とくせい
とくせい(特性)とは、ポケモンに定められた要素の1つ。第三世代から登場した。
概要
ポケモンの種類ごとに1種類から3種類の特性が定められており、そのうちのいずれか1種類を各ポケモンが持っている。2種類以上の特性を同時に持っているポケモンはいない。同じポケモンでもフォルムごとに異なる特性を持つこともある。特性は様々な状況を作り出す重要な要素と言える。手持ちにいるだけで警戒されるような強力な効果を持つものから、限定的にしか役立てることが出来ないもの、中にはなまけ、スロースタートなどデメリットのあるとくせいまである。
特性を発動させる手段が無い場合、基本的に相手のポケモンがどの特性を持っているかは判別できない。狙いの特性を持った野生ポケモンを探す場合、トレースの特性を持ったポケモンを連れていると効率良く判別することが可能になる。
特性の多くは対戦時に効果があるが、第八世代以前でははっこうなどフィールドで効果のある特性も多かった。いかくなどどちらの状況でも効果のある特性もある。第九世代ではほのおのからだなどタマゴの孵化に関する効果や、ものひろいなど戦闘終了時に道具を拾う効果を除き、フィールド上の効果は無くなった。
ピカブイ、Pokémon LEGENDS アルセウスには特性のシステムは存在しないが、内部データ上は設定されている。Pokémon HOMEにポケモンを移し、ソード・シールドなどその種族のポケモンが転送可能になる作品のセーブデータを使用してそのポケモンを見ると確認できる。
隠れ特性 (夢特性)
第五世代からはポケモンが通常持つ特性とは別に、新たに追加された特性としてかくれとくせい (隠れ特性)が追加された。詳細は該当記事を参照。
これに対応し、隠れ特性ではない特性のことを通常特性と区別して呼ばれることがある。
特性の変化・変更
バトル外における特性の変化
第四世代以降のポチエナ(にげあし/はやあし)→グラエナ(いかく/はやあし)のように進化前と後でとくせいが異なる場合、にげあしのポチエナが進化するといかくのグラエナに、はやあしのポチエナが進化するとはやあしのグラエナとなる。進化により特性が変わるポケモンは特に、どちらが通常特性1でどちらが通常特性2であるかを区別することが重要となる。
ただし、第四世代で特性が追加されたポケモンをパルパークを利用して第三世代から連れて来て進化させた場合、特性の規則に当てはまらないことがある(ポチエナを例にすると、第三世代ではにげあしのものしか存在せず、進化させてもいかくにしかならないが、このポチエナを第四世代(あるいは更にポケシフターを利用して第五世代)に移して進化させるといかくではなくはやあしになることがある)。この場合、進化させなければ元の特性のままである。
バスラオの通常特性は、第五世代では入手方法により決まったが第六世代ではすじの色により決まるようになった (バスラオ#固有の仕様参照)。特性すてみのあおすじのバスラオをポケムーバーで第五世代から第六世代に送るといしあたまに変更される。
第七世代で通常特性が2つに増えたポケモンをポケモンバンクを利用して第六世代以前の作品から第七世代に連れてきたとき、その場で特性が変わることがある(ギガイアスを例にすると、がんじょうがすなおこしになることがある)。第九世代で特性の種類が変わったポケモンは、Pokémon HOMEから引き出したソフトの世代によって特性が変わる(エンペルトを例にすると、隠れ特性の個体を第八世代のソフトで引き出すときはまけんき、第九世代で引き出すときはかちきになる)。
世代間で隠れ特性が通常特性とは異なる特性に変更されたポケモンの場合、変更される前の世代で捕まえた隠れ特性個体(見かけ上は通常特性個体と区別がつかない)を送ることで特性が変化することがある。例としてポケモンドリームワールドで入手した特性ふゆうのドガース・マタドガスをPokémon HOMEに転送すると隠れ特性のあくしゅうに変化する。ORASのずかんナビで捕まえたドガース・マタドガスも同様にして特性があくしゅうに変わる個体がある。第七世代以前でこれらのドガース・マタドガスを親にして生まれた個体も、内部データ上で隠れ特性が遺伝しているときは同様にして特性があくしゅうに変わる。
第六世代以降では、2つの異なる通常特性を持つポケモンはとくせいカプセルで現在の通常特性をもう片方の通常特性に変えることができる。隠れ特性を通常の特性に変更したり、通常特性を隠れ特性に変更したりすることはできない。第八世代ではとくせいパッチで通常特性を隠れ特性に変えることができる。隠れ特性を通常特性に変更することは第八世代ではできなかったが、第九世代ではできるようになった。詳細は該当記事を参照。
