、調教師の堂山芳則はともに2009年から3年連続で優勝。同一の騎手と調教師の組み合わせによる3連覇は、本競走では初めてである[27][28]。なお、堂山は2012年も管理馬ニシノファイターで優勝し、4連覇を達成した[29]

参考文献

[編集]
  • 『2013ホッカイドウ競馬ガイド』北海道軽種馬振興公社(門別競馬場・各場外発売所で無料配布)

出典

[編集]
  1. ^ a b c キャンペーン”. SPAT4プレミアムポイント. 2024年6月10日閲覧。
  2. ^ 田中哲実 (2010年6月2日). “第38回北海優駿”. netkeiba.com. 2015年1月2日閲覧。
  3. ^ 第28回 北海優駿(ブラックタイアフェアー賞)D重4才 オープン経歴馬”. 地方競馬全国協会. 2015年1月12日閲覧。
  4. ^ 第29回 北海優駿(スキャン賞)D重3歳 オープン経歴馬”. 地方競馬全国協会. 2015年1月12日閲覧。
  5. ^ a b スタリオンシリーズ競走”. ホッカイドウ競馬公式サイト. 2003年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月12日閲覧。
  6. ^ a b スタリオンシリーズ競走”. ホッカイドウ競馬公式サイト. 2005年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月12日閲覧。
  7. ^ STV杯 第34回 北海優駿〔H1〕(コマンダーインチーフ賞3歳 オープン”. 地方競馬全国協会. 2015年1月12日閲覧。
  8. ^ ダービーWeekの5競走にスタリオン賞が付加!”. 地方競馬全国協会 (2007年5月23日). 2015年1月12日閲覧。
  9. ^ ダービーWeek今年も開催!(6/1 - 6)”. 地方競馬全国協会 (2008年4月3日). 2015年1月12日閲覧。
  10. ^ 2009ダービーウイーク 5/31開幕!”. 地方競馬全国協会 (2009年4月3日). 2015年1月12日閲覧。
  11. ^ 5月30日開幕! ダービーウイーク2010”. 地方競馬全国協会 (2010年4月5日). 2015年1月12日閲覧。
  12. ^ 6月6日開幕! ダービーウイーク2011”. 地方競馬全国協会 (2011年4月19日). 2015年1月12日閲覧。
  13. ^ 6月1日開幕! ダービーウイーク2012”. 地方競馬全国協会 (2012年4月19日). 2015年1月12日閲覧。
  14. ^ ダービーウイーク2013 5月31日開幕!”. 地方競馬全国協会 (2013年4月1日). 2015年1月12日閲覧。
  15. ^ ダービーウイーク2014 今年も人気種牡馬の種付け権利を付与”. 地方競馬全国協会 (2014年4月1日). 2015年1月12日閲覧。
  16. ^ 平成27年度 スタリオンシリーズ競走” (PDF). ホッカイドウ競馬. 2017年5月31日閲覧。
  17. ^ キャンペーン”. SPAT4プレミアムポイント. 2017年5月31日閲覧。
  18. ^ キャンペーン”. SPAT4プレミアムポイント. 2017年5月30日閲覧。
  19. ^ キャンペーン”. SPAT4プレミアムポイント. 2018年6月18日閲覧。
  20. ^ キャンペーン”. SPAT4プレミアムポイント. 2019年6月17日閲覧。
  21. ^ キャンペーン”. SPAT4プレミアムポイント. 2020年6月15日閲覧。
  22. ^ キャンペーン”. SPAT4プレミアムポイント. 2021年6月23日閲覧。
  23. ^ 2022年度 スタリオンシリーズ競走”. ホッカイドウ競馬. 2022年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月26日閲覧。
  24. ^ 2023年度 スタリオンシリーズ競走”. ホッカイドウ競馬. 2023年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月26日閲覧。
  25. ^ web Furlong 2010【ダービーウィーク特集】第38回北海優駿(ダービー) - 地方競馬全国協会、2015年1月12日閲覧
  26. ^ ホッカイドウ競馬の3冠馬クラキンコの優秀馬引退式が行われる”. 競走馬のふるさと案内所. 日本軽種馬協会 (2013年11月12日). 2015年1月12日閲覧。
  27. ^ web Furlong 2011【ダービーウィーク特集】北海優駿(ダービー) - 地方競馬全国協会、2015年1月12日閲覧
  28. ^ ピエールで宮崎&堂山師V3/北海優駿(2011年6月7日) - 日刊スポーツ、2015年1月12日閲覧
  29. ^ web Furlong 2012【ダービーウィーク特集】第40回北海優駿(ダービー) - 地方競馬全国協会、2015年1月12日閲覧

各回競走結果の出典

[編集]