日本再生の基本戦略
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日本再生の基本戦略(にほんさいせいのきほんせんりゃく)は、東日本大震災後の日本再生のために日本政府が定めた基本戦略。2011年12月22日、第6回国家戦略会議で決定され、その2日後の24日に野田内閣で閣議決定された[1][2]。経済成長と財政健全化の両立、「分厚い中間層」の復活に向けた施策が盛り込まれており、2012年7月に「日本再生戦略」として具体化された[1]。
概要
[編集]日本再生の基本戦略の構成及び各項目内で重点的に取り組む施策とされているものは、以下のとおり[3]。
- 更なる成長力強化のための取組(経済のフロンティアの開拓)
- 経済連携の推進と世界の成長力の取り込み
- EPA/FTAの推進
- 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の交渉参加に向けた関係国との協議
- 投資協定、租税条約、社会保障協定の重点的・積極的な推進
- 立地補助金の活用等による競争力強化
- 円高メリットの活用による海外M&Aの促進や資源確保等
- 国際戦略総合特区の活用
- 「アジア拠点化・対日投資促進プログラム」の着実な推進
- 偽造品の取引の防止に関する協定(ACTA)の早期発効・参加促進等による知的財産権の保護強化等
- パッケージ型インフラ海外展開の拡充
- 中小企業の海外展開支援等
- 農林水産物等の輸出促進
- ポイント制の早期実施による高度人材の受入れ推進
- 経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士候補者受入れの仕組みの改善
- 経済のグローバル化等を踏まえた民法(債権関係)改正
- クールジャパンの推進
- 環境の変化に対応した新産業・新市場の創出
- 新たな資金循環による金融資本市場の活性化
- 食と農林漁業の再生
- 観光振興
- 経済連携の推進と世界の成長力の取り込み
- 分厚い中間層の復活(社会のフロンティアの開拓)
- 世界における日本のプレゼンス(存在感)の強化(国際フロンティアの開拓)
批判
[編集]新自由主義の立場の経済学者からは、非正規労働者の待遇など日本の雇用に関する問題は、正規労働者の終身雇用・年功序列と長時間残業・遠距離異動など、高度経済成長や専業主婦を前提に確立した雇用慣行・法制全体の抜本的見直しの中で論じるのが本来であるとされているが[4][5][6][7]、「日本再生の基本戦略」にはそういった視点が見られないとも指摘された。
出典
[編集]- ^ a b “政府「日本再生の基本戦略」決定”. 読売新聞 (2011年12月23日). 2012年1月2日閲覧。
- ^ “12年度財投計画は前年比18%増の17.6兆円=政府”. ロイター (2011年12月24日). 2012年1月2日閲覧。
- ^ “日本再生の基本戦略の概要” (PDF). 国家戦略室. 2012年1月2日閲覧。
- ^ 八代尚宏 (2010年5月13日). “日本的雇用慣行の再評価と労働市場規制”. 日本取締役協会. 2012年1月2日閲覧。
- ^ 八代尚宏『労働市場改革の経済学-正社員保護主義の終わり-』東洋経済新報社、2009年。ISBN 978-4492260975。
- ^ 濱口桂一郎 (2008年7月1日). “日本の解雇規制は「二重構造」これが正規・非正規の差別を生む”. 毎日エコノミスト. 2008年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年1月3日閲覧。
- ^ 才上晃司 (2008年9月30日). “日本版労働市場改革の必要性―第3回NRI学生小論文コンテスト入賞作品” (PDF). 野村総合研究所. 2012年1月2日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 日本再生の基本戦略~危機の克服とフロンティアへの挑戦~ - 日本再生の基本戦略全文のほか、概要、プレスリリースなど。
- 「日本再生の基本戦略」について(2011年12月24日閣議決定)
- 第1回非正規雇用のビジョンに関する懇談会議事録