アリエージュ県(フランス語 : Ariège)は、フランスのオクシタニー地方にある県です。西にはオート=ガロンヌ県、南にはアンドラ、東にはオード県とピレネー=オリアンタル県が位置しています。この県はあまり知られていませんが、観光やカタール歴史探訪の他アウトドア活動の様々な度訪れる価値は十二分にあります。『History, People and Places in the French Pyrenees』(1980年)の著者であるニール・ランズ(Neil Lands)はアリエージュをピレネー山脈沿いの地域の中で最も好きな地域と書いており、曰く「私の好きな城や塔がたくさんある、小さな隠れた塔がたくさんあるからです」。フランス人が休暇を取ってバカンスに出かける7・8月を除くとこの地域は非常に閑静で、訪れた人はゆったりとその静けさを楽しむことができます。
都市
[編集]- 1 フォワ
- 2 アクス=レ=テルム
- 3 オルリュ — アクス=レ=テルムからアンドラに向かう道の向かって左側に位置するとても静かで小さな集落で、キャンプ場を拠点として素晴らしい山の景観と散策が訪問者の観光欲を悦ばしてくれます。
- 4 サン=ジロン
- 5 パミエ
- 6 ラヴラネ
知る
[編集]アリエージュ県は基本的に歴史をたどると農業とヴィクデソ渓谷の鉄鉱石採掘をメインに発展してきた場所で、裕福な地域とは言えません。村は一概して小規模で、その多くはすでに荒廃している村であったり、手入れが必要な状態に置かれています。観光業とリオ・ティントによるリュザナックでの滑石採掘以外では雇用機会はほとんどなく、住民の平均年齢も年々高齢化していく一方です。若い世代はトゥールーズへ向かい仕事をしますが、休暇にはこちらに戻ってき、やがて退職してアリエージュに戻るようです。
中世の街・フォワが県庁所在地となっており、10世紀に建てられたと言われる3つの塔を持つお城が岩山の頂上にそびえたっており、今でも町を見守っています。フォワ伯爵家はカルカソンヌにある城塞を支配していた家で、ウルジェイ司教(スペイン)とアンドラも1993年に独立して民主的議会制国家となるまでの7世紀もの間運営責任者となっていました。城はかつては刑務所として利用されていたものの、現在では先史時代から中世以前に関する博物館となっています。
着く
[編集]トゥールーズ・ブラニャック空港(トゥールーズ・ブラニャック)は、アリエージュ県へ出入りするための玄関口となります。フォワとトゥールーズの間は車で約1時間、イージージェットやブリティッシュ・エアウェイズが発着しており、特にイギリスとの交通網は非常に発達しています。カルカソンヌ空港もフォワから1時間半ほどのところにあります。格安航空会社であるライアンエアーなどはこちらから利用可能です。
移動する
[編集]アリエージュには小さな渓谷や小さな村が多くあるため、きちんとそれらを観光していくためにはやはり車が必要です。レンタカーを借りるタイミングでベストなのはやはり飛行機でトゥールーズかカルカソンヌの空港に着いたときでしょう。フォワにもレンタカー会社があります。トゥールーズからアクス=レ=テルムまではフォワを経由していく必要がありますが、この移動ルートの延長戦にはラトゥール=ドゥ=カロルがあり、ここからスペインのバルセロナまで行くことができます。トゥールーズからはOphorus社が主催する地方の特に有名な観光地を巡るツアーに参加することも可能です。
観る
[編集]アリエージュにはカタリ派による虐殺という血なまぐさい黒歴史を持つ、モンセギュール城(Château de Montségur)があります。谷から比高1,000mの高台にあり、モンセギュール村に位置します。1208年のアルビジョア十字軍では第二回十字軍に引き続いてシモン・ド・モンフォール伯が率いる軍によってモンセギュールの城に立てこもるカタリ派を包囲し、9か月間の包囲の後にカタリ派は敗れて2週間でこれに屈し、カトリック改宗を命じられました。条件を拒否した200人以上の騎士とその家族は生きたまま炎にあぶられ、その場所は今でも「焼け野原」(The Field of Burning)と呼ばれます。現在城には何もなく抜け殻のような状態ではありますが、150mの上り坂を登って訪れる程度の価値は残っています。雰囲気は非常によく、谷の向こうは非常に三原市のいい美しい景色が続いています。年度末と年始の12・1月を除けば年中営業しており、急な坂を35~40分ほど歩きます。岩場が多く、また滑りやすいため歩きやすい靴で来ることを強く推奨します。
