立山(たてやま)は、日本の飛騨山脈(北アルプス)北部、中部山岳国立公園を代表する雄大な群峰・連峰群である。立山連峰と後立山連峰からなる複列連峰である。特に、立山連峰では、雄峰立山七十二峰八千八谷と謳われ、古来より信仰の対象として神々が宿る精神的な山々の空間を立山と称した。仏教観の須弥山。古くは多知夜麻(たちやま)とも立山(りゅうさん・りゅうせん)とも称された。国文学表現の「植うる(ううる)剣」とも「太刀の峯」とも謳われる。 群峰・連峰群には、越中駒ケ岳系、剱岳(不動明王)系、大日岳系、立山三山(たてやまさんざん)系、薬師岳系、白馬岳系、蓮華岳系、三俣蓮華岳系などからなる無数の連山連峰が折り重なっている。この中心の立山三山は、 浄土山、雄山(おやま、標高3,003 m)、別山の三山にて三世諸仏に例えられ、さらに主峰雄山は立山本峰(ほんみね)へ峯を続ける。同雄山、大汝山(おおなんじやま、標高3,015 m(最高標高峰))、富士ノ折立(ふじのおりたて、標高2,999 m)の三峯を立山本峰(たてやまほんみね)と称する。三山三峯のみならず立山全体で、神殿、および曼荼羅、須弥山の構造をとっている。 また、霊山信仰により、立山登拝が行われている。最高峰地群の雄山に登り大汝山や剣岳などを参拝することで、己が悟りを表す須弥山の天界思想や浄土世界がある。