2009年のパシフィック・リーグクライマックスシリーズ
2009年のパシフィック・リーグクライマックスシリーズ | |
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クリック証券・クライマックスシリーズ・パ | |
MVPを受賞したスレッジ | |
ゲームデータ | |
優勝 北海道日本ハムファイターズ 2年ぶりの日本シリーズ出場 | |
スポンサー | クリック証券 |
試合日程 | 10月16日 - 10月26日 |
MVP | ターメル・スレッジ |
優勝チーム監督 | 梨田昌孝 |
進出 | 2009年の日本シリーズ |
第2ステージ | |
開催日程 | 10月21日 - 26日 |
球場 | 札幌ドーム |
勝利チーム | 北海道日本ハムファイターズ |
対戦相手 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
勝敗 | 4勝1敗(アドバンテージ1勝を含む) |
第1ステージ | |
開催日程 | 10月16日 - 17日 |
球場 | クリネックス宮城 |
勝利チーム | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
対戦相手 | 福岡ソフトバンクホークス |
勝敗 | 2勝 |
シーズン成績 | |
北海道日本ハムファイターズ82勝60敗2分 勝率 .577 | |
東北楽天ゴールデンイーグルス77勝66敗1分 勝率 .538 | |
福岡ソフトバンクホークス74勝65敗5分 勝率 .532 | |
< 20082010 > |
2009年のパシフィック・リーグクライマックスシリーズは、2009年10月に開催された、プロ野球パシフィック・リーグのクライマックスシリーズである。
概要
[編集]クライマックスシリーズは日本選手権シリーズ出場権を懸けたプレーオフトーナメントである。本大会はクリック証券株式会社が協賛社となっており「クリック証券・クライマックスシリーズ・パ」と題して行われた。
トーナメント表
[編集]1stステージ(準決勝) | 2ndステージ(決勝) | |||||
(6戦4勝制) 札幌ドーム | ||||||
日本ハム | ☆○○●○ | |||||
(3戦2勝制) クリネックス宮城 |
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楽天 | ★●●○● | |||||
楽天 | ○○ | |||||
ソフトバンク | ●● | |||||
- ☆・★=2ndステージのアドバンテージによる1勝・1敗分
第1ステージ
[編集]2009年度レギュラーシーズン第2位の東北楽天ゴールデンイーグルスと同第3位の福岡ソフトバンクホークスが3戦2勝先取制で争い、勝者が第2ステージに進出する。
会期:10月16日から10月18日(予備日:10月19日、20日 - 20日までに試合が消化されない場合は打ち切り)
パ・リーグのプレーオフが宮城県で行われるのは1974年と1977年(いずれも2シーズン制の優勝チームによる決勝戦で、ロッテ対阪急)以来、32年ぶり3回目となるが、2004年以後の現行プレーオフ制度導入後、また楽天イーグルス結成後では初開催である。
第2ステージ
[編集]2009年度レギュラーシーズン第1位チームの北海道日本ハムファイターズ(1勝分のアドバンテージが与えられる)と第1ステージの勝者(楽天)が6戦4勝先取制で争い、勝者が日本選手権シリーズへの出場権を得る。
会期:10月21日から10月26日(28日までに試合が消化されない場合は打ち切り)
球場:札幌ドーム
試合結果
[編集]第1ステージ
[編集]楽天が2連勝で第2ステージ進出を決めた。
第1戦(10月16日)
[編集]○楽天 11-4 ソフトバンク● (クリネックススタジアム宮城)
オーダー