中世の街・ミルポワはカタリ派の拠点でしたが、占領者によってことごとく破壊され、1209年に城塞都市として改めて都市形成が行われました。中央の人場は非常に綺麗で、張り出した歩道や歴史的な建造物に囲まれています。ここにはイギリス人居住区があるためにイギリス人が多く住んでいますが、フランス語が苦手な方にとってはかなり助かるやもしれません。
また、この地域には洞窟がたくさんあり、フォワの近くにあるラブイッシュ洞窟(Grotte de Labouiche)では地下河川・伏流水を3kmほどボートで下ることができます。また、ニオー洞窟(Grotte de Niaux)にて遥か昔・紀元前10,800年のバイソンや馬などの洞窟壁画を眺めることができます。こちらはタラスコン=シュル=アリエージュが最も近い拠点都市となります。世界的にも有名なマス=ダジル(Mas d'Azil)は先史時代の遺跡で、こちらもドライブの目的地として選んでみるといいかもしれません。紀元前8,000年ごろのアジル時代と呼ばれる時期には、小さな火打ちに関する石器や色とりどりの装飾が施された小石、きめ細かな彫刻の表れている銛など特徴的な遺物が多く使われ、その名前にはこの洞窟が由来であるものもあります。19世紀には考古学者であるエドゥアール・ピエトがこの地域を発掘し、骨の彫刻を発見しました。これは人間がトナカイや馬を当時から家畜として利用していたことがうかがえる、としています。この遺跡が使われていたのは紀元前17,800年から紀元前6,500年頃と言われています。
- 旅程
- この地域には1週間の集団休暇の旅程を計画する休日活動会社がいくつかあります。
する
[編集]アリエージュはアウトドア山岳活動の聖地です。ピレネー山脈の最高峰があるからというわけではありませんが、ウォーキングに熱心な人から熱い視線を送られるルートがいくつも準備されています。アリエージュは道路網がかなり発達しているために日帰りで最高峰まで行くことができます。GR10やChemin de Bonnes Hommesをはじめとした多くのルートがアリエージュを通っており、英語のガイドさんとともにこのルートを通りたい方はhttp://www.marmot-tours.co.uk こちらで1週間の休暇の企画がなされています。様々なレベルのウォーキングやマウンテンバイク、ロードバイク、クロスカントリーでのスキーなど休日のアクティビティも多種多様です。
サイクリングが好きな方々にはいい情報があります。ツール・ド・フランスはほぼ毎年アリエージュへとやってきます。ある年には15ステージでレ・キャバネスからプラトー・ド・ベイユに向かう16kmの地獄の上り坂が使われ、冬の素晴らしきクロスカントリースキー場は夏のウォーキングの適所となる素晴らしい場所です。標高1,800mの地点から見るアンドラとフランスの山々は絶景で、例年夏には素晴らしい気温となります。ロードサイクリングがお好きな方向けに適したコルも数カ所にあります。
国家間スキーがしたい場合にはプラトー・ド・ベイユ(ゲレンデ60km)かドメーヌ・デュ・シウラ(ゲレンデ50km)のどちらかが選べ、双方ともとても楽しいです。ベイユの方は標高が高いため積雪量が多いです。
食べる
[編集]地元のレストランではタルティフレット、カスレ、カタルーニャ料理の影響を受けた料理などなど山の幸を存分に味わうことができます。地元のチーズ、特に ハードチーズのムーリやベテマルはとても美味しいです。
飲む
[編集]アリエージュはワインの生産地ではないために近くのオード県からワインを運んでいます。コルビエールやカオール、フロントンのワインが比較的多いです。白ワインの種類は少ない一方、赤とロゼワインが豊富です。オード側を超えたところにあるリムーはブランケット・ド・リムーの産地であり、これは素晴らしい発泡酒であるとともに御財布にも優しいです(1本約6ユーロ)。
泊まる
[編集]- Polfages Self-Catering Gites(Polfages 11420 Villautou (Aude)) — 近代化のなされた自炊用ジツで、隠れ家的庭園からのパノラマは最高です。卓球場やスイミングプール、ライダーでの乗馬などなど。週295ポンド~
出かける
[編集]アリエージュ県の交通手段 |
トゥールーズ ← ← | 北 南 | → ジャンクション(アンドラ パス・ダ・ラ・カザ) → スペイン → アルプ |