Pokémon HOME (Ver.3.0.0) では、預けたときのポケモンの特性が各ソフトごとに記録される不具合があった(例えば、ソードで入手した通常特性のポケモンをスカーレットで引き出し、とくせいパッチで隠れ特性に変えた場合、ブリリアントダイヤモンドでは変更後の隠れ特性で引き出せるが、ソードでは預けたときの通常特性で引き出すことになる。詳細はPokémon HOME#備考を参照)。Ver.2.0.2以前や、Ver.3.1.0以降では、最後に預けたソフトでの特性のまま他のソフトで引き出せる。
バトルにおける特性の変化
一部のポケモンは姿が変わると特性が変わる。変身の効果は対象の特性もコピーするため、変身前から特性が変わり得る。スカイフォルムのシェイミがこおり状態になりランドフォルムに戻ると、特性がてんのめぐみからしぜんかいふくに変わる。メガシンカするポケモンは、メガシンカ前と後で特性が異なることがある。オーガポンはテラスタルすると特性がおもかげやどしに変化する。
特性を変える技や特性を変える特性によりポケモンの特性が変更されることがある。この効果はポケモンを交代させるか、戦闘が終わると元に戻る。技いえきを受けたポケモンや、後攻のコアパニッシャーを受けたポケモンはとくせいなし状態となり、特性の効果が表れなくなる。これも交代や戦闘終了で元に戻る(詳細は当該記事を参照)。以下に列挙する特性は、これら技や特性の効果を一部ないし全て無効化する。技の効果で変更されるが自分からその特性を移すことはできない特性もある。世代が変遷することにより無効だった効果が有効になることも、その逆も存在する。
とくせいガードを持ったポケモンの特性は書き変えることができなくなる。とくせいガードを持ったポケモン自身が使用した技や、自身の特性の効果であっても持ち主の特性を変更できない。とくせいなし状態やかがくへんかガスも無効化する。ただし、変身やフォルムチェンジによる特性の変更は受ける。
第三世代-第四世代
特性 | 特性を変える技 | 特性を変える特性 | 状態 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
スキルスワップ | なやみのタネ | なりきり | トレース | とくせいなし | へんしん | ||||
対象 | 使用 | ||||||||
なまけ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
ふしぎなまもり | × | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
トレース | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ||
てんきや | △ | ○ | △ | ○ | □ | ○ | ○[1] | ||
フラワーギフト | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○[1] | ||
マルチタイプ | × | × | × | - | × | × | ○[1] |
- 凡例
- ○:成功する
- ×:失敗する
- △:成功するが、特性は発動しない。
- □:第三世代では成功するが特性は発動しない。第四世代では成功しない。
第五世代-第九世代
特性 | 特性を交換する | 特性を消す | 特性をコピーする | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
スキルスワップ さまようたましい |
なやみのタネ シンプルビーム なかまづくり対象 |
なりきり使用 うつしえ使用側 ミイラ とれないにおい とくせいなし |
かがくへんかガス | トレース なかまづくり使用 |
なりきり対象 うつしえ対象 かがくのちから レシーバー |
変身 | |||
なまけ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
トレース | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ||
かがくのちから | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ||
レシーバー | |||||||||
ふしぎなまもり | × | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ||
イリュージョン | × | ○ | ○ | ○ | × | × | △[1] | ||
かがくへんかガス | × | ○ | ○ | × | × | × | △ | ||
はらぺこスイッチ | × | ○ | ○ | ○ | × | × | △ | ||