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楽天は1回、高須が先頭打者本塁打で先制すると勢いに乗り、3回までに3本塁打と2本のタイムリー二塁打で7得点とソフトバンク先発の杉内をノックアウト。投げては楽天先発の岩隈が4回に4失点を喫するも9回まで投げきり完投勝利。楽天は球団創設5年目で初のポストシーズンゲームを勝利で飾り、第二ステージ進出へ王手をかけた。ソフトバンクは杉内の不調に加え、多村が試合直前に腰痛でベンチを外れるというハプニング、守備の乱れにも見舞われた。ソフトバンクは2005年のプレーオフから初戦5連敗となった。
第2戦(10月17日)
[編集]○楽天 4-1 ソフトバンク● (クリネックススタジアム宮城)
オーダー
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楽天は先発の田中が危なげないピッチングでソフトバンク打線をエラー絡みの1失点に抑え、前日の岩隈に続く完投勝利。打線は4回に中村真のタイムリーで先制すると5回には山﨑武が勝利を決定付ける3ランを放った。楽天は2連勝で第2ステージ進出を決め、ソフトバンクはダイエー時代から5回連続でポストシーズンゲームの敗退となった。なお、山﨑武は40代では初となるポストシーズン2試合連続本塁打を達成。
第2ステージ
[編集]日本ハムが4勝1敗(アドバンテージ分1勝を含む)で2年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。
第1戦(10月21日)
[編集]○日本ハム 9x- 8 楽天● (札幌ドーム)
オーダー
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日本ハムは1回裏に髙橋信二の犠牲フライで1点を先取するも、先発の武田勝が楽天打線に捕まり7回途中に5失点で降板。8回裏に反撃して3点を挙げるが9回表に楽天・鉄平に2点本塁打を浴び、8-4と4点ビハインドのまま9回裏へ。
しかし日本ハムは金子が倒れるものの田中・森本が連打し1死1・2塁のチャンスを作ると稲葉篤紀の適時打で3点差とする。続く高橋信二は四球を選び1死満塁とするとターメル・スレッジがクライマックスシリーズ史上初となる起死回生の逆転サヨナラ満塁本塁打を放ち、劇的なサヨナラ勝利を飾った。楽天は救援陣の乱調が響いた。ポストシーズンでのサヨナラ満塁本塁打は1992年の日本シリーズのヤクルト対西武の第1戦で鹿取義隆からサヨナラ満塁本塁打を打った杉浦亨(代打)以来17年ぶり。
2010年(平成22年)8月9日、日本野球機構が12球団の選手・監督・コーチら計858人からプロ野球の歴史を彩った「最高の試合」と「名勝負・名場面」についてアンケートを募集したところ、この試合が「名勝負・名場面」部門で第1位に選ばれた。
第2戦(10月22日)
[編集]○日本ハム 3 - 1 楽天● (札幌ドーム)
オーダー
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日本ハムの先発投手は、6月に楽天戦でプロ初勝利を記録した糸数敬作。対する楽天は岩隈が中5日で先発した。4回表、糸数はフェルナンド・セギノールのソロ本塁打で1点を失うが、直後の4回裏に小谷野栄一の適時打が出て日本ハムが同点に追いつくと、7回裏には球威の落ち始めた岩隈を攻め、髙橋の2点適時打で3-1とした。楽天は8回表に無死満塁の場面を作りながら後続が倒れ無得点に終わるなど、実に14残塁の拙攻で後がなくなり、日本ハムが日本シリーズ出場に王手をかけた。
第3戦(10月23日)
[編集]●日本ハム 2 - 3 楽天○ (札幌ドーム)
オーダー
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日本シリーズ進出に王手をかけた日本ハムは2回、髙橋のソロ本塁打で先制。しかし楽天は4回に渡辺直の同点ソロ本塁打の後、中島と草野のタイムリーで逆転。以降は楽天先発・田中が力投する。8回に1失点したものの、田中は第1ステージに続き完投勝利。楽天は第2ステージ初勝利で、アドバンテージ分を含む日本ハムの3勝1敗とした。また、楽天の監督である野村克也は2020年に死去したため、この勝利が監督としてポストシーズン及び生涯最後の勝利となった。
第4戦(10月24日)
[編集]○日本ハム 9 - 4 楽天● (札幌ドーム)
