偽薬(ぎやく)は、本物の薬のように見える外見をしているが、薬として効く成分は入っていない、偽物の薬の事である。成分として少量ではヒトに対してほとんど薬理的影響のないブドウ糖や乳糖が使われることが多い。 プラシーボゥ(英語: placebo 英音: [pləˈsiːbəʊ] 米音: [pləˈsiːboʊ] [plæˈsiːboʊ])、プラセボ(フランス語: placebo [plasebo])ともいう。ラテン語のプラケーボー(ラテン語: placēbō [plakeːboː] )に由来する。なお日本の医学・薬学ではフランス語発音に近く呼ぶことが多い。 * ただし「placebo」とは、広義には治療手段として、本物の治療のように見せて実質上の治療の機序が含まれないものを指す。偽薬すなわち「薬」に限定されない。例えば、プラセボ手術(placebo surgery)がある。 偽薬は、偽薬効果(プラセボ効果)を期待して処方されることもあるが、本物の薬の治療効果を実験的に明らかにするため、比較対照試験(対照実験)で利用されることが多い(その代表としては二重盲検法がある)。不眠などの不定愁訴を訴える患者に対し、睡眠薬を継続して処方することが危険と判断される場合、ビタミン剤を睡眠薬と偽って処方することがあるが、WHOはこのような事を行わないよう勧告している。