しれいとう碧 | × | ○ | ○ | ○ | × | × | △ | ||
こだいかっせい藍 | × | ○ | ○ | ○ | × | × | △ | ||
クォークチャージ藍 | |||||||||
おもかげやどし | × | ○ | ○ | ○ | × | × | —[2] | ||
テラスシェル | × | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ||
ゼロフォーミング | —[2] | ||||||||
どくくぐつ | ○ | ||||||||
かわりもの | △ | ○ | ○ | ○ | × | × | △[1] | ||
てんきや | △ | ○ | ○ | ○ | × | × | △ | ||
フラワーギフト | |||||||||
ダルマモード5-6 | — | ||||||||
うのミサイル藍 | △ | × | × | × | ○ | ○ | △ | ||
マルチタイプ | × | × | × | × | × | × | △ | ||
ARシステム | |||||||||
ぜったいねむり | × | × | × | × | × | × | ○[3] | ||
じんばいったい | × | × | × | × | × | × | ○ | ||
ダルマモード7- | × | × | × | × | × | × | △ | ||
ぎょぐん | |||||||||
リミットシールド | |||||||||
スワームチェンジ | |||||||||
きずなへんげ | × | × | × | × | × | × | △ | ||
バトルスイッチ | |||||||||
うのミサイル8碧 | |||||||||
ばけのかわ | |||||||||
アイスフェイス | |||||||||
マイティチェンジ | × | × | × | × | × | × | △ |
- 凡例
- ○ : 技や特性の効果を受ける
- × : 技や特性を無効化する
- △ : 効果を受けるが、他のポケモンが特性を得ても発動しない
- — : 確認する術がない
スカーレット・バイオレット (Ver.1.0.1-1.3.2) では、ハドロンエンジン/ひひいろのこどうも交換・上書き・コピーができない特性だったが、Ver.2.0.1で全てできるようになった。しれいとうは上書きできない特性だったが、Ver.2.0.1でできるようになった。Ver.2.0.2までクォークチャージ/こだいかっせいは上書きできない特性だったが、Ver.3.0.0でできるようになった。
遺伝
第五世代以降では、特定の条件で通常特性および隠れ特性が遺伝する。詳しくは遺伝#特性の遺伝を参照。
一覧
とくせい一覧を参照。
フィールド上で効果を発揮する特性はフィールドで効果のあるとくせい一覧を参照。
ポケモンカードゲームにおけるとくせい
ポケボディー、ポケパワー (特殊能力)、ときにはワザとしてもゲーム中のとくせいが登場する。
カードゲームで登場したものがゲームに登場した逆輸入の例もあり、中にはゲーム本編で特性という概念がまだ無い頃にカードゲームで登場したものも存在する。
ポケモンカードゲームBWでは新たに特性という要素が登場した。
ゲームではワザになっている物が特性や特殊能力になっている場合がある。また、その逆もある。(例:かいふくふうじ、ギアチェンジなど)
ポケモン不思議のダンジョンにおけるとくせい
ポケモン不思議のダンジョンでも基本的なシステムは同じだが、一部とくせいは効果が変更されている他、ポケモン不思議のダンジョン独自の仕様として複数のとくせいをどちらも持っている。例えば、ドータクンであればたいねつとふゆうのどちらのとくせいも持ち合わせている。
ポケモン超不思議のダンジョンではどちらか片方のとくせいのみ持つようになった。そのかわり、ルチャブルのわざカクトウーッ!でルチャメダルを消費して自由にとくせいを変更できるようになった。なお、かくれとくせいには変更することができない。
救助隊DXでも、どちらか片方のとくせいしか持たないという点は同じだが、本作では後からとくせいを変更する手段が無い。なお、野生ポケモンを倒して仲間にした際、敵だった時とは違う方のとくせいに変化する事がある。また、かくれとくせいは本作にも導入されていない。
ポケモンマスターズにおけるとくせい
ポケモンマスターズにはとくせい自体は登場しないが、パッシブスキルがそれに相当する。パッシブスキルはポケモンによって1から3つ持つほか、バディストーンボードやポテンシャルで習得できる。
各言語版での名称と由来
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