熱砂の舞 (1926年の映画)
熱砂の舞 | |
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The Son of the Sheik | |
ポスター(1926) | |
監督 | ジョージ・フィッツモーリス |
脚本 |
フランシス・マリオン フレッド・デ・グレサック ジョージ・マリオンJr.(タイトル) ポール・ジェラード・スミス(クレジットなし) |
原作 | E・M・ハル『The Sons of the Sheik』 |
製作 |
ジョージ・フィッツモーリス ジョン・W・コンシダインJr.(クレジットなし) |
出演者 |
ルドルフ・ヴァレンティノ ヴィルマ・バンキー モンタギュー・ラヴ カール・デイン ジョージ・フォーセット |
撮影 | ジョージ・バーンズ |
配給 | ユナイテッド・アーティスツ |
公開 |
1926年7月9日 1926年11月[1] |
上映時間 | 68分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | サイレント(英語のインタータイトル) |
興行収入 | 200万ドル以上[2] |
前作 | シーク |
『熱砂の舞』(ねっさのまい、The Son of the Sheik)は、1926年に公開されたアメリカ合衆国のアドベンチャー・ドラマ映画。サイレント。原作はE・M・ハルの恋愛小説『The Sons of the Sheik』。1921年のヒット作『シーク』(1921年)の続編で、ルドルフ・ヴァレンティノは前作の主人公シークとその息子で本作の主人公アーメドの二役を演じた[3]。共演はヴィルマ・バンキー。監督はジョージ・フィッツモーリス。
この映画の全国公開の2週間前、ヴァレンティノは腹膜炎により31歳の若さで亡くなり、『熱砂の舞』はヴァレンティノの遺作になった。
2003年、アメリカ議会図書館は「文化的、歴史的、審美的に重要」なものとして『熱砂の舞』をアメリカ国立フィルム登録簿に保存した[4]
あらすじ
[編集]シークの息子アーメドと旅芸人一座の踊り子ヤスミンは恋に落ちる。アーメドははるばる一座のテントまで会いにゆくが、ヤスミンに横恋慕するガーバらに捕まり拷問を受ける。ガーバはアーメドを人質に身代金を要求しようとさえするが、アーメドは仲間のラマダンたちにより救出される。
アーメドは傷の手当のため、トゥーグラの友人の家で静養している。その町に旅芸人一座が巡業でやってくる。ヤスミンは再会を喜ぶが、アーメドは先日の仕打ちはヤスミンの仕業と誤解している。アーメドは復讐のためヤスミンを誘拐し、砂漠のキャンプに幽閉する。
そのキャンプを父親のシークが訪問する。父親に叱咤され、アーメドはヤスミンを解放する。ラマダンが同行するが、二人ともガーバに捕まってしまう。
ヤスミンのことが忘れられないアーメドのところに、敵の手から逃れたラマダンが戻ってくる。ヤスミンが事件に関係ないことを知らされたアーメドはヤスミンの救出に向かう。ガーバとの対決に勝利し、アーメドはヤスミンとめでたく結ばれる。
キャスト
[編集]- アーメド/シーク:ルドルフ・ヴァレンティノ
- ヤスミン:ヴィルマ・バンキー
- アンドレ:ジョージ・フォーセット - ヤスミンの父。一座のリーダー。
- ガーバ:モンタギュー・ラヴ
- ラマダン:カール・デイン
- 香具師のアリ:ブル・モンタナ
- 香具師のピンシャー:ビュンスキー・ハイマン
- ダイアナ:アグネス・エアーズ - シークの妻でアーメドの母。前作『シーク』のヒロイン。
制作
[編集]1921年に『黙示録の四騎士』と『シーク』の大ヒットで国際的スターの地位を確立したヴァレンティノだったが[5]、1924年、これまでの「世界の恋人」のイメージからの脱却を図った『ボーケール』と『情熱の悪鬼』が興行的に失敗。1925年、ヴァレンティノがフェイマス・プレイヤーズ・ラスキー からユナイテッド・アーティスツに移籍すると[6]、社長のジョセフ・M・シェンクは『シーク』の続編にあたるE・M・ハルの小説『The Sons of the Sheik』の映画化権を獲得[3][7]。この映画でヴァレンティノの人気を取り戻すつもりだった[6]。
脚本を担当したのは2人の女性脚本家、フランシス・マリオンとフレッド・デ・グレサック[3]。
撮影はアリゾナ州のユマ砂漠とカリフォルニア州で行われた[8]。
公開
[編集]封切りは1926年7月9日、ロサンゼルスのミリオン・ダラー・シアター[9]。4週間上映された[10]。
ヴァレンティノは全国公開を前にプロモーションとして各都市を回っていたが、8月15日、ニューヨークのホテルで倒れ、緊急入院。穿孔性潰瘍が見つかり手術をするが、手術後、腹膜炎を発症、8月23日に亡くなった[11]。
その2週間後、1926年9月5日に『熱砂の舞』は全国公開。1年で1,000,000ドル、最終的にはその倍以上の収入を得た[12]。
評価
[編集]一部の批評家はヴァレンティノ最高の演技と評価した[13]。
出典
[編集]- ^ 熱砂の舞 - KINENOTE
- ^ Balio, Tino (2009). United Artists: The Company Built by the Stars. University of Wisconsin Press. ISBN 978-0-299-23004-3 p56
- ^ a b c MacCaffrey, Donald W.; Jacobs, Christopher P., eds (1999). Guide To the Silent Years Of American Cinema. Greenwood Publishing Group. p. 247. ISBN 0-313-30345-2
- ^ The Son of the Sheik at silentera.com database
- ^ Sandburg, Carl (2000). Bernstein, Arnie. ed. "The Movies Are": Carl Sandburg's Film Reviews and Essays, 1920-1928. Ebert, Roger. Lake Claremont Press. p. 309. ISBN 1-893-12105-4
- ^ a b DiMare, Philip C. (2011). Movies in American History: An Encyclopedia, Volume 1. 1. ABC-CLIO. p. 830. ISBN 1-598-84296-X
- ^ Block, Alex Ben; Wilson, Lucy Autrey (2010). George Lucas's Blockbusting: A Decade-by-Decade Survey of Timeless Movies Including Untold Secrets of Their Financial and Cultural Success. HarperCollins. p. 74. ISBN 0-061-96345-3
- ^ Leider, Emily W. (2004). Dark Lover: The Life and Death of Rudolph Valentino. Macmillan. p. 369. ISBN 0-571-21114-3
- ^ Leider 2004 p.370
- ^ “'Padlocked,' $32,000, Met's Best'; 'Ben-Hur,' 20 Weeks in L.A.”. Variety: p. 4. (August 11, 1926) 2020年5月5日閲覧。
- ^ Eagan, Daniel (2010). America's Film Legacy: The Authoritative Guide to the Landmark Movies in the National Film Registry. Continuum International Publishing Group. p. 117. ISBN 0-826-42977-7
- ^ Balio, Tino (2009). United Artists, Volume 1, 1919–1950: The Company Built by the Stars. Univ of Wisconsin Press. p. 56. ISBN 0-299-23003-1
- ^ Sherrow, Victoria, ed (2006). Encyclopedia Of Hair: A Cultural History. Greenwood Publishing Group. p. 383. ISBN 0-313-33145-6