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日本ハムは1回にスレッジの犠牲フライで先制すると、2回には田中賢のタイムリースリーベースと森本の2ランで3点を追加。対する楽天も4回にセギノール・宮出のタイムリーで1点差とするが、日本ハムは7回にスレッジ・鶴岡のタイムリーで突き放す。楽天は8回にセギノールのタイムリーで2点差とすると、その裏のピンチには野村が中1日でエースの岩隈を投入する執念の采配を見せた。しかしスレッジにとどめの3ラン本塁打(CS新記録の合計10打点となる)を浴びた。日本ハムがアドバンテージ分含む4勝1敗で日本シリーズ進出を決めた。
試合後には既に楽天の監督退任が決定している野村の胴上げが所属経験のない日本ハムも参加して行なわれた[1][2]。野村はこの年を最後に現場復帰をしないまま2020年に死去したため、この年がユニフォームを着た最後のシーズンとなり、最後のポストシーズンで生涯最後の試合となった。
表彰選手
[編集]- MVP:ターメル・スレッジ(日本ハム)
テレビ・ラジオ放送
[編集]テレビ放送
[編集]第1ステージ放送日程
[編集]- 第1戦(10月16日)
- 第2戦(10月17日)
※第3戦が実施されていた場合、地上波はNHK総合≪全国放送≫で、BSはBS1で、CSはスカイ・A Sports+で放送される予定だった。
第2ステージ放送日程
[編集]- 第1戦(10月21日)
- 札幌テレビ放送(STV)≪北海道ローカル≫
- 実況:宮永真幸、解説:西崎幸広、リポート:岡本博憲(両サイド兼務)
- 放送時間:19:00 - 20:54、ただし、セ・リーグクライマックスシリーズ第2ステージ第1戦の展開次第では最大30分間の延長あり。
- セ・リーグクライマックスシリーズ第2ステージ第1戦中継の差し替え
- 宮城テレビ放送(MMT)≪宮城県ローカル≫
- ※実況・解説を地域別に差し替え
- テレビ埼玉≪埼玉県ローカル≫
- 実況:上野晃、解説:芝草宇宙
- 放送時間:18:30 - 21:30
- NHK衛星第1
- 実況:冨坂和男、解説:伊東勤
- 放送時間:18:10 - 21:30(延長あり)
- GAORA
- 第2戦(10月22日)
- 札幌テレビ放送(STV)≪北海道ローカル≫
- 宮城テレビ放送(MMT)≪宮城県ローカル≫
- 実況:伊藤拓、解説:若菜嘉晴
- 19:00 - 20:54、ただし、セ・リーグクライマックスシリーズ第2ステージ第2戦の展開次第では最大30分間の延長あり。
- セ・リーグクライマックスシリーズ第2ステージ第2戦中継の差し替え
- ※実況・解説を地域別に差し替え
- NHK BSハイビジョン
- GAORA
- 実況:城野昭、解説:芝草宇宙、リポート:宮原あつき
- 放送時間:18:00 - 22:30(延長あり)
- 第3戦(10月23日)
- 第4戦(10月24日)
- ※実況・解説を地域別に差し替え
- NHK衛星第1
- GAORA
- 実況:城野昭、解説:光山英和、芝草宇宙 リポート:宮原あつき
- 放送時間:14:00 - 17:57(延長あり)
※第5戦・第6戦が実施されていた場合、第5戦が北海道放送(HBC)≪TBCとの2局ネット≫とNHK衛星第1・GAORAで、第6戦がNHK総合≪北海道・東北地方のみ≫・NHK衛星第1・GAORAで放送される予定だった。
ラジオ放送
[編集]第1ステージ放送日程
[編集]- 第1戦(10月16日)
- 第2戦(10月17日)
- TBCラジオ≪QR・HBCとの3局ネット≫
- RKBラジオ≪福岡地区ローカル≫
- 実況:服部義夫、解説:加藤伸一、リポーター:櫻井浩二(ソフトバンクサイドのみ)
- 放送時間:12:55 - (試合終了まで)
- KBCラジオ≪福岡地区ローカル≫
- 実況:小林徹夫、解説:藤原満、リポーター:田上和延(ソフトバンクサイドのみ)
- 放送時間:12:55 - (試合終了まで)
※第3戦が実施されていた場合、TBCラジオ≪QR・HBCとの3局ネット≫、RKBラジオ≪福岡地区ローカル≫、KBCラジオ≪福岡地区ローカル≫で放送される予定だった。
第2ステージ放送日程
[編集]- 第1戦(10月21日)
- 第2戦(10月22日)
- NHKラジオ第1 (北海道・宮城県のみ)
