夏休みの友
『夏休みの友』(なつやすみのとも)とは、日本において、主に公立小中学生を対象に[1]夏休みの宿題として課される夏休み課題用冊子のことである。学校によっては、『夏の友』[2]『夏の生活』[3]『夏休み帳』[4]などの名前が付けられている場合もある。
概要
[編集]読書感想文、自由研究、絵日記などと並んで夏休みの宿題とされる代表の1つである。冊子を総合的な宿題として扱い、読書感想文や自由研究などが冊子中で触れられている場合もある[5]。
大きくは、学習参考書メーカーから市販されているものと[6]、都道府県単位で教育関係者が寄り集まって編集、発行しているものとがあり[7]、学校や学年によって採否が異なる。また、学習参考書メーカーによるものは商品名であるため当然ながら、教育関係者によるものも都道府県によって冊子名は異なる。こういった事情から、採否だけでなく、冊子名や内容も学校や学年によって異なり、学童期にそのような課題冊子を体験したことのない人も存在する。
よく知られている冊子名としては『夏休みの友』が多く、1974年頃の静岡県を舞台としているちびまる子ちゃんにおいても、この冊子名で登場している。他には、『夏の友』『夏の生活』『夏休み帳』などが挙げられる。また、学年によっては『なつやすみのとも』のようにひらがなで記されているもの、近年では『サマースキル』[8]『スキルアップサマー』[9]『夏休みのスキル』などのようなカタカナの冊子名となっている場合もある。日本では、夏休みが長く冬休みは短いという地域が多いという事情から、冬休み向けの冊子を設けていない学校が多いが、冬休みが長い豪雪地方を中心に『冬休み帳』[10]『冬の生活』など冬休み向けの冊子を用意している学校もある。
歴史
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初出は定かではないが、明治末期には既に課題集の形式で登場しており、大正時代には複数の学習参考書メーカーから発行されている。冊子名も統一はされておらず、『ナツヤスミノトモ』を始め、様々な名前が登場していた。
戦時中は、軍隊の隊列風景を表紙に設け、敵対国の名前を回答するような問題を取り入れるなど、軍国主義的な要素が取り入れられるようになった。
戦後、これらの冊子は都道府県単位で作られることとなった。但し、前項に記載の通り、学校や学年によっては不採用のケース、市販品を採用しているケースも存在する。
脚注
[編集]- ^ “2008年度中学校における名古屋市教育研究協議会、愛知県教育振興会、の補助教材の採択状況” (PDF). 2009年8月2日閲覧。 - 中学校における採用例
- ^ “大垣市立中川小学校6年生学年通信” (PDF). 2009年8月2日閲覧。 - 冊子名『夏の友』採用例
- ^ “2008年度中学校における名古屋市教育研究協議会、愛知県教育振興会、の補助教材の採択状況” (PDF). 2009年8月2日閲覧。 - 名古屋市教職員労働組合による調査、『夏の生活』採用例
- ^ “三郷小学校2学年『じゃんぷ2』” (PDF). 2009年8月2日閲覧。 - 『夏休み帳』採用例
- ^ “宇都宮市城山西小学校 平成21年度第3学年向け『すくすく』夏休み号” (PDF). 2009年8月2日閲覧。 - 『夏休みの友』の中で理科研究(P.9やP.14)などに触れられている。
- ^ “佐倉市立山王小学校だより 2009年度” (PDF). 2009年8月2日閲覧。 - 市販品を採用している例
- ^ “2008年度中学校における名古屋市教育研究協議会、愛知県教育振興会、の補助教材の採択状況” (PDF). 2009年8月2日閲覧。 - 名古屋市教職員労働組合による調査、教育関係2団体によって作成されたものを対象としている
- ^ “佐世小だより” (PDF). 2009年8月2日閲覧。 - 冊子名『サマースキル』採用例
- ^ “京都市立美豆小学校6年学年便り” (PDF). 2009年8月2日閲覧。 - 冊子名『スキルアップサマー』採用例
- ^ “長野市立城山小学校2学年だより” (PDF). 2009年8月3日閲覧。 - 『冬休み帳』が設けられている例