- 実況:高瀬登志彦(HK)、解説:伊東勤、リポーター:北野剛寛(IK、日本ハムサイド)、伊藤慶太(HK、楽天サイド)
- 放送時間:18:00 - 18:50、19:30 - 21:47
- HBCラジオ≪北海道ローカル≫
- 実況:卓田和広、解説:岩本勉、リポーター:川畑恒一(日本ハムサイドのみ)
- 放送時間:17:57 - (試合終了まで)
- STVラジオ≪TBCとの2局ネット≫
- 実況:宮永真幸、解説:西崎幸広、リポート:横井健一(日本ハムサイド)、守屋周(TBC、楽天サイド)
- 放送時間:18:00 - (試合終了まで)
- 文化放送(QR)≪関東広域圏ローカル≫
- 実況:飯塚治、解説:東尾修、ゲスト:工藤公康、リポーター:上野智広(両サイド兼務)
- 放送時間:17:50 - 21:30(試合終了まで)
- 第3戦(10月23日)
- NHKラジオ第1[3]
- 実況:星野圭介(IK)、解説:鈴木啓示、リポーター:北野剛寛(IK、日本ハムサイド)、高瀬登志彦(HK、楽天サイド)
- 放送時間:18:05 - 18:50、19:30 - 21:12(放送終了後、ニュースを挟んでセ・リーグクライマックスシリーズ「巨人×中日」を21:45まで放送した)
- HBCラジオ≪北海道ローカル≫
- 実況:川畑恒一、解説:大宮龍男、リポーター:水野善公(日本ハムサイドのみ)
- 放送時間:17:57 - (試合終了まで)
- STVラジオ≪TBCとの2局ネット≫
- 実況:永井公彦、解説:白井一幸、リポート:横井健一(日本ハムサイド)、守屋周(TBC、楽天サイド)
- 放送時間:18:00 - (試合終了まで)
- 文化放送(QR)≪関東広域圏ローカル≫
- 実況:上野智広、解説:岩本勉、駒田徳広、リポーター:飯塚治(両サイド兼務)
- 放送時間:17:50 - 21:30(試合終了まで)
- 第4戦(10月24日)
- NHKラジオ第1
- 実況:伊藤慶太(HK)、解説:与田剛、リポーター:星野圭介(IK、日本ハムサイド)、高瀬登志彦(HK、楽天サイド)
- 放送時間:14:05 - 17:00(試合終了まで)
- HBCラジオ≪TBCとの2局ネット≫
- 実況:山内要一、解説:大宮龍男、リポーター:渕上紘行(日本ハムサイド)、守屋周(TBC、楽天サイド)
- 放送時間:HBCは13:50 -、TBCは13:55 - (試合終了まで)
- 文化放送(QR)≪関東広域圏ローカル≫
- ニッポン放送(LF)≪関東広域圏ローカル≫
※STVラジオは『ウイークエンドバラエティ 日高晤郎ショー』の放送を優先したため、中継を行わなかった(ただし18:00からセ・リーグクライマックスシリーズ「巨人×中日」戦(LF制作)を試合終了まで中継)。
脚注
[編集]- ^ この時の日本ハムのベンチには、現役時代パ・リーグの捕手同士として幾度も対戦した監督の梨田や、吉井理人投手コーチや稲葉(ヤクルト時代)、武田勝(シダックス時代)、坪井(阪神時代)といった野村の下でプレーした経験のある選手が多数顔を揃えていた。
- ^ “ノムさん、楽天ナインにお別れ/密着リポ”. 2013年5月3日閲覧。
- ^ 当初北海道・宮城県のみ「巨人×中日」の差し替え放送だったが、日本ハムの優勝がかかる試合となったこと、「巨人×中日」が優勝がかかった試合ではなかったため、急遽全国放送に変更された(ただし、巨人×中日戦も随時中継)。
関連項目
[編集]セントラル・リーグ | パシフィック・リーグ | ||||||
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優勝 | 読売ジャイアンツ | 2位 | 中日ドラゴンズ | 優勝 | 北海道日本ハムファイターズ | 2位 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
3位 | 東京ヤクルトスワローズ | 4位 | 阪神タイガース | 3位 | 福岡ソフトバンクホークス | 4位 | 埼玉西武ライオンズ |
5位 | 広島東洋カープ | 6位 | 横浜ベイスターズ | 5位 | 千葉ロッテマリーンズ | 6位 | オリックス・バファローズ |
:日本一 :日本シリーズ出場 :CS第2ステージ敗退 | |||||||